トップキャリアと呼ばれる女性リーダーたちから絶大に支持されているスタイリスト・犬走比佐乃さんの新連載がスタート! お仕事シーンで必須のアイテムの選び方や、パターン化しがちなコーディネートに変化をつけるテクニックを、改めて教えていただきます。
【スタイリスト・犬走 比佐乃さんが伝授!】「似合う」と「着心地が良い」を兼ね備えたジャケット選びの重要性とは?
第1回目のテーマは「着心地が良くて、第一印象を良くするジャケット選び」。働く女性の相棒アイテムともいえるジャケットを、気張らず日常に取り入れるには…? 犬走さんの私物コーデもご紹介いただきながら、スタイリングのテクニックをお聞きしました。
「背筋がピンと伸びるのが好き。ジャケットは、おばあちゃんになるまで着続けたい」
「仕事服はおばあちゃんになるまでジャケットスタイルを貫こうと思っています。ジャケットの、羽織ると背筋がピンと伸びるところが好きです。キャリア女性のおしゃれには、ほどよい緊張感が必要なのではないでしょうか」と話す、犬走さん。
確かに犬走さんと言えば、手がけるコーディネートはもちろんのこと、ご自身の私服も、パールネックレスやスカーフなどで遊んださりげなく余裕が感じられるジャケットスタイルが印象的です。
そんな犬走さんに、まず、キャリア女性が自分に似合うジャケットを見つけるコツを伺いました。
■1:ラペルに注目して、自分に似合うジャケットを見極める
「ジャケット選びのポイントは、形状や幅の広さの違いで顔まわりの印象を大きく左右させるラペル(下襟)です。剣先が上に向かってやや尖っていると主張がある個性的な雰囲気になりますし、剣先が水平に近かったり下がっていると柔らかな印象になります。襟周りの雰囲気が自分の顔と合っているか、とにかく実際に袖を通して鏡でチェックすることが大切です」
■2:上質であることと、着心地のチェックはマスト
デザインに加えて、ジャケットを選ぶときに大切にしているのは、上質であることと着心地だという犬走さん。ご自身のクローゼットに並ぶのは、CHANEL(シャネル)やJILL SANDER(ジル・サンダー)、AKRIS(アクリス)など、上質な素材で丁寧に作られたオーセンティックな名品の数々。なかでもナポリの名門ブランドKITON(キートン)のジャケットは、出番の多いアイテムのひとつだそう。
■3:断捨離して「今どきのシルエットやデザインにアップデート」する勇気も大切
トップキャリアの必須アイテムだと言えるジャケットですが、いまいち着こなせていない女性が多いのも事実。そんな人たちにアドバイスするとしたら…「捨てる勇気をもって!」と、ひとこと。
「まず、ジャケットは持っているのにタンスの肥やしになっているという場合は、もしかしたらデザインが古いのかもしれません。スカートよりもパンツに合わせる女性が増えたのもあり、昔は55cmが多かった丈の長さは今は60cmと長めが主流です。さらに、肩が強調されているシルエットではなく、形を整える程度に芯地や肩パットの入ったデザインの方が今っぽくなります。時代を感じさせるものは思い切って断捨離して、今時のものにアップーデートするのも大切だと思います」
また、コーディネートの相談を受けることも多い犬走さんは、「シャツ+ジャケットだとリクルートっぽくなってしまい、キャリア世代にはミスマッチな印象になってしまいます」とも。例えば、シルクに代表されるとろみと上品なツヤのあるインナーを選ぶなど、大人女性らしいセンスを身につけることも大事だといいます。
後編では、犬走さんの私物を交えたリアルなコーディネートテクニックをご紹介します。そちらもお楽しみに!
問い合わせ先
- PHOTO :
- 田中麻以
- STYLIST :
- 犬走比佐乃
- WRITING :
- 高橋京子
- EDIT :
- 石原あや乃