現在モロー・パリのクリエイティブディレクターを務めるのは、フェドール・ジョージ・サヴチェンコ氏。数多のメゾンブランドでデザインを担当した、業界では名うての才人である。パリのフォーブル・サントノレ通りにある本店を訪ねたところ、彼は“モロー・パリ”におけるものづくりについて、このように語ってくれた

■3:優雅なデザイン

ビジネスバッグの定番モデル『ヴィコントジュニア』をベースに、通常では使われていないカラーをセレクトした、MEN’S Preciousとモロー・パリのコラボレートモデル。サヴチェンコ氏自ら筆と絵の具を使って、あっという間にこの芸術的なデザイン画を描き上げてくれた!撮影/長山一樹

「まずは私が手描きでデザイン画をスケッチし、それをモデリストと試行錯誤しながら製品化します。もちろん1回で納得のいく製品ができることはなく、今季の新作のなかでは、4回もやり直してようやく完成したバッグもありますよ。こだわりですか?

それはお客様のニーズを考えることでしょうか。最近では『軽いバッグがほしい』という要望も多いですから、なるべく軽い革を使うことを意識します。ただいちばん大切なのは、できる限りハイテク素材は使わないこと。モロー・パリではレザーやコットンなどを駆使した、自然なものづくりを貫いています」─では、あなたが個人的に好きなバッグはなんですか?

「それはビジネスバッグの『ヴィコントジュニア』ですね。軽くて丈夫で、なんでも入れられる。私は毎日使っていますが、このレザーは水にも強い。海にもこれで行っていますよ(笑)」─ぜひ、私も使ってみたい!

このバッグをベースに、私仕様のカラーリングを注文できませんか?「では一緒に色を選びましょう。私が完璧なバッグを描きますから」

かくして、わずか20分程度でサヴチェンコ氏によるデザイン画は完成した。その完成度の高さに、急遽日本の「モロー・パリ 三越日本橋本店」での限定販売が決定!

ここにMEN'S Preciousのクリエイティブディレクター、山下英介とモロー・パリによるコラボレートバッグの製作がスタートした。その完成品は近日ご紹介予定。乞うご期待!

※価格はすべて税抜です。

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WRITING :
山下英介