伝統技術の進化を手のひらで感じる道具に出合う

受け継がれてきた技術の継承と発展のため、新たな挑戦をすることで魅力を増している東京の伝統技術。日本橋三越本店では、2019年6月12日(水)から27日(木)までの16日間、「進化する粋 東京手仕事展」を開催中です。

「東京手仕事展」のなかでも、平成30年度に開発された新商品を紹介するコーナーを中心に、一部受注生産のものもありますが、日常に使える伝統工芸商品を販売。

江戸職人の匠の技と心意気によって洗練され、庶民に愛され受け継がれてきた東京の伝統工芸品。

それをつくり上げる「手仕事」を、まだ伝統工芸に触れたことがない若い世代にも手に取ってもらえるようにと、東京らしい感性あふれる新しい工芸品の製作に挑戦。職人とデザイナーをマッチングし、試作を重ねた結果、商品化された新たな11商品がお披露目されています。

今回は、そのなかから賞を受賞した3点をピックアップしてご紹介します。

■1:東京三味線 打宝音(だほーん)

三味線の胴部分をイメージして製作された打楽器で、デザイナーは八嶋正実さん、職人は東京三味線/三絃司きくおかの河野公昭さんと小澤 諒さん。

表面を付属の撥で叩けば、打楽器になる以外にも、スマートフォンやタブレットを置いてホーンスピーカーとしても使えます。木の素材によって価格は変わるそう。最高賞の東京都知事賞を獲得しています。

「打宝音 カリン」[欅製]¥45,000(税抜)
美しい音が出るように、スリット幅や内部構造、天板の厚みなどを調整したそうです。カリンとウェンジ、カリンと栃の木を使ったものもあり。

■2:江戸硝子 Rondes

手のひらサイズの「呑んで楽しい、眺めて楽しいグラス」は木本硝子プロデュースのもと、南出優子さんのデザインによって誕生。

江戸硝子の伝統的な「型吹き」の技法を用い、手仕事で口元から底まで同じ薄さで均一に仕上げています。並べると男女のようにも見えるデザイン。中小企業振興公社理事長賞を受賞しています。

「江戸硝子 Rondes」ペアで¥5,000(税抜)

■3:江戸木彫刻 しずくの香り

木から美しい姿を掘り出す江戸木彫刻の技術を使ってつくられたフレグランスセット。撥水加工を施した木彫の器に、専用の香料液を垂らすと水滴が美しく転がっていく様子は、目でも癒されそう。デザイナーは清水大輔さん、職人は江戸木彫刻/佐藤彫刻の佐藤岩慶さんが手がけています。

撥水加工を施すために75回以上の検証を行って最も効果的なものを見つけ出し、今回3つのデザインで商品化されています。

「しずくの香り 雲」¥29,500(税抜)
シンプルな花びらの形のものもありました。「しずくの香り 花びら」¥15,500(税抜)

今回見つけたアイテムたちは、伝統の技術を受け継ぎながらも、新しい挑戦をして新たな息吹を得ています。こちらの商品のうち一部商品の販売は期間外にも行われますが、生産者や職人と直接会話し、商品に触れられる機会は多くありません。ぜひこの機会に足を運んでみては?

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この記事の執筆者
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WRITING :
北本祐子