「番い」ってどう読む?どんな意味?切っても切れない関係です!?

本日は7月18日ということで、まずは「18」に関係する日本語クイズです。

【問題1】「十八番(おはこ)」の語源となった芸術って?

「得意技(とくいわざ)」と同じ意味を持つ「十八番(おはこ/じゅうはちばん)」の語源となった芸術は何でしょうか?以下の選択肢からお選びください。

1:絵画

2:交響曲

3:歌舞伎

「十八番(じゅうはちばん/おはこ)」の語源にかかわる芸術といえば、どれ?
「十八番(じゅうはちばん/おはこ)」の語源にかかわる芸術といえば、どれ?

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 3:歌舞伎 です。

「十八番(じゅうはちばん/おはこ)」という言葉ができるまでに、どんな経緯があったのでしょうか?
「十八番(じゅうはちばん/おはこ)」という言葉ができるまでに、どんな経緯があったのでしょうか?

「十八番(おはこ/じゅうはちばん)」は、「最も得意な芸」を意味する言葉ですが、そこから転じて「その人がよくする行為やクセ」などにも使われます。

なぜ「十八番(じゅうはちばん)」という番号がそのような意味になったかと言えば、江戸時代に歌舞伎の七代目市川団十郎が発表した『歌舞妓狂言組十八番(かぶききょうげんくみじゅうはちばん)』=市川宗家のお家芸とされる演目を18種選定したもの、に由来します。のちに『歌舞伎十八番』という略称が定着し、さらに「十八番」だけで通じるまでになりました。

「番」という数え方は能や狂言の数え方として今も残っていますので、当時は歌舞伎の数え方も「一本」や「一幕」でなく「一番、二番」だったのでしょう。

「十八番」を「おはこ」と読む理由については複数の説がありますが、市川家が伝統的な十八番の台本を「箱」に入れて大切に保管したことに由来する、という説が最も濃厚です。

素晴らしい芸術は何度見ても素晴らしいものですが、現代のように録画技術のなかった時代には特に、人気役者の「最も得意な芸=十八番」を鑑賞する機会を持つことは、人々の憧れだったことでしょう。同じ演目を代々受け継ぎ、繰り返し上演する歌舞伎のスタイルは、江戸時代「死ぬまでに一度は団十郎の『助六』(歌舞伎十八番の有名な演目)をこの目で見たいものだ」というような、多くの観客の憧れに応えるために定着したシステムかもしれません。

さて、2問目は「番」という漢字についてのクイズです。

【問題2】「番い」ってなんと読む?

「番い」という日本語の読み方をお答えください。

ヒント:「二つのものが組み合わさること。対(つい)。」「雌雄の一組。または夫婦」「体などの各部のつなぎ目。関節」などの意味を持つ言葉です。

<使用例>

「父が飼っている番いの文鳥が、仲良しでとても可愛らしいのよ」

「○○い」と読み仮名2文字です。
「○○い」と読み仮名2文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 番(つが)い です。

番い(=雄雌1ペア)の鳥、腕の番い(関節)、というような使い方をしますが…

ヒントで書いたように様々な意味を持つ言葉ですが、総じて「対のもの、ペアになっている状態」に関連する言葉です。

弓に矢をあてることを「番(つが)える」と言ったり、

扉や蓋などをつなぐ金具の名は「蝶番(ちょうつがい)」と言いますよね?

二つセットのカップを「ペア・カップ」というよりは、「番(つが)いのカップ」と表現したほうが「むつまじい関係」をイメージさせ、ロマンティックです。

先日、筆者の憧れのマダムが、「このチーズは癖があるけど、重めの赤ワインと番いでいただくと素敵なのよ」とおっしゃっていて、なるほど「マリアージュ」以外のこんな素敵な表現があるのか!と、ときめきました。素敵な言葉を使える大人の女性になれるよう、語彙力を磨いて参りたいですね。

本日は

・十八番(じゅうはちばん/おはこ)

という言葉の由来と、

・番(つが)い

という難読漢字クイズをお送りしました。

 

この記事の執筆者
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ILLUSTRATION :
小出 真朱