「米」の「こめ・べい・まい・よね・め」以外の読み方、サッと思い浮かびますか? 実は知ってるはず!
緊急事態宣言が解除された地域、継続中の地域とさまざまですが、健康維持のための「散歩」はともに推奨されていますよね?
厚生労働省の推奨する「国民健康づくり運動」の取り組み『健康21<第二次>』(※2020年5月現在推進中)によると、健康維持の指針となる1日の徒歩歩数の目安として、成人女性は「1日8500歩程度」が挙げられています。歩数計をお持ちでない方には、距離の目安も欲しいところですよね?
…という情報にも関連する日本語クイズが、本日の1問目です。
【問題1】「粁」ってなんと読む?
「粁」という漢字の読み方をお答えください。
ヒント1: 「米」の「こめ・べい・まい・よね・め」以外の読み方は?
ヒント2: 42.195
さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 粁(キロメートル) です。
ヒントで触れた、「米」の「こめ・べい・まい・よね・め」以外の読み方は「メートル=m」です。
これを基本として、「米偏」に「千」という漢字を合体させた漢字が、1000m(千メートル)を表す単位「粁(キロメートル)=km」です。
「1日8500歩」を距離に換算すると、歩幅70㎝程度で計算した場合5950m、つまり「約六粁」になります。…みなさま、「約六粁」歩けていますか?
実は本日5月20日は、「国際計量記念日(World Metrology Day)」という、世界的な記念日です。
現在、私たちが日常的に使用している、長さや距離を測る単位「m(メートル)」は、1875年5月20日に締結された「メートル条約」により、国際的な統一単位として17か国に公式に導入されました。
当時の加盟国はフランスと外交関係があった17か国で、日本が「メートル条約」に加盟したのは1885(明治18)年からです。それまでの日本では「尺貫法」を使用しており、長さの単位は「里(り)」や「尺(しゃく)」「寸(すん)」などでした。
今でも、「九十九里浜」という地名や、和裁の単位として、尺貫法の名残が残っていますよね?
外来の「メートル」も、昔は漢字表記が一般的だったわけです。「米(メートル)」を起点として、より大きな単位を示す「粁(キロメートル)」という漢字があるように、より小さな単位を示す漢字も存在します。
【問題2】「センチメートル」を漢字で書くと?
「センチメートル」という単位を表す漢字として正しいものを、以下の選択肢の中から選んでください。
1:粍
2:糎
3:粉
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 2:糎(センチメートル) です。
「米(メートル)」に「厘(りん)」という字を合体させた漢字になります。
「〇割〇分〇厘」という言い方が、、野球の打率の表現として今でも使われていますよね?
それぞれの漢字をパーセンテージに直すと…
割(わり)=10%
分(ぶ)=1%
厘(りん)=0.%
になります。
「打率3割4分5厘」といえば、「34.5%の打率」という意味です。
「厘(りん)」は「100分の1」という意味を持つ漢字なので、1メートルの100分の1の単位を示す漢字が「糎(センチメートル)」なのです。
ちなみに選択肢1は「粍(ミリメートル)」です。「毛(もう)」は「1000分の1」を意味する漢字でもあり、過去にこのシリーズでご紹介した「竓(ミリリットル)」という漢字でも、同じ使い方をされています。
選択肢2の「粉」は「なんで粉(こな)?」と、こじつけのように感じられた方もいらっしゃるかもしれませんが、実は「粉(デシメートル)」という読み方が存在します。
「分(ぶ)=1%=100分の1」という意味があるので、「デシメートル(10cm単位)」は「粉」なのです。
…こちらも、ちょっとした話題にちょうどいいトリビアかもしれません。
本日は5月20日「国際計量記念日(World Metrology Day)」にちなんで
・粁(キロメートル)
・糎(センチメートル)
という漢字ほか、
・割(わり)/分(ぶ)/厘(りん)/毛(もう)
など、日本古来の「割合」の表現に関するトリビアをお送りしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:厚生労働省ホームぺージ
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱