正解は… 粗悪な類似品が出回った。 です。

需要が増えたことで、利益ばかりを追求する不埒な業者が、点字ブロックの類似品を売り出すようになりました。

三宅兄弟の点字ブロックは視覚障がい者の意見に基づき、突起の形状や配置、素材まで計算されつくしたものでしたが、粗悪な類似品が多数登場。

健常者のための商品を適当に流用したり、突起を千鳥格子状にするなどデザイン重視のものが出てきて、本来の目的である「視覚障がい者の安全歩行」を逆に妨げるようなブロックが横行したのです。

そんな中、なんと、開発者の精一氏が病に倒れ、1982年、56歳の若さで亡くなってしまいます。

パラリンピックに向けて、点字ブロックに限らず、バリアフリーアイテムの知識を学んでおきたいですね。

開発者の遺志を継いだ弟・三郎氏はその後も研究を重ね、点字ブロックはついにグローバル・スタンダードに!

精一氏の死後も、弟の三郎氏は視覚障がい者にとって、本当に有用な点字ブロックの研究と発表を続けました。そして2001年、三郎氏が参画した委員会の監修のもと、JIS規格によって形が規定されることになりました。

さらに、2012年にはISOの国際規格が発行され、日本の規格はこの基礎となりました。

日本発祥の点字ブロックが、世界中で貢献しています。

2016年の調査では、点字ブロックは、冒頭で挙げた国々のほか、アメリカ、中国、イギリスなど世界75か国に広がっているそうです。

日本人発明家の思いやりが生み育てた点字ブロックが、世界各国のバリアフリー化に、今も貢献し続けているのです。

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Precious.jp編集部 
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参考資料:huffingtonpost『NEWS』(2019年3月18日)/『TABIZINE~人生に旅心を~』(2018年11月17日)/Wikipedia『三宅精一』『視覚障害者誘導用ブロック』/『パラサポWEB』日本財団パラリンピックサポートセンター(2019年5月21日)
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