正解は… 鋤焼(すきやき) です。
牛肉などの食材を甘辛い割下(わりした)で煮炊きする、おなじみのメニューです。こんな字を書くとは意外ですよね?
牛肉の鍋だけでなく「鳥すき」や「うどんすき」など、醤油と砂糖を用いた甘辛い鍋料理全般に「すき」とつけることもあります。みんなが大好きなので「好き焼き」でもいい気がしてしまいますが、なぜ「鋤(すき)」という漢字を使うのでしょうか?
現在の「すきやき」のルーツと考えられているものには、有力なふたつの説があります。
1つ目は、「杉(すき)やき」という甘めの味噌煮料理。
2つ目は、「鋤(すき)やき」という、鋤(すき・平たく四角いシャベルのような道具。農具によく用いられる)を調理器具としてその上で食材を焼く料理です。
そもそも日本では、幕末まで牛肉を食する文化がありませんでしたので、料理の内容的には幕末以降に誕生した「牛鍋」が、現在の「鋤焼」のルーツです。
関東で牛鍋が流行りだした頃、関西では「牛すき焼き」専門店(この当時は焼き料理)が誕生し、その後、次第に東西の文化が混ざり、現在のような牛肉の甘辛い鍋料理を「鋤焼」と呼ぶようになった、とされています。
鋤焼の話をしていると、甘辛い独特の味がイメージされて、食べたくなってしまいますね(笑)。今夜あたり、いかがでしょうか?
…というところで、2問目のクイズです。
【問題2】
「巻繊汁」という料理の読み仮名をお答えください。
ヒント:こちらも、体を温め、滋養をつけてくれる料理の名前です。
さて、正解は?
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- Precious.jp編集部
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- 参考資料:『日本語源大辞典』監修・前田 富祺(小学館)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱