クルーズの乗船を予定している人も、憧れている人も、初めてであればいろいろと不安がありますよね。また、すでに乗ったことのある人も、もっとクルーズを楽しむ方法が知りたいということもあるでしょう。

豪華客船によるクルーズの旅をすでに経験のある人も、未経験の人も、その壮大な航海の旅が決まれば、心躍りますよね。でも、ちょっとした不安や素朴な疑問を抱えているかもしれません。そんなあなたへ、クルーズのお困りごとを解決する方法を、船酔いしない方法や持ち物、船のランクや客室の選び方、人気のエリア、乗船中のアクティビティの中身やドレスコードなど、ちょっとした疑問にすべてお答えします。

【目次】

【1】クルーズ船で「船酔い」しない方法と予防策、持ち物

大きなクルーズ客船でも船酔いするの?

クルーズ船というと、豪華な大型客船がイメージされるため、小さな船やヨットと比べると揺れにくく、船酔いの心配はないのではと思いますが、実際のところどうなのでしょうか。

「確かに船は大きいほど揺れませんが、小さな客船になると揺れやすくなり、天候によっては船酔いすることもあります。実際、レセプションで酔い止めの薬をもらえることが多いので、乗客の方がもらいに行っているのを見たことがあります。

また、船で従事するクルーの方も、慣れないうちはよく船酔いに悩まされるそうです。外国人のクルーの方から、リンゴやジンジャーエールが効くという話も聞いたことがあります。実際はどうなのか分かりませんが…」

レセプションで酔い止めの薬をもらえる

クルーズで船酔いしないための3つのポイント

普段から車酔いしやすい人は、きっと船酔いも心配のことでしょう。そこで、クルーズ乗船中に船酔いしないためのポイントをいくつか教えていただきました!

クルーズ乗船中に船酔いしないためのポイント

■1:揺れにくい客船を選ぶ!

「客船には『総トン数』という大きさのクラスがあり、1~3万トンの小さな客船は揺れやすく、10万トン以上の大きな客船は揺れにくいといえます。現在では、小さな客船でも、横揺れ防止装置である『フィンスタビライザー』という、水中に羽のように出て横揺れを防ぐ装置がほとんど付いており、比較的揺れにくくなっています。船酔いが心配の方は、大きめの客船かファンスタビライザー付きの客船を選ぶといいです」

■2:穏やかな海域のクルーズを選ぶ!

「船だけの問題ではなく、荒れやすい海域をめぐるクルーズ旅はやはり揺れやすくなります。クルーズのエリアを選べるのであれば、穏やかな海域を選びましょう。

ポイントは、大陸や島々に囲まれている海域。たとえば日本では瀬戸内海クルーズ、海外ではカリブ海クルーズ、アラスカクルーズ、夏のバルト海クルーズ、春~夏の地中海クルーズが揺れにくいといわれています。

反対に揺れやすいのは、ポツンとある島の周辺の海域など。たとえば日本では小笠原クルーズがそれに当たります。またジブラルタル海峡やドレーク海峡などの海峡は揺れやすくなりますので注意しましょう」

■3:揺れにくい客室を選ぶ!

「客室の場所選びもポイントです。最も揺れにくいといわれているのが、船の中央部分で下のほうの階の客室です。スイートルームは中央部分の上のほうの階にあるのが一般的なので、下になるとやや下級客室になりますが、船酔いを想定してあえて指定する方もいます。

クルーズを専門に販売している旅行会社なら、問い合わせれば酔いにくい客室の位置を教えてくれるでしょう」

クルーズ乗船中に船酔いしないためのポイント

船酔いの「予防方法&なってしまった対策法」は?

もし、船が揺れるなどして船酔いが心配になったら、どうするのがいいのでしょうか。その予防&対策法を教えていただきました。

「船酔いを感じたら、ベッドに横になりましょう。横になったほうが悪化しにくくなるといわれています。また、症状が重い場合は、酔い止め薬を飲みましょう。船のレセプションで入手することができると思いますので、遠慮なく尋ねてみてください。

酔いがひどいときは、船内のクリニックで酔い止めの注射を打ってもらうこともできます」

もし事前に「明日は天気が悪くて揺れるかもしれません」などと聞いた場合には、次のような行動をするといいそうです。

「揺れが予想される日の朝には、ベッドで酔い止めを飲み、1時間後くらいに起き上がるようにするといいですよ。寝てばかりでは飽きてしまうので、気分を変えて、外が見渡せるパブリックルーム(ラウンジなど)に行き、船の向かう先を眺めつつ、波に身を委ねるのもひとつの方法です」

備えておきたい「船酔い」予防&対策アイテム

船酔いが心配…という場合、あらかじめ乗船する前に船酔い防止アイテムを備えておけば安心です。藤原さんにピックアップしていただきました。自分に合うものを手配しておくとよさそうです。

■1:乗り物用の酔い止め薬

「眠気がくることが多いですが、乗り物用の酔い止め薬が対策の基本です。不安を感じたら、あらかじめ飲んでおくといいでしょう」

■2:リストバンド(シーシックベルト)

「吐き気を抑えるといわれる手首のツボの部分に突起がついたリストバンドです。旅行グッズの専門店などで手に入るので探してみてください」

■3:リンゴとジンジャーエール

「先ほども触れましたが、海外ではリンゴとジンジャーエールが効くといわれているため、頼めば持ってきてもらえます。効くかはわかりませんが、試してみるのもいいかもしれません」

船酔いでせっかくのクルーズ旅が楽しめなかったなんてことにならないよう、不安がある場合には、事前知識を備え、予防策をしっかり準備しておきましょう。


【2】クルーズ船の「船のランク」の選び方

クルーズ船には3つのランクがある

クルーズ船には3つのランクがある

藤原さんによると、クルーズ船には3つのランクがあるそうです。

「クルーズ船は、大きく分けてラグジュアリー、プレミアム、カジュアルの3つがあります。この3つのランクの違いは、船の大きさによってひとりの乗客に対するスペースがどれくらいかを表す『スペース・レシオ』と、乗組員1名当たり、何人の乗客がその船に乗るのか、などにあります。

ラグジュアリー客船はスペース・レシオが広く、乗組員の数に対する乗客の人数が少なくなります。乗客人数が少ないほど、丁寧で親身な質の高いサービスが受けられるためです。そしてプレミアム、カジュアルの順にこのスペース・レシオは狭くなり、乗組員1名に対する乗客の数も増えていきます。カジュアル客船ですと、1名の乗組員客に対して、乗客が2~3人という風になります。

船が大きいほど豪華で贅沢に思えますが、乗客も多いため、必ずしもそうではないのです。ラグジュアリー客船は小・中型サイズの船が多いのですが、そのぶん、乗客が少なく広々としていて、乗組員も多いため充実したサービスが受けられるという贅沢さを得られます」

■1:ラグジュアリー客船

ラグジュアリー客船のアトリウム階段

「ゆったりとしたスペースと丁寧なサービス、プライバシーを大事にしたい人におすすめです。料理も高級素材を多く使い、シェフが腕を振います。休暇だから細かいことにわずらわせられたくないという乗客の意向から、最近はドレスコードも『スマートカジュアル』などの格式張らないものや、ドレスコードを設けない船も増えてきました。一方で、クイーン・エリザベス(キュナード社)など、意図的にきっちりとしたドレスコードを設けている船もあります。高級なブティックホテルのようなサービスや1週間程度の短めのクルーズも多いので、若いエグゼクティブも多いのが特徴です。プライベートな旅、もしくは他の乗客と社交するのが好きな人向けです」

■2:プレミアム客船

プレミアム客船のタラソテラピープール

「船の大きさは若干大きく、ある程度のサービスや客室、アメニティーなどが用意されています。スペースがある分、ラグジュアリー客船よりも色んな施設やイベントがあって楽しめます。ドレスコードは船によりますが、1クルーズの期間が10日以上の場合が多いので、雰囲気を盛り上げるために、ドレスコードを取り入れている船もまだ多くあります。上質かつ長めのクルーズをしたい方向け。ホテルでいうと、シティーホテルくらいの感じです」

■3:カジュアル客船

カジュアル客船では家族で楽しめるイベントが多数

「友人同士でわいわい、もしくは子連れの家族で元気にクルーズを楽しみたい場合におすすめです。子ども向けのプログラムやベビーシッターサービスも充実しています。ドレスコードはありますが、それほど気にする必要はなく、自分なりのオシャレを楽しめます。食やサービスは、クルーズ代金に見合ったものが多いですが、その分、自由に過ごせます。食事はフルコースもありますが、ビュッフェなども豊富なので、肩肘はらずに過ごしたい人に向いています。遊ぶ施設がとにかく多いので、寄港地観光と同時に船内でもいろんなことに挑戦したい人におすすめです」

カジュアル客船のキッズルーム

【3】クルーズ船の「客室ランク」の選び方

また、客室にもランクがあり、それぞれサービスが異なるといいます。

「客室には、スイートルームやバルコニー付き、窓付き、窓なしなどさまざまな種類があり、料金やサービスが変わってきます。主に次の4種類があります」

●内側客室(インサイド)
●外側の窓付き(アウトサイド)
●バルコニー付き
●スイートルーム

「外の広大な海や景色を眺めながら過ごしたいなら、外側の窓付きやバルコニー付きを。寄港地ツアーや船内イベントで忙しく過ごして、寝るだけでよいなら内側客室で十分です。カジュアル客船ならバルコニー付き客室でも代金は高くないので、最初のクルーズなら、バルコニー付き客室がおすすめ。

スイートルームには、バトラー(執事)のサービスが付く船も。レストランや寄港地ツアーの予約、荷ほどきやパッキングのほか、さまざまなことを頼めます。以前、ドレスにシワがよってしまい困っているときも、バトラーが時間に間に合うよう、衣装を届けてくれたことがあります。日本人はバトラーに甘えるのが苦手な傾向があるように思えますが、一度甘えると癖になるはずです」

スイートルームではバトラーサービスも充実

いかがでしたか? 自分の好みや、同伴者、クルーズ船の中や寄港地でどんな風に過ごしたいか、どんなサービスを受けたいかによって、クルーズの「船のランク」と「客室のランク」を選び分けましょう。


【4】クルーズの「エリア」の選び方は?

エーゲ海の島々の絶景

 人気は地中海、エーゲ海、アラスカ、カリブ海の4つに集中

クルーズ旅の計画を立てるとき、初心者だと何から始めるといいのか悩みますが、藤原さんによると、まずは行きたい場所を考えることがポイントだといいます。でもクルーズ旅が初めての場合、どのエリアにいつごろ、客船が運航するのかもわかりません。そこで藤原さんにクルーズの人気エリアを教えていただきました。

■1:地中海

地中海・マルタ島

「クルーズといえば地中海クルーズというくらい、人気のエリア。ベストシーズンは春から秋で、暖かい気候のクルーズは爽快です。なによりローマやモナコ、バルセロナ、加えてシチリア島、マルタ島などの有名な島など、美しい観光名所がそろっており、客船からの眺めはもちろん、現地の歴史ある街の景観には心躍ります。ショッピングや美食も存分に楽しめるおすすめのエリアです。客船は夜眠っているうちに移動してくれるので、1週間で3か国5か所など効率よく巡ることができます」

■2:エーゲ海

エーゲ海クルーズ

「海と景色の美しさが抜群のギリシャのエーゲ海。サントリーニ島、ミコノス島などの島々の眺めはまさにクルーズの旅にふさわしい絶景です。こちらもシーズンは春から秋にかけて、若干、地中海よりも短め。とことん美しい海を楽しみたい方におすすめです。島々を自由に行き交えるのも客船の強みですね」

■3:アラスカ

アラスカの氷河

「大自然の中でクルーズを楽しみたいなら、アラスカがおすすめです。シーズンは遅めの春~夏。氷河やフィヨルドなどは、船でしか足を踏み入れられない場所を訪れることが叶います。クジラやラッコ、クマなどの野生動物に出逢える可能性も! 寄港地の小さな町では、アクティブにカヤックやヘリコプターからの氷河見学などを楽しむこともできます」

■4:カリブ海

カリブ海クルーズも人気

「アメリカのフロリダから出航し、透き通った海が待つカリブの島々をめぐるカリブ海クルーズも人気のエリア。ひと口に『カリブ』といっても、統治国が違うため、フランス領、オランダ領、英国領などで風土が微妙に違うのが面白いところ。客船も多く集まるので、お得にいろいろな船を選べるのが魅力です」

■5:気軽に行ける東南アジア

クルーズの旅といえば、長期の計画を立てるイメージがありますが、普段の休日を使って気軽に行けるエリアもあるそうです。

気軽に楽しめるシンガポールなどの東南アジア・クルージングもおすすめ

「気温の変動が少なく、通年客船が周遊しているシンガポール発着などの東南アジアなどは、気軽に行けるエリア。アジア料理を楽しんだり、シンガポールの西洋とアジアが混ざった魅力的な街を巡ったりできるほか、マレーシアのランカウイ島やペナン島などは、有名なビーチリゾートを2泊くらいから楽しめます」

■6:季節が逆のエリア

そして、日本の暑い夏や寒い冬を抜け出すことができる、季節が逆のエリアもおすすめだそうです。

季節が逆のオーストラリアも人気

「季節が逆で、寒い冬に温かいところに行けるオーストラリアやニュージランドなどのオセアニアなどは、新鮮さを感じることでしょう。10泊以上のクルーズが多いため、のんびりゆったり、大自然の中でくつろぎながらクルーズの旅を楽しみたい方におすすめです」

飛行機の旅と組み合わせた「フライ&クルーズ」

藤原さんによると、ここでご紹介していただいたクルーズは、「フライ&クルーズ」と呼ばれるそうです。この用語の意味もチェックしておきましょう!

「『フライ&クルーズ』とは、クルーズが出航するところまで飛行機で飛び、クルーズするものです。地中海ならローマやバルセロナ、エーゲ海ならギリシャやベニス、アラスカならシアトルやカナダのバンクーバー、オセアニアならシドニーなど。そこから1週間ほどの日程のクルーズが多く行われています」

クルーズのエリアは、今回ご紹介したもの以外にもまだまだたくさんあります。ぜひおすすめのエリアを参考に、季節に合わせて、クルーズならではの旅が楽しめるエリアを見つけましょう。


【5】クルーズ船に乗船中の過ごし方、楽しみ方6つ

クルーズ初心者にとって、クルーズ船上で起こることはワクワク・ドキドキの連続であると同時に、未知なる世界に身を置いて何をすればいいか戸惑うことも。船の上ではどんな風に過ごすことができるのでしょうか。

「船の上ではとにかく自由に過ごすことができます。クルーズの旅といえば寄港地ツアーやショッピングも楽しみですが、どの寄港地にも寄らない『航海日』というものが、1クルーズで1~2回は設けられています。そんなクルーズ船上で過ごす1日も、退屈せずに十分楽しめます。

また、寄港地の陸の上で過ごす日も、夕方には食事のために船に戻ってきて、夕食後は劇場でショーの鑑賞や免税店でのショッピング、さらにはカジノやバーなどで楽しめば、あっという間に夜が更けていきます。とにかくアクティビティーが多すぎて、退屈どころかどれを選ぶか迷ってしまうほど。みなさん、思い思いのことを楽しんでいますよ。決まりはないので、興味があることを行ってみましょう」

クルーズ船で楽しめるのは、次のようなエンターテインメント、アクティビティ、イベントが代表的です。

■1:エンターテインメント

夜の過ごし方で人気なのがカジノ

劇場でショーの鑑賞、映画館で映画鑑賞、免税店でのショッピング、カジノやバー、ディスコなど。

■2:スポーツ

F1シュミレーターのあるクルーズ船も

ヨガやテニス、ダンス、ミニゴルフ、プールにおける水泳、洋上ウォーキング、水中バレー、バスケットボール、卓球などのスポーツ。

■3:リラクゼーション

ルームサービスの朝食

客室のバルコニーでのルームサービスやプールサイドでの憩い、スパ、ビューティーサロンなど。

■4:講座、教室

ワインテイスティング講座

寄港地の歴史・文化についての講座、美容や健康についての講座、ワイン教室、料理教室、ナプキン折り教室、手品教室、手芸教室、語学教室、パソコン教室など。

■5:大会、コンテスト

テニスのトーナメント大会があるクルーズ船も

テニスのトーナメント大会などのスポーツ大会や絵画オークション、ビンゴ大会、カラオケ大会、コンテスト各種など。

「船上イベントは、まさにクルーズ船の醍醐味といえます。航海日の船内新聞を見てみると、多くが無料のスポーツ、教養講座、教室、コンテストなど、さまざまなイベントが開催されているのがわかります。興味があるものにぜひ参加してみましょう。

また、船によって楽しめる施設やイベントは異なります。特に講座については各船のオリジナリティーが活かされたものが豊富にあります。例えば、英国のオックスフォード大学の講義やベルリッツの語学教室の講義を受けられる船や、ボウリング場を備えている船もあるほどです」

■6:寄港地でのツアー

もちろん、寄港地での観光やショッピングもクルーズの旅では欠かせない楽しみです。

イタリアでパン工房を訪れるツアー

「1週間のクルーズの場合、4~5か所は寄港し、街巡りができます。寄港地では観光やショッピングを楽しめます。遺跡やビーチなど、思い思いの場所を訪ねて楽しく旅を満喫。船がホテル代わりになるのです」

フランスに寄港した際にはマルシェを訪れるのが人気

クルーズの旅は、通常の陸上の観光やアクティビティーのほかに、船の上で存分に楽しめる体験が盛りだくさん。すべてを楽しむのは至難の業というくらいで、飽きて退屈することはなさそうですね。


【6】知っておきたい、クルーズ船での「ドレスコード」とは?

豪華客船によるクルーズの旅の醍醐味のひとつといえば、夜のディナーやショーの鑑賞などのラグジュアリーなイベント。こうした優雅な場では、その場にふさわしいドレスコードの指定があります。

フォーマルな服装でディナーへ

「クルーズでは確かにドレスコードがあります。ただ、とてもシンプル。夕刻からのディナータイム以降に決まった服装規定が求められるだけで、日中などは基本的に自由。カジュアルで構いません。客船によっては『カジュアル』と『フォーマル』の中間の『インフォーマル』な服装が求められることもあります。インフォーマルは、いわゆるフォーマルを若干くだいた雰囲気の服装です。クルーズ前に受け取るクルーズの案内に、どのドレスコードが何回あるか明記されていますので、それに合わせて準備をしていきましょう。

乗船したら、船内新聞にその日のドレスコードが明記されていますので、早めに確認しておくといいです。また船会社によって、ドレスコードがないフリースタイルな船、常にちょっとおしゃれな『スマート・カジュアル』のみという船もありますので、船会社を決める前に確認するのもよいでしょう」

インフォーマルなプライベートパーティー

主なクルーズのドレスコード

・フォーマル…正装。男性はタキシードやダークスーツ、女性はイブニングドレス、カクテルドレスなど。
・インフォーマル…正式ではないおしゃれ着。男性はスーツやジャケット、ブレザー、ネクタイなど。女性はワンピース、おしゃれ系スーツなど。
・カジュアル…おしゃれな普段着。男性は襟付きシャツやポロシャツ、スラックスなど。女性はワンピース、ブラウスとスカートなど。

「カジュアル」はカジュアルでも、百貨店へ行くくらいのさじ加減で

ソファーに座る女性
カジュアル

ドレスコードは「同じ雰囲気の装いをして、その場の雰囲気を楽しみましょう」という目的のためにあるので、あまりナーバスになる必要はありません。ただ、ひとりだけカジュアルすぎて残念な思いをするより、若干のおしゃれをしたほうがかえって気が楽なところも。

「カジュアルは普段着ですが、Tシャツや短パン、ジーンズなどは、やはりふさわしくありません。通常、街に出てちょっと高級なデパートでショッピングをするようなイメージを持つといいでしょう。また、同じフォーマルでも船の種類によって、よりフォーマルな装いが求められることもありますので注意しましょう。例えば、『クイーン・エリザベス』などのキュナード・ラインは、フォーマルナイトの盛装率も高いです。男性はタキシードと蝶ネクタイ、女性はデコルテの出たフルレングスなどの本格的な装いが似合います。各国の民族衣装を着られる方もいて、日本人の中には、羽織袴や訪問着などを着られる方もいます」

フォーマルウェアの男女
寄港地の民族衣装を取り入れたフォーマル

女性が知っておきたい服装選びのポイント

また、藤原さんによると、女性が服装を選ぶときに知っておきたいことがあるそうです。

「夏場は、船の中は冷房が効いているので、肩出しのドレスなどの場合、何かはおるものを着用するか持っておくのをおすすめします。デッキやバルコニーに出ると紫外線もありますので、帽子やサングラス、日除けなども忘れずに。また、靴はデッキなどでは滑りやすいので、ドレス用の靴とは別に歩きやすい靴も準備しておきましょう」

その他、ドレスコードの素朴な疑問Q&A

Q.ドレスコードを守るべき「時間」はいつ?

「ドレスコードを守るのは、ディナー前から夜、客室に帰るまで。『タキシードは荷物になるから持っていきたくない』などというときは、ドレスコードが不要なビュッフェ・レストランやルームサービスにして、客室でのんびりするという裏ワザもあります。

ただ、せっかくなら積極的にクルーズ船でのおしゃれを楽しだほうがよいでしょう。特にフォーマルの日はあちこちでプロのカメラマンがポートレートを撮影し、その後、気に入ったら購入できるので、よい思い出になるはずです」

Q.手持ちの服装がドレスコードに合わないとき、クルーズ船の中のお店で購入できる?

 「船内のショップが充実していれば、ドレスやタキシードを買うこともできますが、日本人の場合、サイズが合わない場合もあります。ただ、スカーフやアクセサリーなどを買って、手持ちの服を華やかにすることはできるでしょう。地中海クルーズなどなら、寄港地でショッピングついでに、ちょっとしたドレスを買うこともできますよ」

フォーマルな装いで楽しむラグジュアリーなディナーもクルーズ旅行の醍醐味。藤原さんも言うように、普段とは異なるファッションを楽しむよい機会といえます。思い切りおしゃれを楽しみたいですね。


【7】クルーズ旅の「お金」にまつわる疑問を解明

クルーズ旅の醍醐味といえば、船の上で楽しめるアクティビティーやイベント、おいしい食事を存分に味わうこと。また、寄港地でのショッピングや観光ももちろん楽しみです。そこで、気になるのがクルーズ旅での「お金」の使い方のこと。どこまでが基本料金に含まれ、どこからが+αがかかるのでしょうか? 支払方法にはどのような手段が一般的なのでしょうか?

クルーズの基本代金には、どこまでが含まれている?

ショーの様子
クルーズの基本代金には、どこまでが含まれている?

まず、クルーズ旅のプランにかかる基本代金について、藤原さんが次のように教えてくれました。

「クルーズの代金には、基本的に1日3食(以上)の食事代やショーの鑑賞代などが含まれており、食事中やバーでのアルコール、ワインテイスティングなどのアクティビティーでは追加で費用がかかるといった仕組みになっています。陸上での料金とあまり変わらないので、クルーズの旅を豊かに過ごすためにもぜひ利用してみましょう。

外国船の場合はチップも考える必要がありますが、あらかじめチップがクルーズ代金に含まれている場合と含まれていない場合があります。含まれていない場合は、1日ごとにいくらか毎日自動で加算されるようになっているのが一般的です」

ショーの様子
ショーの鑑賞代なども基本料金に含まれているのが一般的

クルーズ旅の「基本料金に含まれないもの」は?

気になるのは、追加料金で楽しめるスペシャリティー・レストランでの食事や寄港地でのツアーです。

■1:寄港地でのツアー代

「例えば一週間のクルーズでは4~5か所の港に寄り、観光やショッピングを楽しむのが一般的です。その際、船主催の寄港地ツアーに参加することが多くなります。時間や内容によりますが、外国船で1ツアー50ドルくらいから、日本船ではひとりにつき8,000円くらいからが相場です」

■2:スペシャリティー・レストランでの飲食代

スペシャリティー・レストランでの飲食代は基本料金には含まれていない

「ラグジュアリーランクの船では、アルコール代も基本料金に含まれることが多いですが、カジュアルやプレミアムのランクでは、ビール、ワイン、ペットボトルの水、カプチーノについては追加費用がかかるのが一般的です。また、クルーズ船の多くは、さまざまなタイプのスペシャリティー・レストランを備えていますが、そこでの料金は基本料金に含まれないことが多いです。クルーズ中、ワンランクアップした食事や特別な雰囲気を体験したいときにはおすすめなので、ぜひ利用してみてください」

■3:エステ、マッサージ、ヘアメイク代

エステルームの様子
エステ、マッサージ、ヘアメイク代は基本料金には含まれていない

「客船のほとんどにスパが設置されていますが、そこで受けるエステやマッサージにも代金がかかります。美容室についても同様です。外国船でこれらの施設を利用する場合、施術者へのチップも必要です。サービスチャージとしてレシートに記載されていないときは代金の20%ほどをチップと書かれた欄に書き入れて、レシートにサインします」

■4:お土産代

船内ショップの様子
クルーズ船ではお土産ショップも充実

「クルーズ船にはほとんどの場合、お土産が買えるショップがあります。お土産代ももちろん基本料金外です」

■5:インターネット代

「最近はほとんどの客船でWi-Fiが使えます。1時間いくらというものから、1日パッケージ、1クルーズパッケージなど、船によっていろんな料金体系があります。1週間のパッケージで150ドル前後。ただ、つながり具合やスピードは客船や就航エリアによってかなり違います」

外国船での共通通貨は? 日本円は使える?

ところで、外国船に乗ったら、現金はどのように支払うのでしょうか。

「外国船では基本的にドルかユーロで払います。ほとんどの船会社はドルを採用していますが、ヨーロッパ周辺のクルーズの場合、ユーロになることも。ドルからユーロなどへの両替は船のレセプションで行える場合もありますし、寄港地では港に両替コーナーが設けられていたりします。ただ、日本円からの両替が難しいことがありますので、ドルかユーロは少し多めに持って行くといいでしょう」

船上で使った代金は、クレジットカード精算が基本

クルーズ中に使った代金は、クレジットカードで払うのが基本だそうです。

「基本的に船上で使った金額はクレジットカードで支払います。乗船時にクレジットカードを登録しておきます。船内で使うのは専用の磁気カード。『クルーズカード』と呼ばれ、乗下船のときの身分証、客室のルームキーになります。そして何かを買うときにもそのカードを利用します。最終日に精算書が客室に届き、間違いがなければそのまま下船。後日、登録したクレジットカードに請求されるシステムになっています」

チップの払い方と相場は?

外国船では気になるのがチップです。支払い方法と相場を教えていただきました。

「チップは、クルーズ船上でも、海外旅行のときに現地で過ごすときと同じように必要です。ただ、払い方が昔とは変わってきています。現在は昔と比べて船の上でクルーと顔を合わせる機会が減ったことからチップを渡しにくくなり、下船時に請求されるのが一般的です。つまり、先ほどもお伝えしたように、自動的にサービスごとに一定の金額が加算されていく方式が多くなっています。その金額は船会社や客室ランクによって異なります。目安をいえば、1名1泊につき約12~15ドルほど。日本円では1,000円~1,200円ほど。5泊なら5,000~6,000円くらいになります」

藤原さんによると、ラグジュアリーな客船になると、チップやアルコール、Wi-Fi料金も含まれた「オール・インクルーシブ制」がほとんどなのだそう。中には寄港地ツアーも無料という船会社もあります。ドリンクを頼む度にクルーズカードを出して、レシートにサインする必要もなく、わずらわしさがありません。

クルーズの旅の代金は、基本代金のほか、過ごし方によって大きく変わってくるようです。あらかじめどのようなものが選べるのか、ぜひ確認しておき、クルーズの旅を充実したものにしましょう!


【8】クルーズ船での電話、ネット、Wi-Fiなど通信環境について

旅に出ると、欠かせないのがスマートフォンによる写真・動画撮影と知人との共有。SNSに投稿して多くの人に見てもらいたいですよね。そんなとき、気になるのが「通信環境」。航海中の海外クルーズの船の上から電話をすることはできるのでしょうか?

クルーズ船上で電話はできる?

電話

クルーズ船上における電話の手段には主に、次の方法があると藤原さんは話します。

■1:客室の電話機からかける

「客室にある電話機では、他の客室への電話やレセプション、ダイニング予約、その他の船内施設などへ電話がかけられます。国際電話も、指定の方法でダイヤルすることでかけられるようになっているのが一般的です」

■2:自分のスマートフォンから船上のWi-Fiサービスを利用してネット通話をする

「携帯電話は、沿岸の電波が届くところまでしかかけられません。海外のローミングサービスを使っていても同様で、陸の電波が入るところまでしか使えません。話す相手が決まっているのであれば、船上のWi-Fiサービスに接続し、SNS系の電話サービス(FacebookやLINEなど)で電話をかけることは可能です。ネットを利用した通話です」

インターネット

また、クルーズ中、パソコンやスマートフォンでインターネットをしたいこともありますよね。そんなときはどのような手段があるのでしょうか。

クルーズ船上でインターネットは使える?

■1:船内のインターネットカフェを利用する

「多くの船では、インターネットカフェがありますので、それを利用すれば手軽にネットができます。ただ、外国船のPCは日本語入力ができないことが多いので覚えておきましょう」

■2:船上のWi-Fiを利用する

「ノートパソコンやスマートフォン、タブレットなどを持参してインターネットをしたい場合、最近は船上でWi-Fiに接続できる船がほとんどです。時間で料金が加算されるものから、7泊プランなど、船会社によって料金設定が違います」

■3:船上無料通話とメールサービスを提供する船会社も

最近では、各船会社が通話やメール関連のサービスを打ち出していることもあるそうです。

「例えば、コスタ・クルーズという会社は、スマートフォンやタブレットにアプリをインストールすると、船上でアプリを使用している人同士でWi-Fiを通じ、通話とテキストメールができるサービスを提供しています。船内の他の乗客とのアプリを介しての通話やメールは無料なので、気軽に利用できそうです。クルーズ船を予約するときに、こうした便利なサービスがないか確認しておくといいでしょう」

クルーズ旅行中の通話&インターネットの「最新事情&裏技」(2018年)

藤原さん自身の体験談をもとに、最近のクルーズ中の通話・ネット事情や藤原さんが実施しているワザを教えていただきました。

クルーズ中の通話・ネット最新事情

■1:進む外国船のWi-Fi事情。Wi-Fi無料のラグジュアリー船も!

「日本船には現在、郵船クルーズの『飛鳥Ⅱ』、商船三井客船の『にっぽん丸』、日本クルーズ客船の『ぱしふぃっく びいなす』の3船がありますが、まだすべての船でWi-Fiが使えるわけではなく、使えても30分¥1,000と、かなり高額です。外国船のほうが、Wi-Fi事情は進んでいて、1分単位のプランから、1日パッケージプラン、クルーズ乗船中は使い放題のプランなどから選択することができます。料金は船会社によって差がありますが、1分1ドル弱、1日50ドル前後、7泊で250ドルくらいが平均でしょうか(2018年5月現在)。データ量やスピードで料金設定が違う場合もあります。今後は料金も下がり、スピードも陸と変わらないような客船が増えていくことでしょう。外国船の中でもラグジュアリー客船は、Wi-Fi利用が無料というサービスも増えてきました」

■2:SNSのみ使えるプランも!

「海外のカジュアル客船には、InstagramやTwitter、FacebookなどのSNSのみ使えるお得なプランがあるので、船上でいい写真が撮れたときの投稿や、友人との連絡だけでよいときなどにはおすすめです。ただし、アジア圏以外のエリアではLINEのアプリは使えず、メールの送受信もできないことが多いので、私が仕事のメールなどをチェックしたいときは1クルーズ分の7泊パックプランなどをよく利用します」

■3:寄港地で使う周遊タイプのレンタルWi-Fiルーターの合わせ技

「まず飛行機で現地に行ってから船に乗る、フライ&クルーズで地中海などに行くと、1週間のクルーズで4か国くらいに立ち寄ります。寄港地でぶらりと町をめぐりたいときはグーグルマップや検索をしたいものです。携帯電話の国際ローミングもありますが、ちょっと値段が高め。例えば、テレコムスクエアのレンタルWi-Fiルーターに『ヨーロッパ周遊タイプWi-Ho!』というものがあり、ヨーロッパのほとんどの国で使える上、1日¥1,000ほどなので、最近は空港でレンタルしていきます。使える容量も大きいのでグーグルマップでレストランの場所探しなどをしても安心です。寄港地、それも国が違うところに行く場合は、船上のWi-Fiと寄港地で使う周遊タイプのレンタルWi-Fiルーターの組み合わせが最強かもしれません」

クルーズ船中や、寄港地ではぜひあらかじめ電話やインターネットをフル活用して、クルーズの旅をシェアしながら、より充実した旅にしましょう!

藤原暢子さん
クルーズ・ジャーナリスト
(ふじわら のぶこ)20代で世界一周クルーズを体験後、客船の世界に魅せられる。老舗の客船雑誌『CRUISE』編集長を経て、クルーズ・ジャーナリストに。100隻以上の船で約90か国をめぐる。現在も世界の客船でさまざまなエリアをめぐっている。クルーズはホテルと旅の融合のため、陸のホテルや旅行、美食などについても日々研究中。
クルーズA to B
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
EDIT&WRITING :
石原亜香利