セレクトショップでネクタイの棚を覗くだけでは、Vゾーンのコーディネート力は磨かれない。自宅の窓から眺める田園風景、通勤時の道すがらに目に入った街路樹、高層ビルが立ち並ぶオフィス街、帰宅時の夜景……。携帯電話よりも日常で眺める風景にもっと目を向けて、自然の風景や季節感を取り入れた装いを心がけるべきだ。トレンドではなく、自分の経験や感性を反映したVゾーンこそが粋だし、自分に似合ったコーディネートになる。あたりまえではあるが、これこそがVゾーンの真理なのである。
自然との調和を目ざす
冬の大都会を思わせるクールな着こなし
コンクリートのように重厚なミディアムグレーのマイクロチェックをベースにしながらも、タイに効かせたボルドー、シャツに効かせたパープルやカーキで、ほのかな温もりと色気を表現。冬の街にも似た、クールでシックなVゾーンだ。
乾いた色と素材で見せる真夏のVゾーン
ドライタッチなベージュのリネンスーツに、ブラウンのリネン製ドットタイ。イメージはモロッコのマラケシュや、インドのジャイプール。乾いた砂のにおいが漂う、どこかエキゾチックなスタイルだ。日本の真夏にもぴったりの装いである。
グレーを中心に春の訪れをイメージ
無機質なミディアムグレーをベース にしながらも、爽やかなブルーのシ ャツや淡いボルドーカラーのジャカ ード織りタイで、青空のもとで咲き 乱れる花々を表現したコーディネー ト。瑞々しい春の訪れを感じさせる。
田園風景の色彩美を落とし込んだVゾーン
ウールを使ったカーキのスーツにブラウンのプリントタイを合わせることで、森林や豊かな田園風景をイメージ。英国のカントリージェントルマンがツイードスーツやウールタイを使って表現したスタイルを、都会の街に合うコーディネートへとアップデートさせている。
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- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2020年春号より
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- PHOTO :
- 渡辺修身(SAMMY STUDIO)
- STYLIST :
- 四方彰敬