日差しが暖かく、屋外レジャーが楽しい季節がやってきましたね。家族や友人たちとお出かけの計画をしたり、ふと外に出てみたりという人も多いのではないでしょうか?

しかし、この季節気になるのはやはり「日焼け」。どんなにケアをしてもやはり日光を浴びる以上、避けては通れないものです。

前回は、日焼け後に体の外側からアプローチする方法を、ウェルネスクリニック神楽坂の院長である賀来 怜華先生にお聞きしました。今回は、日焼けをしてしまった後、食べ物など、体の内側からアプローチする方法をお話ししてもらいました。

賀来怜華さん
ウェルネスクリニック神楽坂院長・内科医
(かく れいか)東京生まれ。ウェルネスクリニック神楽坂院長・内科医。英国ロンドン大学医学部大学院卒業。英国王立内科学会認定医。米国、欧州、各アンチエイジング医学学会専門医。米国先端医療学会解毒治療認定医。 病気の大元の原因を解明し、根本的に全身の機能不全の部位を隈なく改善する「機能治療」と天然ホルモン補充、解毒治療や酸化療法などを駆使し、慢性の難病を解決するクリニックを主宰。 著書に『太りたくなければ、体の「毒」を抜きなさい! 』(三笠書房)がある。
リウェルネスクリニック神楽坂

日焼け直後に食べ物を変えただけではダメ!?

日焼けへの内側からのアプローチは長い目で見る!
日焼けへの内側からのアプローチは長い目で見る!

--賀来先生、今回もよろしくお願いします! 早速ですが、今回は日焼けに対して内側からのアプローチ方法をお教えいただければと思います。何か摂取した方が良い、という食品はありますか?

賀来 怜華先生(以下、賀来)「よろしくお願いします。日焼け後、その日焼けに効果の高い食品、という観点で言うと実ははっきりと『これが良い!』と言えるものがないのです……。またもちろん、摂取する食品を変えたからといってすぐに効果を発揮するというものではありません」

--たしかに……。食べ物による内側からのアプローチとなるとダイエットなどと同じで、一日にしてならずというものですよね。

賀来「そうですね。やはり食事に関しては継続的に心がけを行うことが大切です。先ほど、はっきりとどの食べ物が良いとは言い難いと話したのですが、こういった食品は避けるべき、というものはありますね」

内側からのアプローチは代謝がカギ!

添加物は体に様々な影響が!
添加物は体に様々な影響が!

--日焼けした肌を改善するにおいて避けるべき食品、というのはどういったものなのでしょうか?

賀来「まず前提として、日焼けしてしまった肌を改善させるためには、代謝の促進が重要です。その観点から言うと、血行促進を阻害し、体の代謝を悪化させてしまう食品は避けた方が良いですね。

具体的な例を挙げれば、添加物が入っている加工品、遺伝子組み換え食品、農薬が使われている野菜などです」

--実際、添加物の入った食品を摂取することで代謝に影響はあるのでしょうか?

賀来「実は、最近海外で行われた実験によってその影響が実証されています。同じカロリー、たんぱく質、糖質、量の自然食品を使った食事と添加物の入った食事を食べてその経過を見るという実験です。自然食品を使った食事を摂取していたグループは、体重に変化がなかったのに対して、添加物の入った食事を摂取していたグループは、体重が増加する傾向にあったのだそうです。

添加物を摂取することで、代謝に対して良くない影響があるということですね」

--逆を言えば、そういった食品でないものを意識的に摂取することが日焼け後の肌の状態を改善させることにつながるということでしょうか?

賀来「そうですね。自然食品はホールフードと言われていて、ありのまま、加工されていない食品のことを言います。

そういった食品から良質な栄養素を摂取することが大切ですね。

その場合しっかりと肉魚、大豆など食品そのものを料理して栄養を摂取することがおすすめです。油もトランス化していない良質なものをセレクトしてください。

肌の代謝を意識する場合はまず体全体の代謝を意識したいところですね」

--体の代謝となると、整腸作用のあるものなども良さそうですが、ヨーグルトなどはいかがでしょうか?

賀来「まったく意味がないとは言えないですが、アジア人は乳糖不耐症の人が多いので万人におすすめとは言い難いですね。整腸作用を高めて代謝を促すという観点から言えば、食物繊維が豊富に含まれている野菜や納豆、塩麹などがおすすめです」

注目されている健康食品にも注意しよう

一見、健康的に見える食品も……
一見、健康的に見える食品も……

-いわゆる添加物の入った食品、以外に注意すべき食べ物はありますか?

賀来「これもまた、添加物という話になってしまうのですが、多くの人が添加物のイメージを持っていないもの、というものならありますね。

大豆ミートと言われる大豆からまるでお肉のように加工した食品です。

もちろん、しっかりと自然食品を使用しているものもありますが、その味をお肉に寄せるために添加物が入っているものもあります。摂取する際は添加物が含まれていないか、遺伝子組み換え食材が使われていないかどうかをしっかり確認するのが良いですね。

同じように大豆からタンパク質を摂取するにしても、しっかり大豆そのものを生かした食品から栄養を摂取するのがおすすめです」

「美は一日にしてならず」。これは多くの人は実感していることですが、日焼けに対するアプローチも同じことが言えますね。

日焼けをしてしまうと、どうしても肌の状態改善に急いでしまいますが、まずはしっかりと肌の状態や、肌のターンオーバーに影響する血行や代謝に目を向けたいものです。

外側からのアプローチはもちろん、日々内側から代謝を高めることに意識を向けることで肌の代謝のみならず、体そのものに良い変化が現れそうです。

この記事の執筆者
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EDIT&WRITING :
Rina Onodera