【第4問】「附下(つけさげ)」とは、「色留袖(いろとめそで)」の別名である。
「NO」と答えたあなた、正解です。
「附下(つけさげ)」とは、出来上がった着物の見た目の特徴で言うと、「訪問着よりも柄つけが控えめな絵羽柄の着物」で、「訪問着」に次ぐ格で、「訪問着」と同じ「準礼装」です。
「附下(つけさげ)」は正確に言うと「反物のまま染める、簡略化した絵羽柄の着物」を指します。
「訪問着(ほうもんぎ)」は複雑な柄を染められるよう、反物を裁断して、いったん着物の形に仮縫いしてから柄つけをします。工程数が多くコストがかかることから、「低コストで訪問着の雰囲気を持った着物を」という意図で登場したのが「附下(つけさげ)」です。
反物のまま染めるので、縫い目の上にかかる柄を染めるのに技術を要するため、「附下」が登場した頃は、似たような位置にピンポイントで柄が入ったものが多く、「色留袖」より少し柄が多い、くらいの華やかさの「附下」が多かったのですが、
昨今は技術の進歩により「附下」でも縫い目の上にかかる模様がさまざまに染められている着物が増えており、一見して「訪問着」と見分けがつかないものが増えています。
ですので、仕立ての工程を知らぬ状態で、仕立てあがった着用中の「附下」と「訪問着」を見分けるのは、昨今は着物のプロでも難しい、と言われています。
着物の色柄については、華やかで明るいイメージだと主にお若い方向け、落ち着いて奥行きを感じられるイメージだとある程度年齢を重ねた方向け、というように「その色柄が向く着用年齢」もある程度限定されるものですので、大人の女性用の「訪問着」と「附下」は、特に見分けが難しく、また、どちらも「準礼装」ですので、見分けにこだわりすぎる必要はないでしょう。
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- Precious.jp編集部
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- 参考資料:『きものの種類とTPO』株式会社さが美/『きものと』株式会社京都きもの市場/『キモノ日和は旅気分』たまがわきもの教室