キッチンで存在感がある家電といえば、冷蔵庫ではないでしょうか。冷蔵庫は大きいため、デザインによっては生活感が出てしまいます。
そこで、「ビルトイン冷蔵庫」という提案。
ビルトイン冷蔵庫なら、平面がフラットに、そして統一感のある美しいキッチンにすることが可能です。
本記事では、ビルトイン冷蔵庫と一般的な冷蔵庫の違い、検討する際のポイント、選び方、国産・海外ブランドそれぞれのビルトイン冷蔵庫のおすすめをご紹介します。
■ビルトイン冷蔵庫と、一般的な冷蔵庫の違い
そもそもビルトイン冷蔵庫はどういったものなのでしょうか。一般的な冷蔵庫との違いを解説します。
ビルトイン専用の冷蔵庫じゃなくても、ビルトインできるの?
ビルトイン冷蔵庫とは、造り付けのキャビネットや棚に冷蔵庫を組み込んだもののことをいいます。
ということは、一般的な冷蔵庫をそのように設置すれば、ビルトインということになります。
できるにはできるのですが、一般的な冷蔵庫をビルトインする場合には注意が必要です。注意点は後述しますので、参考になさってください。
ビルトイン専用の冷蔵庫の特徴
ビルトイン専用の冷蔵庫は、大きな特徴は2つあります。
熱を逃がす処理法
1つ目は、熱を逃がす処理方法が、一般の冷蔵庫と異なります。
一般の冷蔵庫は、多くの場合背面で熱を逃しますが、ビルトイン冷蔵庫は、前面の足元から熱を逃がすように設計されています。
ですので、前面以外がふさがっていても大丈夫なのです。
扉が付けられる
2つ目は、オプションで冷蔵庫の前面に扉がつけられるものもあることです。
そのことにより、冷蔵庫を目隠しでき、キッチンに統一感が生まれます。
一般的な冷蔵庫をビルトインするときの注意点
一般的な冷蔵庫をビルトインするときに気をつけたいことは、最小必要設置スペースを守って設置することです。
最小必要設置スペースとは、最低限の放熱スペースのことです。
このスペースを確保していないと、故障の原因となったり、熱がこもって冷却されず、電気代がかかってしまいます。
最小必要設置スペースは、製品のホームページや説明書に書かれているので、必ずチェックしましょう。
■ビルトイン冷蔵庫を検討する際のポイント
ビルトイン冷蔵庫を検討するときのポイントを、新築、リフォーム、買い換えのそれぞれのシーン別に解説します。
家が新築の場合
新築のキッチンにビルトイン冷蔵庫を設置したい場合は、キッチンを設計する際に設計士や、オーダーキッチンメーカーに相談します。
その際、導入したい冷蔵庫をあらかじめ伝えておき、設置場所などを打ち合わせしてください。
費用は冷蔵庫を収めるキャビネットや、冷蔵庫用の扉をつくらなければならないため、通常のシステムキッチンよりもかかると考えておきましょう。
家がリフォームの場合
リフォームする際にビルトイン冷蔵庫を導入するならば、リフォーム会社に相談して、どんな冷蔵庫を買うか、どこに置くかなどをあらかじめ決めます。
その上で、設置する場所のスペースを作ってもらい、コンセント増設工事もお願いしておくとよいでしょう。
また、外国製の自動製氷機付きの冷蔵庫だと、給水管の必要があるので、そのあたりも打ち合わせしておきます。
キッチンのリフォームの相場は、工事の規模によりますが、およそ50〜200万円です。
また、コンセント増設工事は、既存の電気配線から分岐してコンセントを増設する場合、約12,000円かかります。
買い替える(取り替える)場合
買い替えの場合、今使っている冷蔵庫の設置場所に置くのであれば、サイズに合ったものを選ぶことが重要です。
ドア材がついているタイプのビルトイン冷蔵庫であれば、新しく買い替えた冷蔵庫に付け替えます。
搬入・設置は、一般的には購入した家電量販店や電気店が行なってくれます。費用は、5,000〜1,0000円くらいです。
また、以前に使っていた冷蔵庫を処分するための費用が、およそ5,000円程度かかることもあります。
■ビルトイン冷蔵庫の選び方
ビルトイン冷蔵庫を選ぶ際に、どんなことに気をつければよいのでしょうか。ポイントをご紹介しましょう。
日本製か海外製か
「ビルトイン冷蔵庫」として販売されている製品は、日本製のものは少なく、海外製のものが多いです。
そのため、「国産のものがいい」と考えている方には選択肢が少なくなってしまうこともありますが、日本製のビルトイン冷蔵庫ももちろん販売されているので、適切なものを探しましょう。
また、通常の冷蔵庫をビルトインして使うことも可能です。その場合、最小必要設置スペースを確認し、設置します。ぴったりはめ込んでしまうと、消費電力量が上がってしまうこともあるので、注意してください。
通常の冷蔵庫をビルトインして使う場合は、取扱説明書をしっかりと読み込み、メーカーに問い合わせるなどして、適切な設置方法を確認してください。
外国製のビルトイン冷蔵庫は、キッチンキャビネットに合わせた扉をつけられるものが製造されており、キッチンの面の統一感を演出することができます。
また、扉をつければ完全に冷蔵庫の存在感を消すことができるので、すっきりします。ただし、冷蔵庫を入れるキャビネットや扉を作る必要があります。
ご家庭に適したビルトイン冷蔵庫を選びましょう。
新品か中古か
ビルトイン冷蔵庫は新品を用意したいものですが、出費を控えるために中古を検討される方もいることでしょう。その際チェックすべきは、サイズ、製造年です。
ビルトインにするならば、サイズチェックは必要不可欠。設置場所のサイズを測り、そこにビルトインできるものを探しましょう。
また、製造年は比較的新しいもののほうがいいでしょう。もし、故障したときに生産終了していた場合、メーカーにメンテナンスをしてもらえないことがあるためです。
設置場所の奥行きをチェック!
ビルトイン冷蔵庫では、周りをキッチンパネルで囲むため、キッチンパネルが冷蔵庫の全面よりも前に出ていると、扉が90°しか開かなくなってしまいます。
設置場所の奥行きよりも、冷蔵庫の奥行きが長くならないよう気をつけてください。
■国産のビルトイン冷蔵庫のおすすめ
「パナソニック」「日立」「アクア」「ホシザキ」の国内メーカーのビルトイン冷蔵庫をピックアップしてご紹介します。
「パナソニック」の「フルフラットガラスドア冷蔵庫 451L(NR-J45KG)」(価格:¥345,000)
一般的な冷蔵庫はもちろん、システムキッチン用冷蔵庫を販売しているパナソニック。
システムキッチン用冷蔵庫には、フルフラットガラスドア冷蔵庫と、キッチンに合わせてコーディネイトできるコーディネイトドア冷蔵庫があります。
こちらの商品は、そのフルフラットガラスドア冷蔵庫です。
使い勝手や空間との調和にこだわった設計となっており、奥行き650mmのキッチンやカップボードにすっきり収まります。
適切な湿度を保って野菜も果物も約1週間新鮮に保存できる「シャキシャキ野菜室」や、「ワンダフルオープン」で冷凍室も野菜室も100パーセント全開でき、無駄なく広く入れられる大容量。
また、自動節電もできる機能を搭載しています。
どんなインテリアにもあわせやすいスノーホワイトとシャンパンゴールドの2カラーを展開。
「パナソニック」の「コーディネイト冷蔵庫601L(NR-J60PC)」(価格:¥440,000)
ボディーカラー3色、ドアカラー31色、容量4タイプの組み合わせ372通りのコーディネイトドア冷蔵庫です。
冷蔵庫をシステムキッチンに合わせたカラーリングにすることで、お部屋に統一感をもたらします。
「日立」の「6ドア冷蔵庫(735L・フレンチドア) クリスタルミラー R-WX74K-X」(価格:¥300,000)
業界最大容量の735リットル。「スポット冷蔵」「サッと急冷却」で便利に冷蔵保存ができ、「真空チルド」「新鮮スリープ野菜室」などの独自機能を搭載。
また、アプリでスマホと連携し、保存食材をスマホで撮影、購入日や経過日数を一覧で記録できる「食材管理」で家事をサポートしてくれます。
「電動引き出し」で、食品をたくさん入れてもワンタッチで軽々開けられるのも魅力です。
「アクア」の小型タイプ「 アクア 冷蔵庫(272L・右開き)AQR-27H」(価格:¥54,456)
三洋電機をルーツにもつ家電メーカー「AQUA(アクア)」。
現在では、世界No.1の白物家電メーカーであるHaierグループのひとつです。冷蔵庫をはじめ、洗濯機や家事小物家電を製造しています。
シンプルなデザインに、ミスティシルバーとナチュラルホワイトのカラー。キッチンに美しく調和する冷蔵庫です。
特徴は、200リットルクラスながらも、3ドア、独立野菜室&全段強化処理ガラス棚が付いていること。また、冷蔵庫の上部が耐熱100℃テーブルとなっているため、オーブンレンジを置くことができます。
「ホシザキ」のアンダーカウンタータイプ「業務用テーブル形冷凍冷蔵庫 RFT-120SDG(内装ステン)」(価格:¥237,038)
業務用冷蔵庫でおなじみのホシザキ。ご紹介する冷蔵庫も業務用ではありますが、一般家庭に設置することも可能です。
冷蔵室 139リットル、 冷凍室 151リットルの合わせて290リットル。アンダーカウンタータイプではありますが、二人暮らしに最適な容量といえます。
キズが付きにくく、汚れが落ちやすいフッ素プレコートステンレスを採用。汚れてもお手入れしやすいのが特徴です。
■海外ブランドのビルトイン冷蔵庫のおすすめ
「リープヘル」「ガゲナウ」「ケンモア」「アーエーゲー」の4つの海外メーカーのビルトイン冷蔵庫をご紹介します。
「リープヘル(ドイツ)」の「ビルトイン冷凍冷蔵庫 ECBN5066 PremiumPlus」(希望小売価格:¥1,150,000)
1949年に設立された「LIEBHERR(リープヘル)」は、建設機械メーカーとして全世界に知られています。
建設機械自体をクールダウンさせる技術の応用からヒントを得て、1954年に創業した家電製品事業については60年以上の歴史があり、同社の取り扱い製品は冷蔵冷凍庫やワインキャビネット、シガーキャビネットと、対象物を冷やす製品に特化した専業メーカーで、今日ではヨーロッパにおいて、Cooling / Freezing分野における世界最大級の家電ブランドとなっています。
リープヘルのビルトイン冷蔵庫には利便性を考慮した各種機能が搭載されており、サイズは82~88cm(カウンター下に設置するタイプ)、178~203㎝ 程度(トールタイプ)の高さ範囲で用意されています。
ドアの種類はスライド式・開閉式から選ぶことができ、カスタムパネルを本体ドアに取り付け、キッチンキャビネットと冷凍冷蔵庫を一体化することができます。
こちらの冷蔵庫は、462リットルの大容量。野菜やお肉の鮮度を保持するバイオフレッシュ室や、給水接続方式のアイスメーカーを搭載しています。
庫内の各トレイはレール上に配置することから、取り出しがスムーズに行えるのもポイントです。
「リープヘル(ドイツ)」の小型タイプ「ビルトイン冷凍冷蔵庫 SICBN3366 Premium」(希望小売価格:¥648,000)
こちらは、前にご紹介した「ビルトイン冷凍冷蔵庫 ECBN5066 PremiumPlus」よりも、容量279リットルのやや小型タイプ。
冷蔵室には2段のバイオフレッシュ室、冷凍室は3段の引き出しケースで、使い勝手のよさを実感できます。
バイオフレッシュ室は冷蔵室での保存よりも低温で温度管理することで鮮度が保持され、最適な湿度帯管理を実現。
給水接続方式のアイスメーカーは自動で注水・製氷が可能です。
「ガゲナウ(ドイツ)」の「ビルトイン冷凍冷蔵庫 RB 472 304」(オープン価格)
「GAGGENAU(ガゲナウ)」は1683年にドイツで創立されたキッチン機器メーカー。ビルトインを専門にさまざまなキッチン機器を製造しています。
ビルトイン冷蔵庫のシリーズ「バリオクーリング400シリーズ」は、ガゲナウ独特のデザインスタイルで設計され、他とは比べものにならない機能と美しさを誇っています。
今回ご紹介する製品は「ビルトイン冷凍冷蔵庫 RB 472 304」。庫内はステンレスで覆われ、ガラス製の棚、アルマイト加工されたソリッドアルミのドアラック、熱伝導が良いこれらの素材は食品をしっかり冷却します。
照明は暖色LEDによるまぶしさがない間接照明、ドアはハンドルを使用しないプッシュトゥオープン。ハンドルを取り付けて使用することもできます。
「ケンモア(アメリカ)」の「KRS5176S 」(価格:¥576,000)
「Kenmore(ケンモア)」は1913年設立の100年以上の歴史ある家電製品ブランドです。
2000年代に入り、アメリカのおよそ30%の家庭にKenmore製品が使われたこともあり、多くの家庭で愛されています。
冷蔵庫は、ほとんどの製品がビルトイン可能です。
シンプルでムダのない機能性とデザインはアメリカ製ケンモアの冷蔵庫ならでは。美しいキッチン、おしゃれインテリアにマッチするステンレス仕様です。
アメリカの冷蔵庫では標準的な機能の「カスタムディスペンサー(ウォーターサーバー)」。冷蔵庫のドアを開けることなく、角氷、クラッシュアイス、冷水をドリンクバー感覚で取り出せます。
アメリカブランドのカスタムディスペンサー付冷蔵庫からの入れ替え・買い替えにもおすすめです。
「アーエーゲー(ドイツ)」のアンダーカウンタータイプ「Electrolux AGS58200F0」(価格:¥233,333)
「AEG(アーエーゲー)」は1883年創設のドイツの電機メーカーです。
モーターや発電機を製造してセンセーションを巻き起こし、さらには、この新しい動力を応用したヘアードライヤーや掃除機などの家庭用製品を次々と開発して現在に至ります。
こちらの製品は、アンダーカウンタータイプ。キッチンのカウンター下に冷蔵庫を設置したい方にぴったりです。
冷媒、冷却装置、梱包材などから、100%フロンを排除した、地球環境に優しい製品。国際規格4スターの冷凍庫は、食品を効率よくすばやく冷凍し、素材のおいしさを逃しません。
美しいキッチンにするならビルトインに決まり!
当記事では、ビルトイン冷蔵庫と一般的な冷蔵庫の違いや、ビルトイン専用の冷蔵庫の特徴、一般的な冷蔵庫をビルトインするときの注意点を始め、新築・リフォーム・買い替え(取り替え)に合わせてビルトイン冷蔵庫を検討する際のポイントや、ビルトイン冷蔵庫の選び方、「パナソニック」「日立」「ホシザキ」などの国産ビルトイン冷蔵庫、「リープヘル」「ガゲナウ」「ケンモア」「アーエーゲー」など海外ブランドのビルトイン冷蔵庫のおすすめをご紹介しました。
キッチンという場所は、どうしても生活感が出てしまいます。しかし、ビルトイン冷蔵庫にすることで、美しいキッチンへ。
本記事を参考にして、ぜひビルトイン冷蔵庫の導入を検討してみてはいかがでしょうか?
- TEXT :
- Precious.jp編集部