【重要】新型コロナウイルス感染拡大に伴い、展覧会準備を当初の予定通り行うことが難しい状況となったため、会期が変更になりました。延期後の開催日程につきましては2021年春の予定です。
2021年春、東京に鳥獣が集結!ギガ面白い「鳥獣戯画」
擬人化した動物たちや、人々の営みが墨一色で描かれた「鳥獣戯画」。傘を持ったカエルや、帽子をかぶったサルなど、小学校の教科書などで、誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
そんな鳥獣戯画の魅力を一挙に味わえる展覧会、その名も特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」が、2021年春、東京国立博物館 平成館にて開催されます。
実は2014年、2015年、2016年にも京都、東京、九州の各国立博物館でそれぞれ公開されてきたのですが、本展がこれまでとまったく違う点が、史上初めて、全巻全場面を、通期で鑑賞できるということ。
あの有名な、ユーモラスなタッチで描かれたウサギやカエル、猿などが飛んだり跳ねたりする様子は、まさに「いにしえのオリンピック」?! 今夏、オリンピックとパラリンピックが開催される東京に、これ以上ないほどに相応しい展覧会となりそうです。
前代未聞「動く歩道」に乗って鑑賞!一同に集結した「鳥獣戯画」見どころ4選
京都の北西、栂尾にある高山寺に伝わった、日本絵画史上もっとも有名な作品のひとつと言える「鳥獣戯画」ですが、本展では、甲・乙・丙・丁全4巻の全場面が、会期を通じて一挙公開されます。
さらに原本では、すでに失われた場面を留める模本の数々も集結。まさに本作品のすべてを堪能できる、またとない機会で、これを逃したら今後はもうないかもしれません。
あわせて、「鳥獣戯画」が伝わる、京都の高山寺の開山堂に安置され、普段は拝観がかなわない重要文化財「明恵上人坐像」も特別出品されるなど、大充実!の展覧会の「見どころ4選」を早速ご紹介します。
■1:人々を魅了し続ける「鳥獣戯画」の全巻全場面が一挙公開!
およそ800年以上前、平安から鎌倉時代にかけて、段階的に成立していった、カラーレスでストーリーもないこの絵巻ですが、いきいきとした表現や、闊達な筆運びが漫画のように楽しい作品です。全巻がそろう今回ですから、4巻それぞれの個性の違いを味わったり、楽しみ方は無限大です!
最も有名な甲巻は、あの「ウサギ」など擬人化された動物たちが、さまざまな遊戯や儀式を行う様を描く巻。11種の動物が登場します。
前半は身近な動物、後半は日本にいない動物や、国内ビールメーカーのキャラクターの麒麟含め、空想上の霊獣など、16種の動物が描かれているそうです。
前半は「人物戯画」で勝負事をを中心に描き、後半は「動物戯画」で甲巻同様に動物を擬人化。
人物主体の丁巻ですが、ヘタウマっぽい筆致に見えますが的確で、作者の技量の高さがうかがえるのだとか。
■2:さらに深掘り!鳥獣戯画の断簡と模本も集結
鳥獣戯画の一部が本体と切り離され、掛け軸などに仕立直されて伝来した断簡や、どこに入っていたかわからなかったり、途中でなくなってしまったりといった、原本ではすでに失われた場面を留める模本が、国内外から一堂に集まります。
■3:リアルな「秘仏」も公開! 高山寺中興の祖、明恵上人の信仰と美術
鳥獣戯画の伝わる高山寺は、鎌倉時代の僧、明恵上人によって多くの文化財が伝わっています。まるで生きているかのようにリアルな「明恵上人座像」は普段は非公開、寺外では今回27年ぶりのお披露目になるのだそう。鳥獣戯画にゆかりのある作品も鑑賞できるチャンスです。
■4:「動く歩道」に乗って、新しい鑑賞体験を!
絵巻は本来、「巻き広げながら」見るもの。本展では、国宝「鳥獣戯画 甲巻」について、史上初、前代未聞の動く歩道による観覧方式を導入。すべての人が最前列で鑑賞することができるのだとか。
混み合う展覧会では、係員の「進んでください」と促す声を聞きながら、という状況が常。画期的なアイディアで、安全かつスムーズに、流れるように広がる、極上の絵巻本来の世界を堪能できそうで、こちらにも要注目ですね!
そのほか、映画監督の細田 守さんによるトークショーや、鳥獣戯画を徹底調査する連続講座など、イベントも盛りだくさんの本展。
これまでの展覧会では実現し得なかった史上初の全巻全場面、動く歩道の導入ーー、と、今まで見ることが出来なかった景色が観れそうで、今夏のオープニングが待ちきれないですね!
問い合わせ先
- 特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」
- 会場/東京国立博物館 平成館(上野公園)
会期/2021年春予定
観覧料(税込)/前売券 一般 ¥1,500 大学生 ¥1,000 高校生 ¥700、当日券 一般 ¥1,700 大学生 ¥1,200 高校生 ¥900、団体券 一般 ¥1,400 大学生 ¥900 高校生 ¥600
※中学生以下無料
※団体は20名以上。
※障がい者とその介護者1名は無料(入館の際に障がい者手帳など提示)
主催/東京国立博物館、高山寺、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
住所/東京都台東区上野公園 13-9
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 神田朝子