ことさら本を愛して止まないのは、実は売り場で常に動向をチェックし、さまざまなジャンルの本に触れている書店員さん。その確かな目利きで、2019年に最も心をつかまれた本を厳選。大人の女性のための一冊を教えていただきました!

本記事では「中目黒ブックセンター」書店スタッフ・鴨志田道秋さんが推薦する、『むらさきのスカートの女』をご紹介します。

他人に抱く異常な執着心に、感情が渦を巻く傑作です

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『むらさきのスカートの女』 著=今村夏子 朝日新聞出版 ¥1,300

「街の変わり者として噂されている『むらさきのスカートの女』がいる。彼女と友達になろうとして、執拗にちょっかいをかける女の視点で終始、語られています。人間に対する興味。その情熱に、恐怖やおかしさなどさまざまな感情が駆り立てられます。また、ふたりはホテルの客室清掃員なのですが、この職場の人間関係のリアルさもすごいです」(鴨志田さん)

『むらさきのスカートの女』著=今村夏子

近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女のことが気になってしかたない主人公。自分と同じ職場で働くように誘惑し、ストーカーのように観察し続ける…。奇妙な世界が広がる中編小説です。

※本記事は2020年2月7日時点での情報です。

※掲載した商品は税抜です。

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EDIT&WRITING :
樋口 澪・宮田典子・剣持亜弥(HATSU)、喜多容子(Precious)
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