つねに成長と成功を信じ、高い目標を掲げて頑張ってきた私たちに、今、価値観の大転換が求められています。
未来が見通せない今、それでもしなやかに、そして美しく生きるために必要なものとはいったいどんなことでしょうか。雑誌『Precious』3月号では特集「今こそ、「曖昧力」を身につけませんか?」を展開中。「曖昧ななかで生き抜く力」=「ネガティブ・ケイパビリティ」に注目し、新時代を歩くための心構えを解説しています。
理想と現実のギャップに戸惑っていませんか?
さまざまな挫折や紆余曲折を経て、懸命に努力を重ねていけば、未来は明るい…そんな漠としたイメージが崩れつつあるのが今。理想と現実の相違に嘆くのではなく、「急がず、焦らず、飛びつかない力」を新たに鍛え、冷静にこの時代を歩く術を身につけていきたい。
5つのもやもやCASE
■1:商社勤務・43歳
「長年の夢だった海外勤務が半年後に迫っていたのに、パンデミック直撃により、すべてが反故に。そのままの部署で勤務していますが仕事に楽しさややりがいを見いだせずにいます…」
■2:コンサルティング会社経営・48歳
「独立後、順調に業績を伸ばしていたのが、コロナ禍の影響を受けて軒並みダウン。この間にさらなる資格取得を意気込むもののどうしてもやる気が湧いてこない…」
■3:外資系メーカー勤務・46歳
「リモートワークとなって以来、生活に張り合いがなく、ファッションもメイクもおざなりに。出社日も何を着ればいいのかわからず、今やおしゃれ迷子。自分が退化しているように感じる…」
■4:キュレーター・41歳
「大勢で語らいながら視野を広げていきたい私にとって、夫とつねにふたりだけ、という環境がだんだんとストレスに。ささいなことで言い合うようになり、離婚を考えるようになりました…」
■5:弁護士・45歳
「近場に住む夫の両親とすら顔を合わせていないのに、遠方に住む両親より「寂しいから会いたい」と連絡が。気持ちはわかるが、正論で説き伏せればいいのか、別のねぎらう方法があるのか、切なくなってしまう…」
「ネガティブ・ケイパビリティ」という思考をご存じですか?
精神科医である著者がネガティブ・ケイパビリティ(早急な結論、過激な意見に飛びつかず、不確実さ、不思議さのなかにいられる能力)に注目し、解説。コロナ禍に必要な考え方として、話題を呼んでいる。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 『Precious3月号』小学館、2021年
- ILLUSTRATION :
- 佐伯ゆう子
- EDIT&WRITING :
- 本庄真穂、池永裕子(Precious)