「ラグジュアリー」 とは何ですか?5人の女性の、5通りの回答

自分を大切にする時間をもつこと

安藤 優子さん
キャスター
(あんどう ゆうこ)1958年千葉県生まれ。現在は情報番組『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)のメインキャスターを務める。上智大学大学院グローバル・スタディ研究科グローバル社会専攻で学び、昨年、博士号取得。

心身ともに自分をいたわる時間をもっていること。身体のケアはもちろん、心のケアも。そうやって自分を大切にする時間をもつことが最高にラグジュアリーだと思います。

審美眼をもつことがラグジュアリーのひとつのかたち

原 由美子さん
スタイリスト
(はら ゆみこ)日本のスタイリストの草分け的存在。雑誌や新聞での執筆や講師、ファッション賞の選考委員など、多岐にわたって活動。Preciousでも創刊以来、「名品特集」などでその高い見識を発揮。昨年、『原由美子のきもの上手 染と織』(フィガロブックス)を上梓。

身の程をわきまえたなかでしたいこと快適なことを選択し、自分が好きなもの、美しいものに囲まれて過ごす豊かな暮らし。これを実現する審美眼をもつことがラグジュアリーのひとつのかたちといえるのではないでしょうか。

フランスには、歴史的な文化施設やラグジュアリーブランドが協力し合い「フランス流・美しい暮らし」を世界に発信する「コルベール委員会(設立、1954年)」という組織があります。

日本にも歌舞伎や茶道など、素晴らしい文化は多々ありますが、街の景観も含め「美しく豊かに暮らす」という大きな視点は、参考にしたいと思います。

想像もしていなかった素晴らしい作品と出合うこと

林 綾野さん
サーキュレーター
(はやし あやの)1975年神奈川県生まれ。キュレーションを手がけた「かこさとしの世界展」が全国巡回中。松坂屋美術館(4月25日〜6月7日)長崎県立美術館(8月12日〜8月31日)盛岡市民文化ホール(12月12日〜2021年1月31日)。

出張先でふっと時間ができると地元の美術館を訪ねることがあります。どこの美術館でも常設展示室はすいていてとても静か。

そんななか、想像もしていなかった素晴らしい作品と出合うことがあります。それはもう思いもよらぬ幸福で、こんな贅沢はほかにないと思うわけです。絵画であれば色の重なりや筆致までじっくりと、彫刻であれば360度丹念に、隅から隅まで味わいます。

今、私のためだけにこの作品はここにある。そんな瞬間が私にとってのラグジュアリーです。

目指して生きていきたい7つの理想

中野香織さん
中野 香織さん
服飾史家
(なかの かおり)男女ファッション史から最新モード事情までを研究する視点から、多彩なテーマで記事を執筆・講演。企業のアドバイザーも務める。著書に『「イノベーター」で読むアパレル全史』(日本実業出版社)ほか多数。

場所であれ経験であれ、品物であれ、私がラグジュアリーと感じるものは、次の7つの条件を満たしていることが多いかと思います。

■1:タイムレス。
時の流れとともに魅力が増していく。
■2:エイジレス。
年齢(経年)などそもそも問題にのぼらない。
■3:プライスレス。
市場の価格などつけがたいほどの価値がある。
■4:ワン・オブ・ア・カインド。
比較の対象がない唯一無二の存在である。
■5:ダイナミックハーモニー。
環境との自由なエネルギーの交流がありながら美しい調和が保たれている。
■6:エッセンシャル。
むだがなく、本質として求められるものが完璧に備わっている。
■7:リラックス&アシュアランス。
寛ぎと、安心を与えてくれる。

いわゆる5つ星ホテルではなくても、たとえば、庭園にしつらえられた素朴な一茶室でもこういう感覚を与えてくれることがあります。また、この7項目は、人としてこのような存在を目指して生きていきたいという理想でもあります。

ひとつひとつはたわいもないもの

芦田多恵さん
芦田 多恵さん
ファッションデザイナー
(あしだ たえ)東京都生まれ。TAE ASHIDAにて都会的な女性像を表現。オートクチュールのテクニックを駆使したモダンなシルエットと着心地のよさ、両方を備えたリアルクローズとして愛されている。

たとえば海からのさわやかな風が全身を通り抜けた瞬間。おろしたてのふかふかのタオルに顔を埋めたとき。展覧会で美しいクリエイションに触れる時間。

言葉にならない「心地よさ」に包まれ、心身が解放されたときにラグジュアリーだと感じます。ひとつひとつはたわいもないもの。それらが複合的に組み合わさった瞬間に、その感覚は、ふと訪れるのかもしれません。

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EDIT&WRITING :
兼信実加子、喜多容子(Precious)