一枚板を用いたカウンター席の向こうで、腕を振るうのはフランス人シェフ・ヤニック・ラオプニュさん。ヤニックさんは大阪・西天満にあった星付きレストラン【ユニッソン デ クール】でスーシェフを務め、さらに本場フランスの各店でも腕を磨いてきました。
女性オーナーとフランス人シェフのセンスが融合
オーナーでありソムリエールでもある田中美希さんも同じく【ユニッソン デ クール】出身。かしこまってしまいがちなフランス料理ではなく、「お客様とコミュニケーションを取りながら和やかな雰囲気で味わっていただける一軒を作りたい」との二人の思いが合致して、タッグを組むことになりました。
厳選した食材を、ハーブやスパイスで奥深い一皿に
【LOUISE】ではフレンチの技法をもとに、日本ではあまり見たことがないスパイスやハーブなどをシェフの感性でマリアージュした逸品を楽しむことができます。
ヤニックさんが得意とするのはハーブやスパイスを多用したフレンチ。フランスはもちろん、アフリカやインド、ベトナムなど世界各国から仕入れています
例えば、黒粒の「ポワブルベルベンヌ」は山椒を思わせる香りの後に、柑橘の爽やかな香りが跳ね上がるのが特長。木のような「レグリス」(甘草)は削ってパウダー状にして使用。甘みと苦みの絶妙なバランス、そして独特の漢方っぽい香りが魅惑的です。
また茶色い「マンゴーパウダー」は、マンゴーの青い実を乾燥させて粉末状にしたもので、柔らかな酸味を加えるときに重宝するのだそう。
では、さっそく【LOUISE】を象徴する3皿をご紹介しましょう。
まずこれからの季節に楽しんでいただきたいのが『生ガキ シャンパーニュのジュレ ポワブルベルベンヌ』。
テーブルに供された瞬間に心奪われる、宝石のようなルックスが魅惑的。カキのぷるぷるトロトロつるんとした舌触りやミルキーな味わいに、シャンパーニュのジュレが爽やかさを、エシャロットやキュウリがシャキシャキの食感を、生クリームとレモンがコクを、黒ニンニクが甘みを添え、ポワブルベルベンヌの爽やかな香りが心地よい余韻として残ります。
続いては『フランス産ウズラのロティ ハマグリと甘草のソース』。
ウズラはクセがなく柔らかな食感で、骨付きのモモ肉は手掴みで骨の回りまで堪能するのがおすすめ。ハマグリからとったエスプーマ仕立てのソースは甘みがあり、レグリスの甘味や独特な風味とよく合います。
肉料理の『フランス産仔牛のロティ ジュ・ド・ヴォー そばの実とマンゴーの香りをアクセントに』は、仔牛の美味しさを余すことなく味わえる一皿です。
仔牛のロティの噛むほどに出てくる力強い旨味に、仔牛からとったソースが奥深い味わいをプラス。そしてマンゴーパウダーの香りや優しい酸味が、より一層肉の甘味を引き立てます。
ソムリエセレクトのワインと共に至高の食事を
フレンチをより一層楽しむためにはワインが欠かせませんが、同店では田中さんが料理に合うワインをセレクト。一番おいしく楽しめる組み合わせを教えてくれます。ロワール、アルザス、ブルゴーニュなど現在はフランス産を中心にラインナップしていますが、これからは日本のワインなど産地にこだわらずバリエーションを増やしていきたいそうです。
ちなみに同店の特等席はカウンター席。目の前のオープンキッチンから立ち上るジューシーな香りに鼻腔をくすぐられながら、調理がクライマックスへと昇り詰める時間を眺めながら料理を待つ時間も楽しく、にこやかなヤニックさんや田中さんとの心地よい会話も醍醐味のひとつです。一枚のお皿の上で紡がれるシェフの世界観に魅せられる【LOUISE】へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- LOUISE TEL:06-6534-7008
- 住所/大阪府大阪市西区立売堀1-1-5
記事元:ヒトサラ https://magazine.hitosara.com/article/1841/
- TEXT :
- ヒトサラ編集部
公式サイト:ヒトサラ
- EDIT&WRITING :
- 茶野真智子
- RECONSTRUCT :
- MEN'S Precious編集部