「青い海の解放感と深い緑の心地よさ。両方を楽しめるのがこの家の魅力です」

東京から新幹線で1時間足らず。気軽に行き来できる熱海のマンションが、スタイリスト・押田比呂美さんの別荘。晴れた日には遠く大島まで見えるし、黄昏時は海も空もうっとりするほど綺麗なピンク色に染まります。

スタイリスト・押田比呂美さんの熱海の別荘の内観

「インテリアの主役は色。リゾートの楽しさを、額装したスカーフの色で演出しました」

スカーフは大好きなエミリオ・プッチの古いもの。額装することで柄や色の美しさが際立つし、自然をモチーフにしたものも多いので、眺めるだけで癒やされます。さらに、そのスカーフの色を随所に配しているのが押田さん流。

「オブジェでも花器でも、スカーフに似た色だなと思ったら買っておいて、あれこれ飾ってみるんです。年代も国も関係ナシ。洋服と同じで、ブランドミックスが心地いいですね」

プッチのスカーフとミッソーニの小家具で作られた、白壁白床のリビングのカラフルなコーナー

プッチのスカーフとミッソーニの小家具で、白壁白床のリビングにカラフルなコーナーをつくっています。シルクスカーフは90cm角のヴィンテージ。金で塗装したバンブーのフレームを買って、自ら額装したそう。「バンブーをモチーフにした額を選んだのは、熱海という日本的な場所とイタリアのデザインをつなぐものになると思ったから」。色や柄に共通点のあるミッソーニのクッションやスツール、陶製の花器を合わせています。

籐のハイバックチェアはSika Design社製

額はソファに座ったとき美しく見えるよう、低めの位置に設置。ソファは日本のブランド、カサブランカのもので、ラフな空気感をつくるラタン製。昼寝にも最適なゆったりサイズを選び、張地はスカーフと合わせて空色にした。「一日中座っていられるほど心地いい」という籐のハイバックチェアはSika Design社製。

「ニットのマルチカバーは母の手編みです。昔、私や弟のために編んだセーターをほどいて編み直してくれたもの。インテリアも着こなしも、黒が入るとぐっと引き締まってシックにまとまりますね」

「主役は額装したプッチのスカーフ。生地の色を部屋中にちりばめました」

額装したエミリオ・プッチのスカーフ

玄関の壁は鮮やかなオレンジ。以前の住人が貼った壁紙を生かしているそう。「最初はとまどったけれど、オレンジやピンクを使ったスカーフを飾ったら、互いが引き立て合ってとても素敵になりました。華やかな空間は別荘の入り口にぴったりだと思います」。

ベッドにはミッソーニのマルチカバー。チェストには、額装したプッチのイラストとN.Y.製のランプが

天窓からの自然光が心地いい寝室は、愛着あるものでいっぱい。ベッドにはミッソーニのマルチカバー、子供が幼いころに使っていたチェストには、額装したプッチのイラストとN.Y.製のランプを飾っています。

スタイリスト押田比呂美さんの熱海の別荘、内観

玄関を入ると、真っ白な廊下の奥にオレンジ色のパウダールームが!

左はブルーのガラスは古いかき氷の器、中央は福井県のガラス作家の作品、右はF.O.B.COOPのアイアンを使ったランプ

リビングの片隅にもさりげなく好きな色を。ブルーのガラスは、会津若松の実家で使っていた古いかき氷の器。その隣は福井のガラス作家の作品。アイアンを使ったランプはF.O.B.COOPのもの。

手前に花器、奥にエミリオ・プッチの本

リビングの棚には、ファッションブックと色を合わせた涼しげな花器を。アメリカのデザイナーものだそう。

この記事の執筆者
TEXT :
押田比呂美さん スタイリスト
2017.7.8 更新
雑誌や広告で幅広く活躍。雑誌『Precious』では毎号、華やかさと知性を備えた大人の女性美を引き立てるスタイリングを提案。著書に『大人の女の「エレガンス」磨き』(小学館)ほか多数あり。 好きなもの:シングルモルト、推理小説、レオパード柄、“サントリー”山崎&響、会津若松、黒柴、熱海、高村 薫、小雪(女優)、“ブルガリ”のジュエリー、古着、3月末、マスカルポーネチーズ、キューバの音楽、フィレンツェ、11月、黒と白、娘との時間、鈍行電車、古本屋の匂い、ヴィンテージ家具、イカ刺し、ポール・ニューマン
クレジット :
撮影/伊藤徹也 文/輪湖雅江