新しい生活様式となったこの冬は、メイクもこれまでと同じというわけにはいきません。一歩外に出れば、マスクをした顔がその人の顔。若々しさも魅力的という印象も、目力しだいというわけです。

そして私たち世代は、目尻や眉尻は下がり、まぶたはゆるみが進行中。つまり、半年前と同じアイメイクは通用しないと心得て。

目尻の場所、眉尻の位置と高さ、アイカラーのつけ方、色選びのすべてにシーズンごとのアップデートが必要なのです。

この冬は「ブラウン」「グレージュ」のアイカラーセット、その2品だけあればいい。マスクをしているとよりキレイ…。マスク時代を逆手にとった、目力一点主義のメイクを実践してください。

きらめくブラウンと、艶めくグレージュ。マスク時代を制する、目力美人の作り方

まぶたがゆるみ、目尻が下がった大人世代のためのメイクマニュアル。お出かけも、リモート会議も。
まぶたがゆるみ、目尻が下がった大人世代のためのメイクマニュアル。お出かけも、リモート会議も。

肌色はイエローベースとピンクベースに分かれますが、ファッションに用いられる色は、肌色とは違い全方位。黄みと、青みとに分けられます。

黄みの代表格は「ブラウン」。そして青みの代表格はフランス語のトープ。日本ではグレーとベージュが混ざった「グレージュ」として知られるおなじみの色です。

どちらも定番の色になりますが、もちろん流行は存在します。サテンやマットといった質感や、パールやラメの大きさと量などが季節ごとに移ろいます。

上品な輝きと艶やかさを備えた名品アイカラーセットは、マスク美人の必需品です。

10年前とは塗り方が違います! 大人が迷う「アイカラー」の扱い方

年齢を重ねると、肌がたるんで顔立ちが変わってきます。眉頭や目頭はそのままですが、固定されていない眉尻と目尻は下がってきます。

また目が開きづらくなるためまぶたの面積が広がり、脂肪が減って凸凹が目立ってきたり。メイクした顔を見て感じるなんとなくの違和感は、顔立ちは変化しているのにメイクは同じなので、バランスが崩れていることが原因のひとつなのです。

まずは今の顔立ちでの正しい描き位置と塗り位置をアップデートしていきましょう。

昔覚えた手順で今も正確? 「塗る順番に迷う」

■Step1:目の形がはっきり! アイラインを最初に仕込む

アイラインを最初に仕込むことで、アイカラーのむだ塗り防止にもなる。

まつげの本数が少なくなった大人世代は、アイラインは2度入れるのが基本です。アイメイクの最初に行う「仕込みライン」は、目頭から内目尻までのまつげの隙間を埋めるように描きます。

ここで大切なのはアイライナー選びです。色は黒。それも限りなく濃密な黒で落ちにくいタイプのものを使いましょう。またアイカラーで隠れてしまっても気にしないで。想定内です。

■Step2:厄介な「まぶたくすみ」は先にとる

指塗りでアイカラーの粉を落ち着かせて。

大人のメイクはすべて「仕込みメイク」→「おしゃれメイク」、それが基本セオリーです。まぶたの仕込みは、くすみを消すこと。

ベースカラーやライトカラーといわれる色を指の腹にとり、まぶたの中央へ。アイホール全体に、優しく外側へ、内側へと軽く押さえるようにしながらスライドし、指の温かさで、肌にお粉をなじませていきます。

まぶたがゆるんで広がって…。「塗るべき範囲に迷う」

下がり続ける目尻と、眉尻のあるべき位置を知ることが重要!

目尻と眉尻のあるべき位置

眉尻の長さは、口角→外目尻の延長線上と、鼻の脇→外目尻の延長線上の範囲内にあれば適切といえます。

範囲内で位置決めに迷う場合は、より長めになる鼻の脇からの線上にするのが正解。ゆるんだ輪郭とのバランスがとれるので、頬のたるみを感じにくくなります。

アイカラーを塗ってみると…

アイカラーを塗る範囲

まずはアイホール全体に、明るい色を塗り、まぶたのくすみ感を消します。最も迷うのは、ミディアムカラーを塗る範囲です。

目を開いたときに、二重まぶたの人は目の縁から眉までの距離の1/3から1/2まで、一重の人は1/3までというのが目安。ダークカラーは最後に目の際にライン状に入れていきます。

色で分けるのが正解? 「使い方に迷う」アイカラーの小道具が2本ある理由

アイシャドウ_1
パルファン・クリスチャン・ディオール サンク クルール クチュール 649 ¥7,600

名品と呼ばれるアイカラーセットに入った小道具は、極めて優秀。上手に使いこなさないともったいないというものです。

『サンク クルールクチュール』の場合、太細のチップと、毛量がたっぷりの両端ブラシが付いています。特にこの斜めカットのブラシが素晴らしい。

塗る幅をきめるのが難しいミディアムカラーを、迷うことなく入れることができます。ブラシを縦に使えば二重の幅に、横に寝かせれば一重の人にも。

名品小道具を上手に使いこなして、目指す目力を確実に手に入れてください。

「ふんわり色がのる」ブラシの使い方

毛量がたっぷりの両端ブラシ
毛量がたっぷりの両端ブラシ
1. 太ブラシ「アイホール全体にライトカラーをつける」
ライトカラー(右上)を含ませて、含み具合を手の甲で確認してからまぶたへ。目の際に近い部分においてから外側に広げていく。
ライトカラー(右上)を含ませて、含み具合を手の甲で確認してからまぶたへ。目の際に近い部分においてから外側に広げていく。
2. 角ブラシ「ミディアムカラーの幅が、もれなくきまる完璧シェイプ」
アクセントカラー(左下)をとり、目の縁に沿ってつける。このブラシは形が計算し尽くされているので、ただつけるだけで完璧に。
アクセントカラー(左下)をとり、目の縁に沿ってつける。このブラシは形が計算し尽くされているので、ただつけるだけで完璧に。

「しっかり色がのる」チップの使い方

太細のチップ
太細のチップ
1. 太チップ「下まぶたのくすみとりは、太チップを肌に沿わせて」
太チップの先から中ほどにミディアムカラー(左上)をとり、下まぶたの際に先端が当たるようにおく。中央から目尻へ、中央から目頭へと色をのせる。
太チップの先から中ほどにミディアムカラー(左上)をとり、下まぶたの際に先端が当たるようにおく。中央から目尻へ、中央から目頭へと色をのせる。
2. 細チップ「目の際のライン入れは、細チップを寝かせて」
ダークカラー(右下)をアイラインのように入れるときに使う。チップを斜めにしてパウダーをとり、先端が目の際に当たるイメージで、中央から目尻、中央から目頭まで、5mmくらいずつ刻みながら、ムラにならないようにつけていく。
ダークカラー(右下)をアイラインのように入れるときに使う。チップを斜めにしてパウダーをとり、先端が目の際に当たるイメージで、中央から目尻、中央から目頭まで、5mmくらいずつ刻みながら、ムラにならないようにつけていく。

これだけは変わらない! 基本の塗り方をおさらい

顔そのものと流行の変化に合わせて、アイメイクはシーズン前にアップデートが必要だといいました。とはいえ、これから先も変わらないことがあります。

上まぶたはアイホールにライトカラーをのばしたあとは、アイライナーを除き、濃い色から順に塗ること。また下まぶたも上まぶたと同様に、必ずミディアムカラーを加えることです。

■Step1:ダークカラーを際に塗る

アイカラーセットのなかで最もダークな色は、目の際に太めのアイラインの感覚で塗ります。目力を上げるためには、決して省いてはいけない重要なステップです。
アイカラーセットのなかで最もダークな色は、目の際に太めのアイラインの感覚で塗ります。目力を上げるためには、決して省いてはいけない重要なステップです。

■Step2:二重ラインの上まで、ミディアムカラーを重ね塗る

二重の人は、目の際から二重の線までの2倍強が塗る目安です。2倍ぴったりでは目を開いたときに隠れてしまう。二重の幅にもよりますが、メイク効果はゼロに等しくなります。
二重の人は、目の際から二重の線までの2倍強が塗る目安です。2倍ぴったりでは目を開いたときに隠れてしまう。二重の幅にもよりますが、メイク効果はゼロに等しくなります。

■Step3:下まぶたの際に、ライン状に塗る

アイメイクは目本体を印象的に見せる額縁です。上まぶたにつけたら、下まぶたにもつけないとアンバランスに。薄くていいので、下まぶたメイクはマストと心得て。
アイメイクは目本体を印象的に見せる額縁です。上まぶたにつけたら、下まぶたにもつけないとアンバランスに。薄くていいので、下まぶたメイクはマストと心得て。

いかがでしたでしょうか? 次回は、Diorのサンク クルール クチュールを使った「ヘルシーブラウン」アイメイクをご紹介します。お楽しみに!

※掲載した商品は税抜です。

問い合わせ先

パルファン・クリスチャン・ディオール

TEL:03-3239-0618

PHOTO :
鈴木 宏(人物)、池田 敦(パイルドライバー/静物)
HAIR MAKE :
尾花ケイコ
MODEL :
真樹麗子(Precious専属)
EDIT&WRITING :
柳田美由紀、五十嵐享子(Precious)