「コグ ザ ビッグスモーク(COGTHEBIGSMOKE)」デザイナー、NORIKO.Iさんの「季節が感じられる家」を訪問

まるで絵画のような、窓越しに望む庭。四季折々に表情を変える木々や、ときには狐が訪れることも…。「キッチンに入ったとたん、目に飛び込んでくる景色です。この眺めと間取り、高い天井にひと目惚れでした」

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広々としたスクエア形の庭の形もお気に入り。この日は狐が遊びに!

2019年9月に入居したNORIKOさんは、コグ ザ ビッグスモークのデザイナー。大人の女性のコンフォートでマチュアなブランドとして、注目されています。

住まいは、ロンドン中心部から南に20キロ弱のブロムリー地区。デヴィッド・ボウイが幼少期に暮らした町として知られる、緑豊かな住宅街です。

NORIKO.Iさん
デザイナー
文化服装学院在学中にオンワードファッション大賞を受賞。オンワード、ベイクルーズなど数社を経てドレステリア創立メンバー、バイヤーとして活躍。同時期にイギリスの有名ブランドから声がかかり、並行してファッションデザインも手がけ、2010年ロンドンに移住。2019年1月ファッションブランド「コグ ザ ビッグスモーク」を立ち上げます。

NORIKOさんのHouse DATA

間取り …3LDK (リビング、ダイニング、キッチン、バスルーム、トイレ、寝室×3)
家族構成 …パートナーと猫Hugo(♂)
住み始めて何年? …約3か月

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キッチンの一画にある小さなテーブルは、以前の家でも使用していたイケアのもの。ここで朝食をとったり、仕事のアイディアをメモしたり。大好きな庭を眺めていると、インスパイアされるそう。サイズレス、エイジレス、トレンドレス、シーズンレス、エフォートレスがコンセプトというブランドを手がけるだけあって、インテリアや内装にも共通項がたくさん。

「仕事部屋やキッチンから眺める四季折々の自然に触れると、インスピレーションがわきます」(NORIKOさん)

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1階の庭に面したフラットがNORIKOさんの住まい。「天気がよい日には、庭のテラス席でパートナーと並んでお茶を飲みながら会話を楽しむことも。ふたりでいると必ず猫のHugoも椅子に座って参加します(笑)。ガーデン家具は、イギリスのガーデニングファニチャー専門のサイトでオーダー。特にブランドはありません」

「日本、アメリカ、ヨーロッパと各地で暮らしてきましたが、ロンドンがいちばんしっくりくる街です。大きな公園があって、大都会なのに自然に触れられるから。家にいながら身近に四季を感じて過ごせるのは、最高に贅沢でリッチだと思います。

この家は、キッチンだけでなく、仕事部屋からも街路樹が見え、冬はリビングの暖炉前で、パチパチという薪の音を聞き、優しい灯りを眺めます。自然に触れることで、インスピレーションがわいてきます」

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レンガ造りの瀟洒な建物は、1900年代初期の建築様式、エドワーディアンスタイル。美しいファサードやシンプルでシンメトリーな建築が特徴。
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入り口ドアのステンドグラスは建築当時のまま。

20世紀初頭の建物は、元はインドの紅茶貿易商の私邸だそうで、現在は4世帯が暮らしています。

「イギリス人はとにかく家が好き。集まれば、必ず家の話で盛り上がります。今の家をどう改装して、どう住みやすくするかにこだわる一方で、"終の住処"という概念が少なく、タイミングとご縁があればすぐに引越しをする身軽さもあるのがおもしろい。

私はやはり日本人気質なのか、ここなら長く暮らせる!と感じたことも決め手でした」

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白とライトグレーでまとめたシンプルで機能的なキッチンは、前オーナー夫妻がリノベーションしたままを受け継いで使用。「同じヴィンテージの家具を偶然所有していたりと、インテリアの趣味が近く、ほとんど改装せずに引っ越しができました」
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ケーキや焼き菓子は3〜5種類ほど常備して、朝食や午後のおやつに。
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暖炉の音と灯りはインスピレーションの源。
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20世紀初頭の建物は、元はインドの紅茶貿易商の私邸だそうで、現在は4世帯が暮らしています。
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ウッドブラインドがアクセントの仕事部屋は、オブジェもウッド系で。「インテリアは温もりのあるウッド素材、特にチークが好みです。シンプルで美しいフォルムのものに惹かれます」というNORIKOさん、日本の曲げわっぱもインテリア小物として活用(大切な品を収納)。
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コーナー部分は、グラフィカルモチーフの自作イラストや、ステファン・ディヴィッドのフレンチブルドッグのイラストなどのアートを並べてモノトーンに。
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りんごなどの形のオブジェと器のセットは、近所のチャリティショップで。
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NORIKOさんのブランドアイコンであるクマのCOG。仕事でもプライベートでも世界中を一緒に旅するジェットセッター。
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レトロな固定電話は現役で活躍中。

「大好きな自然と、時間をかけて集めてきたインテリア。自分の好きなものに囲まれて、オフは心豊かにゆったりと過ごし、オンは落ち着いて仕事に集中できるベストな環境です」

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シンメトリーな白い窓枠、前オーナーが一面だけペイントしたネイビーの壁、ウッディな床に、英国ミッドセンチュリー家具を配置したリビング。チェストは’60年代のマッキントッシュ、棚はG-プラン、ローテーブルはハビタのヴィンテージ。やっと出合ったのはミッドセンチュリーに流行したSputnikスタイルのライト。
ゴールドのライトは1945年ジョゼッペ・オステゥニが設立したプロダクトデザインチーム、オルーチェデザインの「アトーロランプ」。「前オーナーがペイントしたままですが、気に入って生かしました。自分の好みだけだと、選ばない壁色なので新鮮」
ゴールドのライトは1945年ジョゼッペ・オステゥニが設立したプロダクトデザインチーム、オルーチェデザインのアトーロランプ。「前オーナーがペイントしたままですが、気に入って生かしました。自分の好みだけだと、選ばない壁色なので新鮮」とのこと。
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人懐こい性格の愛猫HugoとくつろぐNORIKOさん。

「古いものでも新しいものでも、本物を見る目を養って、自分だけの感性を貫くことが大切だと思います」(NORIKOさん)

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アンティークやヴィンテージのものから、何十年と長く愛用している家具まで、インテリアの達人はとにかく、古いものをとことん愛しています。「昔のモノには、現行モノにはない繊細なディテールと、ていねいにつくられた趣があります」とのこと。

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PHOTO :
篠あゆみ
EDIT&WRITING :
田中美保、古里典子(Precious)
取材 :
鈴木ひろこ