千葉・松戸の閑静な住宅街のなかにありながら、「パン好きの聖地」として人気を集めるパン屋「Zopf(ツオップ)」をご存じですか?
お店の名前はドイツ語で、ドイツの編み込みパンのことを意味します。
ですが、お店で扱うパンは多国籍で、毎日300種類以上のパンが並んでいます。パン好きならお店を見ているだけでウキウキしてしまうラインナップの多彩さを誇っているんです。
そんななかでも人気なのが、カレーパン。1日に700個ほども売れる大人気商品で、来店したお客さんのほとんどがカレーパンを購入していくのだとか。あまりの人気ぶりに、2019年7月にツオップのカレーパンを揚げたてで提供する専門店が、JR東京駅構内GRANSTA(グランスタ)にオープンしてしまったほど。
店名も松戸と同じ「Zopf(ツオップ)」。オープンして3か月ほど経ちますが、いまだに行列が絶えないこちらのお店では、なんと1日に2,000個ものカレーパンが売れているのだそう。
今回は、店長の田中希美さんに、こちらのカレーパンのこだわりやおいしい食べ方などを伺いました。
JR東京駅構内で1日に2000個売れる「ツオップのカレーパン」のこだわりとは?
■1:ザクッ!と楽しい食感の秘訣は揚げ方にあり
ツオップのカレーパンの特徴は、ひと口食べたときの「ザクザクッ」とした食感。
揚げたてで提供されるので、アツアツのパンをほおばると、生地表面にたっぷりとまぶしてある粗めのパン粉のザクザク感がまずはっきりと感じられます。そして、噛みしめると生地じたいのふんわり、もちもち感もたまりません。
ジュワッとした食感のフィリングは、牛ひき肉と、玉ねぎ、にんじん、きのこなどの野菜を加えて煮込み、十数種類のスパイスで仕上げたカレー。煮込まれた野菜の甘みのためか、最初はそこまで辛さを感じませんが、あとからピリリとした辛さがやってきます。後味は、けっこう辛めです。
パン粉のガリッとした強めの食感と、モチッとした甘めの優しいパン生地が、このスパイシーなカレーの味わいを引き立てています。
「材料は本店とほぼ同じものを使用しています。ただ、本店は手でつくっていて、こちらは1日に2000個売っている大量生産のため、工場でつくっているんですね。どちらもおいしいですが、両方知っている方からは、食感が少し違うね、というお話も聞いています。
粗めのパン粉を使っていて、高温で長めに揚げているというところがポイントです。食感がガリガリ、ザクザクッとしたカレーパンになります。
本店の店長である伊原靖友シェフに何度も見ていただいて、何度もやり直して、シェフのOKをいただけるまで、ほぼ1年かかっています。そのぶん、再現度は高いのかなと思いますね。
オープンしてからも伊原シェフには継続的に味をみていただいて、味にぶれのないようにしてもらっています」(田中さん)
■2:生地と具材の比率「1:1」へのこだわり
本店の味をしっかりと受け継ぎ、東京駅でも同じ味を楽しめるよう徹底的にこだわられた、ツオップのカレーパン。シェフの最大のこだわりは具と生地が1:1であることなのだとか。
「カレーライスも、ごはんがあってルーがありますよね。その対比も大事にしたいんです。カレーだけ食べてもおいしくないし、ごはんだけ食べてもおいしくない。どちらもあってのカレーライスであって、カレーパンでもそれは同じという考えなんですね。
生地に使っている小麦粉は、シェフが監修した国産の小麦粉ですが、野菜やお肉などはふつうのカレーパンに入っているようなもので、特に変わったものなどは使用していません。
具と生地の比率や、揚げ方のこだわりで、ツオップのカレーパン独特の食感や味わいが出るのだと思います。
ツオップのカレーパンは、野菜もお肉もたっぷり入っているためボリューム満点で、大きさもふつうのカレーパンよりひと回り大きいと思います。女性のお客様は、ひとつでも満足していただけるのではないでしょうか」(田中さん)
ツオップのカレーパンを持ち帰ったときの「おいしい温め直し方」のコツ
常に揚げたてで提供しているツオップのカレーパン。その場でパクッと頬ばる人も多いですが、いくつも買って箱詰めで持ち帰る人も。
冷めてもおいしいのですが、自宅で揚げたての味を再現するのには、やはり温めなおしがおすすめです。温め直しの方法は以下。記載時間は、カレーパン1個分の場合の目安です。
1.カレーパンを袋から出し、ラップをかけずに電子レンジ(500w)で約20秒加熱。(目安は手で持って少し熱いくらい)
2.オーブントースター(1000w)で約1分半加熱。ときどき様子を見ながらこげないように注意。(こげそうなときはアルミホイルに包んで温める)
これで、焼きたてに近いしっかりとした歯ごたえがよみがえりますよ。持ち帰って友人や家族と食べる際には、ぜひ温め直してみてください。
ツオップのカレーパンに合う飲み物は?
そして、このカレーパンに合わせたい、飲み物についても教えていただきました。
「ラッシーのようなヨーグルトドリンクはもちろん合いますし、コーラや、ビールも合うと思います。お好みで試してみてくださいね」(田中さん)
松戸の本店ではカツカレーパン、焼きカレーパンも展開
ちなみに松戸の本店では、カツの入ったカツカレーパン、コーンフレークやパン粉をつけて揚げずに焼くヘルシーな焼きカレーパンというものも販売されています。今後、東京駅で販売する可能性もあるのでしょうか?
「現在は1種類のみですが、今後種類を増やしていけるよう、進めている最中です。いくつかの種類のなかから、選べる楽しさがあってもいいのかなと。オリジナルも1年かかっているので、シェフのOKをいただくまでに時間はかかるかもしれないですが(笑)。
季節ごとの商品なども、今後は出していけるといいなと思っています」(田中さん)
平日は、日中には行列が途切れることがあるものの、現在も毎日のように夕方過ぎにはカレーパンが完売している状況だそうで、土日は午前中、平日は夕方が特に混む時間帯とのこと。
ただ、ツオップのカレーパンは並んででも食べる価値あり! ぜひ、「ザクッ、ふわっ、ジュワッ」の食感と、もっちり生地とスパイシーなカレーの絶妙なマッチングを味わってみてくださいね。
問い合わせ先
- Zopf(ツオップ)カレーパン専門店 グランスタ店
- 営業時間/8:00~22:00 (月~土・祝日)、8:00~21:00 (日・連休最終日の祝日)
- TEL:03-5220-5950
- 住所/東京都千代田区丸の内1丁目9−1 JR東日本東京駅構内 B1F
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 小林麻美