リモートワーク4か月目という”ちょっと先輩”、外資系IT企業の営業ウーマンに聞く「自宅での仕事を快適にする技」とは?

末政 幹さん
ADARA日本法人 セールスディレクター
(すえまさ みき)WOWOW、ディズニー・チャンネル、日経CNBCにてTV広告営業等を経験。ネットメディアへの潮流を感じ、2006年日本マイクロソフト株式会社に入社。その後、外資系保険会社にてデジタルマーケティングを経験し、株式会社ハースト婦人画報社にて、デジタルビジネスマネージャーに就任し、広告商品開発、アドオペレーション、ビジネス開発等を担当し、現在は米国シリコンバレーに本社を置く、データマーケティング会社ADARA の日本法人にてセールスディレクターとして活躍中。
ADARA

アメリカの会社は危機管理意識が高く、2月には出社停止に

――末政さんは、2月から上旬からリモートワークを行っていらっしゃるとのことですが、かなり早い段階でリモートワークになったのはなぜでしょう?

2月5日から1週間ほど、ロサンゼルスで行われた大きな営業会議で出張していたのですが、帰国して即、自宅勤務を命じられました。それから一度も出社していません。

アメリカ本社から「出張に行ったメンバーはオフィスへ出社禁止」と指示が出ました。当時、アメリカでは、新型コロナウイルスよりインフルエンザが流行していると考えられていたのですが、会社の危機管理対策として、かなり早い段階で、各国の法人での自宅勤務の推奨がされていました。

その後、アジアでコロナ禍が始まり、会議に出席していなかった日本法人のメンバーも、2月後半から全員が自宅勤務になりました。世界的に見ても、アメリカ企業は危機管理意識が高いと思います。現在リモートワークは4か月目に突入しました。

2020年2月初旬にロサンゼルスで行われた営業会議
2020年2月初旬にロサンゼルスで行われた営業会議

――突然リモートワークとなり、戸惑うことはなかったのでしょうか?

IT業界は、もともとそんなに出張も多くないですし、セキュリティ管理もしっかりしていて、普段からオンラインでのミーティングなどが当たり前です。自宅勤務になる前から、会社ではオンライン会議ツールの「Zoom」のライセンス契約をしていたので、リモートワークへの移行はスムーズでした。

グローバルカンパニーなので年に2回くらいの海外出張があるのですが、普段から海外とのミーティングは基本Zoomで行っていました。

会社として、もともと危機管理を行っていて、各国の法人での出社停止もかなり早かったですし、リモートワークに備えたシステムが構築されてました。

スムーズに仕事が進む!リモートワークのコツ「5か条」

リモートワークに必須なものは、PC、携帯、マイク付きヘッドフォン
リモートワークに必須なものは、PC、携帯、マイク付きヘッドフォン

――リモートワークを丸3か月以上行っていらっしゃるとのことで、末政さんのリモートワークのコツを教えていただけますか?

■1:オンライン会議では、上手く「音声」と「画像」のオン、オフを使い分ける

自宅で、子どもたちがいる環境で社内のオンライン会議をしてみてわかったことなのですが、子どもたちが「会議ってなに?」「この人だれ?」など、PCを覗きにきたりするので、自分がしゃべらない時は音声をミュートにして、画像もオフにします。こちらの雑音が先方に伝わらにようにする気遣いをしています。自分が話す時にだけ、マイクと画像をオンにします。

■2:お客様とのオンラインの打ち合わせは、普段とは違う服装やお化粧で臨む。お客様との距離感が近づくチャンス

営業職なので、お客様とのオンラインミーティングも頻繁にあります。お客様とのオンライン会議では画像も音声も当然オンにしていますので、お化粧もし、洋服も気遣いますが、自宅から入っているので、少しカジュアルなキレイ目な恰好で臨みます。

平時に取引先に訪問するときは、スーツやジャケットですが、自宅からオンラインで会議に入っているのにスーツを着ているのは、おかしいですよね。

ですので、普段よりカジュアルダウンした格好をしているのですが、そうすると先方から「いつもよりリラックスした格好ですね」などとお声がけいただき、会話が弾んで、距離感が縮まることがわかりました。

普段は持てない親近感が持てるようになりましたね。平時の緊張感が高いミーティングだと交わされないような会話もできるようになりました。どの会社様も大変な状況ですので、「お互いにここを乗り越えましょう!」と、コロナ禍収束のときにビジネスのリカバリーがすぐにできるよう、励ましあっています。

会議ツールはZoomが多いですが、最近、日本の取引先の会社様が会議ツールを積極的に導入してきています。Webex、マイクロソフトのTeamsなど。リモート会議ツールの導入が進んでいるのを肌で感じています。一時期、Zoomはセキュリティが問題になったこともありましたが、ここ最近でセキュリティが強化されたようです。

今までは、日本の会社様からオンライン会議の提案はあまりなかったのですが、4月入ってから急激にどの会社様も導入していますね。

■3:PCと携帯の機能を同一化して、どこでも気軽に仕事をできる環境づくりとアプリの有効活用

リモートワークになくてはならないものは、マイク付きヘッドフォンですね。ヘッドフォンでミュートの切り替えができたりするのは便利です。もちろん、Wi-Fi環境を整えることが大前提です。また、自分の周りでは、高速インターネット回線のニューロ光を導入する方が多くなっています。

仕事を潤滑に進める工夫として、携帯でもZoomアプリを入れています。家族のお昼ごはんを作るタイミングで、ミーティングが立て続けにあるときなど、PCと携帯両方からZoom会議に入っておくんです。携帯とヘッドフォンを使って、お昼ご飯の準備をしながら、会議に参加し続けています。集中力を欠くこともありますが、会議を中断することなく、家事もこなすことができますね。

DocuSign(ドキュサイン)というオンラインでサインができるツール、Salesforce(セールスフォース)という営業管理ツール、その他、ワード、パワポ、グーグルスプレッドシートなど、Android OSの携帯を使っているのですが、携帯にも各アプリを入れておいて、携帯からPC同様のすべての仕事ができるようにしています。

PCの環境と携帯の環境を同一にすることで、時間を有効活用できたり、子どもたちの勉強をみながら仕事ができます。簡単なメールなら携帯から送れますし、重要な情報のシェアなど、迅速性を求められる場面など、マルチタスクに同時にできるようにすることが、効率化のコツです。

■4:スケジュール管理は、仕事とプライベートを同時に管理できるソフトを活用し、効率化を図る

スケジュール管理も大切です。グーグルカレンダーで仕事とプライベートと家族のスケジュールのすべてを見られるようにしています。同一画面上ですべてのスケジュールが把握できるので、予定の調整がしやすいですね。

■5:毎日30分の縄跳びで、心肺機能強化とストレス解消を図る

健康管理は縄跳びです。1日30分。かなり良い運動になります。ジョギングの1.5倍くらいのエネルギーを消費するそうです。有酸素運動で、心肺機能が鍛えられるので、ウイルス対策にもなっているかもしれません。

時間も場所も取らないですし、人との接点も避けられます。そして、何よりリフレッシュになります。腹筋も鍛えられ、ヒップアップ効果ありますので、縄跳びはとってもおススメですよ!

競技用の縄跳びを愛用 FEELCAT(写真左)とアシックス(写真右)
競技用の縄跳びを愛用 FEELCAT(写真左)とアシックス(写真右)

リモートワークのメリットは「家族の時間が増えた」こと、デメリットは「息抜きするひとり時間がなくなった」こと

――自宅勤務になったことのメリットはなんでしょう?

営業なので接待などもあり、多いときは週2、3回ほど夜に会食がありましたが、それがなくなりました。その分家族の時間が増え、絆が深まったと思います。また今までもリモート会議をしていましたが、改めてその良さを再確認しました。

営業はFace to Faceが大切だと思い、平時には常にお客様のところに伺って話をするというコミュニケーションを重んじていました。でもそれが、「自分の思い込みだったのかもしれないな」と思うようになりました。

――では、自宅管理になってからのデメリットは?

通勤時間がなくなって、自分だけの時間がなくなってしまったことです。本を読んだり、SNSで友達とやりとりしたり。電車で移動する時間が実はリフレッシュタイムだったと気がつきました。

電車移動の時間がなくなった分、常に仕事をしてしまうようになりましたね。通勤時間が正直、恋しいです。自分だけの時間がなくなったことは、少しだけつらいです。

長い自粛生活を続ける上で大切なことは、「家族との適正な距離」と「今でなく、常に先を見て動く」こと

――現在、日々意識していることや、メンタルを保つ秘訣はなんですか?

正直、毎日が忙しすぎて「悩んでいる暇がない」という感じです。家族でずっと家にいるので、家族に癒されています。仕事はもちろん、朝昼晩の食事作り、掃除、洗濯などで忙しく、時間があっという間に過ぎていきます。

3月からリモートワークになったメーカー勤務の夫とは、ワークスペースを分けています。私はリビングで、主人は仕事部屋で仕事をしています。同じ空間でお互いリモートワークをするのは難しいですよね。

それ以外にも、子どもの勉強を見たり、学校からの連絡事項を確認したり、オンラインの習い事のサポートなどもやらなければならないので、落ち込んでいる場合ではないという状況です。

そして、今のことよりも、常に先を見て動いています。それが長いリモートワーク期間に、健全な精神状態を保てる理由なのかもしれません。

子どもたちと毎日縄跳びをして、健康維持とリフレッシュを
子どもたちと毎日縄跳びをして、健康維持とリフレッシュを

以上、すでにリモートワークを3か月以上実践されている末政さんに、リモートワークのコツや、自宅での過ごし方などをお聞きしました。「デジタル機器を有効活用」し、「常に先を見る」ことで上手く自宅勤務を乗り切っているという末政さん。

自粛生活が長くなり、時間の使い方が一変したことで、新しい生活が難しいと感じていらっしゃる方も少なくないと思います。

無理をせず、心身ともに健康を保っていきたいですね。

この記事の執筆者
新卒で外資系エアラインに入社、CAとして約10年間乗務。メルボルン、香港、N.Yなどで海外生活を送り、帰国後に某雑誌編集部で編集者として勤務。2016年からフリーのエディター兼ライターとして活動を始め、現在は、新聞、雑誌で執筆。Precious.jpでは、主にインタビュー記事を担当。