在宅での仕事中、集中力を上げるためにどんな工夫をしていますか?
作業スペースの確保、整理整頓、姿勢、椅子や机の調整、温度管理など、さまざまなアプローチ方法がありますが、その中でも、音によって集中力を高める方法もあります。
集中できるBGMとしてよく耳にするのが、クラシック音楽。特にモーツァルトの楽曲は、作業における集中力に関与することが研究や実験によって分かっているのです。
今回は、お酒の醸造時や家畜、オフィスや工場などに音楽を活用する「音楽熟成」についての講演会や研修会を開いたり、音楽熟成に関する書籍、オリジナルCDの制作等を行ったりしている日本音楽熟成協会の方に、在宅で仕事をする際、集中力を上げるためにおすすめのクラシック音楽を教わります。
在宅での仕事中、集中力を上げるのにおすすめの音楽は「モーツァルト」
在宅でBGMを流しながら作業しても良い仕事の場合、「集中力を上げる」ためにBGMを活用するとすれば、どのような音楽がよいのでしょうか? 音楽熟成協会の担当者にお聞きしました。
「当協会ではモーツァルトを推奨しております。モーツァルトの多くの曲、特にピアノ曲などに豊富に含まれる、4,000~8,000ヘルツの高周波音は、人間の脳の脳幹の一部である延髄(えんずい)から視床下部にかけての神経系を効果的に刺激し、副交感神経を活発にさせることが分かっています。それにより、リラックス効果をもたらすホルモンが分泌されるため、心身が癒されることが期待されます。
また、脳にも刺激を与え、集中力を向上させるともいわれています。さらに、これらがあらゆるものの分子を活性化し、調和させるため、トマトなどの作物がまろやかな味になることが実際に起きています」
モーツァルトで疲労度や事故率も減少した事例も!
日本音楽熟成協会の公式サイトによれば、仕事場にモーツァルトの曲を流すと、作業効率が向上したり、職場環境が改善されたりするということが実証されているといいます。
実際、モーツァルトの曲を流すようになると、作業効率が10数%アップしたという報告もあるそうです。
音楽があると、職場の作業効率が高まるということは1960年代から言われ始め、多くの企業が工場内にBGMを流し始めたといいます。工場内にモーツァルトの曲を流した結果、作業員の疲労度が減少し、事故率、製品不良率が激減したという報告も。作業員のストレスが減り、集中力がとぎれず、ミスが減ったそう。
選曲が正しければ、新米作業員の作業レベルが、わずか数ヶ月間でベテランの域に達するといわれます。来客の少ない店でモーツァルトを流すと、集客率がよくなり、売上率が高まった事例もあるそうです。
鳥取県米子市にある東京印刷で「モーツァルト」を流した事例
鳥取県米子市にある東京印刷の会長、杉原弘一郎氏は自分の会社と工場全体にモーツァルトの曲を常に流したところ、一年経って、次の結果が現れたそうです。
・社員の欠勤が少なくなった。
・工場の事故が少なくなった。
・機械の故障も少なくなった。
・社員の仕事の効率がよくなり印刷ミスも少なくなった。
・デザイナーたちのデザインが褒められるようになって、コンテストでもよく入賞するようになった。
・印刷の仕上がりがよいため注文も増えてきた。
・訪れる人が増えて、杉原会長の周りは常に多くの人が集まるようになった。
モーツァルトの楽曲は、在宅での仕事においても、作業効率を上げてくれる可能性が期待できそうです。
仕事中におすすめのモーツァルトの楽曲は?
では、具体的に、在宅での仕事を想定した場合、どのモーツァルトの楽曲がおすすめか、担当者に挙げていただきました。
●「セレナード第13番 ト長調 K.525 第三楽章」
●「セレナード第13番 ト長調 K.525 第四楽章」
●「弦楽四重奏曲第17番 変ロ長調 K.458 第二楽章」
●「ホルン五重奏曲 変ホ長調 K.407 第二楽章」
●「教会ソナタ 第10番 K.244」
●「ピアノ・ソナタ 第17番 第三楽章 K.570」
これらはすべて、モーツァルトの楽曲の中でも有名なものなので、CDやダウンロード音源などで手軽に手に入ります。いまいち集中力が保てないと悩んでいる人はもちろん、作業効率を上げたいと考えている人は、ぜひ取り入れてみましょう。
問い合わせ先
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石原亜香利
- EDIT :
- 安念美和子、原田恵子(イクシアネクスト)