ビジネスコーディネーター、ノターロ・石川早苗さんの「モダンとクラシックが調和する家」に訪問
ミラノ市内西部、歴史ある閑静な高級住宅街。石川早苗さんのご自宅は、1966年に竣工した、かのジオ・ポンティの弟子が設計したという集合住宅の3階にあります。
「緑が多く古い建物が立ち並ぶ、昔ながらのミラノらしい雰囲気が好きで、ずっとこの地区に住んできました。200平方メートル以上の広さを条件に家を探していたところ、やっと出合ったのがこのアパルトマンでした」(石川さん)
ノターロ・石川早苗さんのHouse DATA
間取り…リビング、2ダイニング、キッチン、3ベッドルーム、3バスルーム、オフィス、サービスルーム 家族構成 …3人(夫と娘) 住み始めて何年?…14年
「アンティーク、新しいもの、ガラス、花、アート。好きなものに囲まれた家は心やすらぐ場所です」(石川さん)
石川さんはミラノ在住歴48年。ビジネスコーディネートやコンサルティング、通訳ほか、現在はチヴィディーニの日本ビジネスコーディネーターとしても活躍しています。
部屋と部屋の壁を抜いてひと続きにし、空間に広がりをもたせる
「2005年に家を購入した際、約6か月かけて改装しました。こだわったのは、部屋と部屋の壁を抜いてひと続きにし、空間に広がりをもたせたこと。」(石川さん)
リビングとメインダイニング、リビングとオフィスの間の壁をそれぞれ抜くと同時に棚を設えることで、見せる収納に。飾り棚として、大好きなガラスや本、花やアートなどを並べ、どこにいても好きなものが見渡せて心やすらぎます」(石川さん)
壁紙の色や柄にこだわる
もうひとつこだわったのが壁紙の色や柄。廊下はストライプやワインカラーを配して遊び心を、プライベートダイニングはアジアンテイストの赤を取り入れ親密で温かみのある空間に。バスルームは明るい水色のタイルで印象を一変。
色彩へのこだわりは、外交官だったお父様とミラノという街の影響
「子供のころから、美術館や博物館が好きで『色彩』には人一倍こだわりがあると思います。外交官の父がおしゃれな人で、その影響もありますが、やはりミラノという地に身をおいていることも大きいですね」(石川さん)
「モダンとクラシックの調和」がインテリアのテーマ
家具の仕事もしている石川さんは、毎年ミラノサローネを訪れ、トレンドにも敏感。一方でアンティークも愛し、今の家の家具もほとんどは前の家で使っていたもの。イタリアの現代家具をメインに、英国の1700年代のアンティークを配すなど、インテリアのテーマは『モダンとクラシックの調和』だとか。
「街にはいたるところに『調和』のヒントがあります。日ごろからどれだけ美しいものに敏感でいられるか。歳を重ねても興味と好奇心をもち続けられるか、が大切だと思います」(石川さん)
「インテリアの好みは人それぞれで、その人の趣味によって異なるもの。でも、いちばん大切なのは『調和』だと思います。
美術館や博物館はもちろん、ブティックのウインドーディスプレイを見たり、センスのいい友人の家を訪れたり。レストランでは料理と器や、素材の色の組み合わせを学べます。街にはいたるところに『調和』のヒントがあります。日ごろからどれだけ美しいものに敏感でいられるか。
歳を重ねても、いかに興味と好奇心をもち、何かを感じとる瑞々しい感覚をキープできるか。そのためにはまず、家の中に、自分にとって心が和らぐもの、趣味やコレクションを置くことです。
私の場合はガラスと花ですが、好きなものに囲まれた家は、心が休まると同時に、美的感覚、調和感覚を養うベースにもなると思っています」(石川さん)
息子さんから送られたアート写真
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- PHOTO :
- Marco Bertoli
- EDIT :
- 田中美保、古里典子(Precious)
- 取材 :
- 高橋 恵