ことさら本を愛して止まないのは、実は売り場で常に動向をチェックし、さまざまなジャンルの本に触れている書店員さん。その確かな目利きで、2019年に最も心をつかまれた本を厳選して、大人の女性のための一冊を教えていただきます。

本日は東京・神楽坂にある「かもめブックス」書店スタッフ・前田隆紀さんが推薦する、『掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集』をご紹介します。

孤独に生きる女性の、たくましい言葉の数々が胸に刺さります

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『掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集』 著=ルシア・ベルリン 訳=岸本佐知子 講談社 ¥2,200

「シングルマザー、アルコール依存症など、自らの激動の人生をモチーフにしているけれど、お涙頂戴の湿気った文章ではなく、乾いた無頼な文章が詰まっていて高潔な気持ちになれました。心地よい孤独を味わえます。そのタフな文章から、ときおりこぼれ落ちるピュアネスに心打たれもしました」(前田さん)

『掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集』著=ルシア・ベルリン

寡作ゆえに存命中は知名度の低かった著者だが、逝去から10年後に出版された短篇集がベストセラーとなりました。その短篇集のなかからよりすぐった24篇で構成された初の邦訳作品集。時を経て「再発見」された注目の作家の世界が紡ぎ出されます。

※本記事は2020年2月7日時点での情報です。

※掲載した商品は税抜です。

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EDIT&WRITING :
樋口 澪・宮田典子・剣持亜弥(HATSU)、喜多容子(Precious)
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