トレンドというと、ともすればデザイン性が高く、ときに奇抜なスタイルを連想してしまうこともありますが、2020年の流行は、大人が参考にできるファッションの宝庫。単なるブームに終わらず、より洗練され、知的な着こなしが楽しめるトピックスを5つ、お届けします。

大人が知るべき、この春、とびきりキャッチーなトレンドキーワード5選

■1:「サステナブル(持続可能な)」なくして、春の流行は語れない!

地球温暖化の影響もあり、美しい地球を守るためにファッションができることを多くのブランドが模索。環境に配慮したエコ素材を用い、人だけでなく、地球も心地よくいられるファッションを楽しむことが、大人のおしゃれに不可欠です。

エコレザー×パンチングレザーの軽妙な組み合わせが素敵

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コート¥150,000(コロネット〈ミラ・ショーン〉)

最新の技術により、再生ポリエステルを用いて、綿密な構造をもつエコレザーを可能に。パンチングレザーとの軽妙な組み合わせも見事です。

ハリのある生地はプラスチックを再生!

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バッグ¥145,000【縦30×横22×マチ21cm】(J&M デヴィッドソン青山店)

コットンキャンバスのような、さらりとした質感の素材は再生プラスチックを100%使用したもの。想像以上に軽やかなワンハンドルバッグは、外出が増える春先に重宝します。

サステナビリティ第一人者のステラは素材の調達先から生産方法までエコに配慮

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ステラ マッカートニー

■2:ホワイトやアイボリー、ベージュ。浄化作用もありそうな「クリーン」な着こなし

見せかけの装飾よりも、ナチュラルなカラーを身にまとったミニマルなスタイルが新鮮に感じられた今シーズン。ジャケットやシャツといった定番アイテムもクリーンな色味を選んで、春の陽気に合う、清澄(せいちょう)な着こなしを楽しみたい。

優しい ニュアンスで清潔感アップ!

ジャケット_1,シャツ_1
左/ジャケット¥59,000(ebure)、右/シャツ¥74,000(ステラ マッカートニー)

左/長めの着丈のダブルブレストジャケットは今季の注目アイテムのひとつ。サマーウールを使用したドライタッチの一枚は、ライトベージュを選べば、初夏まで活躍します。

右/清潔感をもたらす白シャツは春真っ先に新調したい一枚です。比翼仕立てに「We areentirely free to live differently」のメッセージが刻まれたシャツで、春の着こなしにキレ味を。

清涼感たっぷりの白のワンピーススタイルが注目の的!

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ロエベ
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ザ・ロウ

■3:「クラフツマンシップ」が生むアイテムにこそ大人がもつべき価値がある

サイクルの早い現代社会だからこそ、長い時間をじっくりかけてつくられる、原点回帰の物づくりが見直されるように。熟練の職人による、手編みや昔ながらの製法など、気の遠くなるほど手の込んだアイテムが、審美眼を備えた大人の心を刺激します。

イタリア発のバッグは職人の名前が刻まれて

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バッグ¥177,000【縦14×横22×マチ6cm】(リシュモンジャパン〈セラピアン〉)

映画『おしゃれ泥棒』の劇中でオードリーが使用していたことでも有名なセラピアン。イエローのレザーにも意味があり、職人アネッタさんによるものという目印に。バッグの内側にも職人の名が刻まれています。

職人技を駆使した複雑な手編み

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ニット¥490,000(ブルネロ クチネリ ジャパン)

ソロメオ本社があるウンブリア地域では、古来ニッティングの豊かな伝統が育まれて。職人マリアさんを中心とした精鋭部隊が編み上げるニットは、芸術品のようです。

■4:2020年はファッションもより自由なマインドへ。「ジェンダーレス」なアイテム

性別や年代を超えて楽しめるファッションが増えたのも今シーズンの特徴です。「女性らしさ」や「男性らしさ」といった固定観念を超えて、着る人の好みに合わせて自由に楽しめるコレクションに注目が集まりました。

トレンチコートもパートナーとシェアできる

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左/コート¥149,000(三喜商事〈エム ミッソーニ〉)、右/コート¥170,000(ミスター アンド ミセス イタリー アオヤマ)

左/ラメ混ジャージーのトレンチは、着る人や体型を選ばない、しなやかな着心地も魅力です。

右/ユニセックスで楽しめる、テクニカルオーガンジーのアウター。スポーティななかにもクチュールのような繊細な印象も宿ります。

■5:今見直す、美しい地球&自然の情景。「ボタニカル柄」が流行最前線に!

「自然との共生」が大テーマの今シーズン。これほどまでに、ボタニカル柄や野生動物を品よく取り入れたアイテムが豊富な時期があったでしょうか。だからこそ、ワードローブに一点加えるだけで、今という時代のムードを取り入れることができるのです。

大胆なパームツリー柄のワンピース

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ワンピース¥373,000(サン・フレール〈エルマンノ シェルヴィーノ〉)

大胆なパームツリー柄も、モノトーンならシックな印象に。ゴールドのジュエリーを合わせて、リッチに着こなしたい。

フレアスカートも植物柄で旬のムードに

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スカート¥185,000(三喜商事〈アニオナ〉)

アニオナのアーカイブにある、1970年代のボタニカルのイラストから着想を得たスカートです。

大地のパワーを感じるジャングル柄をエレガントに!

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ドルチェ&ガッバーナ
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フェンディ

※掲載した商品は、すべて税抜です。

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PHOTO :
唐澤光也(RED POINT)
STYLIST :
関口真実
EDIT&WRITING :
川口夏希、中村絵里子(Precious)