「夕星」の正しい読み方、知っていますか?クラシックの名曲『夕星の歌』も「ゆうぼしのうた」ではありません!

七夕ですね。

色とりどりの短冊に願い事を書いて、笹の葉に結ぶ…老若男女問わずウキウキする、この季節の風物詩です。

七夕と言えば「織姫と彦星」の伝説がお馴染みですよね?夜空に輝く天の川をはさむ、こと座の一等星・ベガを「織姫(おりひめ)」、わし座の一等星・アルタイルを「彦星(ひこぼし)」に見立てた、ロマンティックな伝説です。

七夕を「星祭り」と呼ぶ地域もあるようです。

…というところで、本日の1問目です。

【問題1】「夕星」ってなんと読む?

「夕星」という日本語の読み方をお答えください。

ヒント:「夕方に西の空に見える金星。宵の明星」という意味の日本語です。

<使用例>「え?ワーグナーのオペラ曲って『ゆうぼしの歌』じゃなくて『夕星の歌』だったのね!」

「○○○○」と読み仮名4文字です。
「○○○○」と読み仮名4文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 夕星(ゆうづつ) です。

なぜこの字で「ゆうづつ」なのかは、謎なのです。
なぜこの字で「ゆうづつ」なのかは、謎なのです。

例文で触れた、ワーグナーのオペラ『タンホイザー』に登場する『夕星の歌』も「ゆうづつのうた」です。

この読み方の知識がないと「ゆうぼし」と読んでしまいそうですが、

「夕星」をそのように読む例は、日本画の巨匠・故・東山魁夷(ひがしやまかいい)の遺作のタイトル『夕星(ゆふぼし)』など、特殊な意匠を盛り込んだ固有名詞のみで、

一般的な日本語としては「夕星(ゆうづつ)」です。

なぜそのように読むのか由来は解明されていないようですが、『万葉集』や『枕草子』に、すでに登場している日本語です。まさに「大人の女性の知っておきたい日本語常識」ですので、ご存知なかった方は、ぜひ覚えてください。

さて、2問目も七夕にちなんだクイズです。

【問題2】『棚機』ってなんと読む?

「棚機」という日本語の読み方をお答えください。

<ヒント>「布を織ること。また、織る人。」などの意味を持つ日本語です。

「○○○○」と読み仮名4文字です。
「○○○○」と読み仮名4文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 「棚機(たなばた)」 です。

「七夕(たなばた)」の同義語として、節句行事を意味する場合もある言葉です。

「機」という字は「機械(きかい)」など、現代ではメカニックな機器をイメージさせる漢字ですが、

その実、一文字で「機(はた)」とも読みます。実は「機(はた)」という読み仮名は常用漢字(現代は中学生で習います)ですが、皆様、忘れていませんでしたか?

「機(はた)」は、意味をもった言葉としては「機織機(はたおりき)」を意味します。

「棚機(たなばた)」は「棚のついた機織機(はたおりき)」という意味で、ここから広義に「布を織ること」や「布を織る人」も指すようになったようです。

日本の「七夕」は、奈良時代に中国から入ってきた行事だと言われており、

中国ですでに、7月7日の夜にフォーカスした行事と「織女(しょくじょ。日本でいう『織姫』の原型)」の伝説が結びついていたことから、日本で「七夕(たなばた)」という行事名になったのではないか?と言われています。

今夜、綺麗な星空が見えますように…!

本日は「七夕」にちなんで、

・夕星(ゆうづつ)

・棚機(たなばた)

という日本語をおさらいしました。

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ILLUSTRATION :
小出 真朱