2月最初の午の日「初午(はつうま)」。この日には、どんなことを行うのでしょうか?

2020年の初午の日はいつなのか、初午に食べる縁起物「初午いなり」とはどのような食べ物なのかを、2020年に行われる、全国の初午祭とともに解説していきます。 

■2020年の初午(はつうま)の日はいつ?

2020年の初午(はつうま)の日はいつ?
2020年の初午(はつうま)の日はいつ?

初午とは、2月最初の「午(うま)の日」のこと。2020年は、2月9日が初午の日です。この日は、全国にある稲荷神社でお祭りが行われます。

かつでの日本の日にちには、十二支(じゅうにし:子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)が割り当てられていました。

午の日とは、そのなかでも「午」に該当する日のことをいいます。

初午の日は、その年の最初の午の日のことを指していました。これは、昔は立春(2月4日頃)が一年の始まりとされていたことによります。ですので、現在では、2月最初の午の日が、初午の日となるのです。

初午は、2月最初の午の日とされているので、日にちが変わります。2020年は、2月9日が初午の日です。ちなみに、2019年の初午の日は2月2日、2021年は2月3日となります。

初午の日の数え方

それでは、初午の日の数え方を解説しましょう。かつては、日付を十二支に当てはめて数えていました。

1日目が「子(ね)」、2日目が「丑(うし)」、3日目が「寅(とら)」…12日目が「亥(い)」というふうに、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の順で12日目まで数えていき、13日日目には再び、「子」に戻ります。

このように数えたときに、2月の最初の午の日を「初午」といいます。

本来であれば旧暦二月の最初の午の日が「初午」ですが、現在では、新暦2月の最初の午の日としているところが多いようです。

二の午、三の午とは

2月最初の午の日を初午といいます。午の日は、12日おきにめぐってきますから、2020年の2月の場合、初午は2月9日、二の午は12日後の2月21日となります。なお、2020年は三の午はありません。

■初午(はつうま)の由来

初午の由来は、稲荷神社の総本宮である伏見稲荷大社にあります。和銅4年2月の初午の日、稲荷山に稲荷大神がおりてきたことから、この稲荷大神を祭る祭事が行われるようになったそうです。

また、旧暦の初午は現在の3月にあたります。春めいてきたそのころは、稲作を始める時期にあたるため、農耕の神様を祀り、五穀豊穣や商売繁盛、家内安全を祈願するようになった、といわれています。

初午にお参りする意味とご利益

初午のお参りは、稲荷神社で行います。稲荷神社には、稲を象徴する穀霊神・農耕神「稲荷神」が祀られており、その神様にお参りして五穀豊穣を祈るのが習わしです。

この稲荷神は、もともと五穀豊穣の神様ですが、現在では、商売繁盛・病気治癒・開運祈願など、さまざまな幸福をもたらす神として信仰を集めているため、お参りすることでそれらのご利益があると考えられています。

消防団員が火の用心の呼びかけをする地域も

初午の日に、消防団員が各家庭を回り、火の用心を呼びかけをする地域もあります。その際、火の用心のお札を配るところもあるそうです。

これには、女キツネをめぐって争った2匹の男キツネの負けた方が火を放ち、村人を困らせた言い伝えによるとされています。

なお、初午の早い年は火事が多いという言い伝えもあるそうです。火の取り扱いには注意しておきたいですね。

■初午に食べる稲荷寿司「初午いなり」とは

初午に食べる稲荷寿司「初午いなり」とは
初午に食べる稲荷寿司「初午いなり」とは

初午に食べるとよいとされているのが「初午いなり」です。これは、稲荷神の使いであったキツネの好物が、油揚げだったことが由来となっています。

多くの稲荷神社では、油揚げを奉納しており、初午の日にも、油揚げや、油揚げを使った「稲荷寿司」をお供えします。

その稲荷寿司を初午の日に食べることで、稲荷神のご利益に授かることができると考えられているのです。

「初午いなりの日」と「初午の日」は違う

毎年2月11日は、「初午いなりの日」です。これは、全日本いなり寿司協会が決めた記念日で、「初午の日」とは異なります。

この日を制定した目的は、初午の日に食べるいなり寿司のことを「初午いなり」と呼ぶことを、知ってもらうことなのだそうです。

初午いなり以外の初午の食べ物

いなり以外の食べ物には、「初午団子」や「しもつかれ」があります。

初午団子

「初午団子」は、富山県の郷土料理で、繭のような形をしたお団子です。なぜ、初午と関係があるのかというと、初午は、蚕の神様を祀る日でもあるからです。

蚕がよく育ち、繭がたくさんできることを願って、初午団子を神様にお供えする風習があります。 食べるときは、醤油をつけずにいただきます。その理由は、醤油をつけると、繭にシミがついて不良繭になる、と嫌われていたからといわれています。

しもつかれ

初午の日の食べ物には、栃木県の郷土料理「しもつかれ」もあります。

この料理は、鮭の頭、鬼おろしですりおろした大根やにんじん、油揚げ、節分の大豆などを酒粕と一緒に煮込んだもの。

初午の日に、藁を束ねてつくった「わらづと」にしもつかれを入れ、赤飯と一緒に稲荷神社にそなえる風習があるそうです。

■2020年に行われる全国の初午祭

全国各地の稲荷神社では、「初午祭」が行われます。お参りして、五穀豊穣、商売繁盛などを願いましょう。

初午祭とは

「初午祭」とは、初午の日に稲荷神社や稲荷神を祀る寺院で行われるお祭りのことです。もともとは、伏見稲荷大社の創建をお祝いするお祭りとして始まったといわれています。

現在では、この伏見稲荷大社を総本宮とする全国の稲荷神社で、初午祭が行われています。

「伏見稲荷大社」の初午大祭(京都市伏見区)

「伏見稲荷大社」は、1300年にわたって、人々の信仰を集め続ける「お稲荷さん」の総本宮。毎年2月の初午の日には「初午大祭」が行われます。

この行事は、稲荷大神が稲荷山の三ヶ峰に初めてご鎮座になった和銅4年2月の初午の日をしのび、大神の広大無辺なるご神威を仰ぎ奉るお祭です。

2日前の辰の日に稲荷山の杉と椎の枝で作った「青山飾り」をご本殿以下摂末社に飾りこの日を迎える習わしがあります。

また、参拝者に授与されている「しるしの杉」は商売繁昌・家内安全の御符(しるし)として、古くから拝受する風習が盛んです。

問い合わせ先

「岡寺山 継松寺」の初午大祭(三重県松阪市)

三重県松坂市にある「岡寺山 継松寺」は、天平15年に行基ボサツが建てた日本最初の厄除観音の霊場です。

「岡寺山 継松寺」の「初午大祭」は、2月の初午ではなく、毎年3月初めに行われるのが特徴です。

この地方に春を呼ぶ行事として厄年の方々をはじめ多くの参拝者で賑わいます。

参拝者に人気のお土産には、お守りとしての役割をもつ竹製の郷土玩具「猿はじき」や、「厄をねじ伏せる」という縁起をかついだ「ねじりおこし」があり、これらを購入して、一年の無事を祈る風習があるそうです。

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「鹿児島神宮」の初午祭(鹿児島県霧島市)

鹿児島県霧島市にある「鹿児島神宮」。この神宮の御祭神は海幸山幸の神話によるところの社で、創祀は遠く神代にあって、又皇孫神武天皇の御代なりとも伝えらています。

「初午祭」は、毎年、旧暦1月18日を過ぎた次の日曜日に行われており、鹿児島県の三大行事のひとつとされています。

当日は、飾りや鈴をつけた馬が、踊り連を引き連れて太鼓や三味線歌にあわせながら一体となって踊りを奉納します。これは、全国でも珍しい特殊神事です。

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「高橋稲荷神社」の初午大祭(熊本市西区)

「高橋稲荷神社」は、日本5大稲荷のひとつ。熊本県熊本市にあります。

ここは、明応5年(1496年)に、城の守り神として、京都の伏見稲荷神社の御分霊を勧請して祀ったのが始まりと言われている神社です。

毎年2月の初午の日には、初午大祭を開催。祈願祭や縁起物市などが行われます。なかでも特筆すべきは「福餅まき」と「喜常汁(きっつねじる)」です。

福餅まきは、10時から1時間おきに計7回行われ、お祭りを盛り上げます。

また、喜常汁は、高橋稲荷神社近くで収穫され、お祓いされた食材で作られた汁物で、「常日頃、喜びが絶えることなく人生がおくれますように…」という願いが込められているのだそうです。お参りの後、味わってみてはいかがでしょうか。

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初午の日にお参りに行きましょう

当記事では、2020年の初午(はつうま)の日はいつなのか、初午の日の数え方や、二の午・三の午とはどのような日なのかを説明しました。

また、初午の由来や、初午にお参りする意味とご利益、初午に食べる稲荷寿司「初午いなり」とはどのような食べ物なのか、「初午いなりの日」と「初午の日」との違いや、「初午団子」や「しもつかれ」など、おいなりさん以外の初午の食べ物をご紹介しました。

さらに、「伏見稲荷大社」(京都市伏見区)、「岡寺山 継松寺」(三重県松阪市)、「鹿児島神宮」(鹿児島県霧島市)、「高橋稲荷神社」(熊本市西区)など、2020年に行われる全国の初午祭をピックアップしています。

2020年の初午の日は、2月9日。ぜひ、お近くの稲荷神社にお参りに行き、五穀豊穣や開運、家内安全を祈願しましょう。

この記事の執筆者
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