つねに成長と成功を信じ、高い目標を掲げて頑張ってきた私たちに、今、価値観の大転換が求められています。未来が見通せない今、それでもしなやかに、そして美しく生きるために必要なものとはいったいどんなことでしょうか。雑誌『Precious』3月号では特集「今こそ、「曖昧力」を身につけませんか?」を展開中。「曖昧ななかで生き抜く力」=「ネガティブ・ケイパビリティ」に注目し、新時代を歩くための心構えを解説しています。

世界が一変した今、ニューノーマルを前に、戸惑い、悩み、途方に暮れているのが正直なところではないでしょうか。そこで、さまざまな立場から寄せられたそれぞれのもやもやに対し、本特集で登場する識者4人に、各々の視点から答えてもらいました。本記事では精神科医・星野概念さんとコラムニスト、ラジオパーソナリティ・ジェーン・スーさんがお答えします。

星野 概念さん
精神科医
(ほしの がいねん)総合病院に勤務する精神科医。ミュージシャンでもあり、執筆も行う。精神医学や心理学を身近に感じてもらう活動を行っている。著書に、いとうせいこう氏との共著『ラブという薬』『自由というサプリ』(リトルモア)。
ジェーン・スーさん
コラムニスト、ラジオパーソナリティ
1973年東京都生まれ。最新刊『女のお悩み動物園』(小学館)が発売中。TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』(月〜木曜、11〜13時)ほか、ポッドキャスト『OVER THE SUN』(金曜17時配信)も好評配信中。

Q:義両親とうまく行かず、円満離婚して2年。2020年は人と会えず、寂しい気持ちを抱えるように。

笑い合える女友達はいます。貯金もほどほどにあります。再婚するつもりはなく、人生を謳歌しているつもりですが、でも寂しい。この状況で男性とどういう関係性を結べばいいのかも、もやもやしています。(外資系金融コンサルタント・45歳)

A:今は答えを出さなくても、そのうち見えてくるものがあると思います(星野さん)

「辛いときに愚痴ったり八つ当たりしたり…すっきりした反面、そういう距離の近い人がいなくなり、寂しさを感じているのだと思います。ピンと来る人がいたらおつきあいすればいいし、結婚が腑に落ちなければしなくたっていい。

今こそ『曖昧さに耐える力=ネガティブ・ケイパビリティ』を意識してみては早急に答えを出さないことで、見えてくるものが必ずある。そう思うのです」

A:「前例なき道」を歩く勇気を抱いて自由な恋愛を楽しんでみてください (ジェーンさん)

「45歳・独身・貯蓄ありという例が世に少ないから、正解がわからずもやもやしているのかもしれませんね。もう前例にとらわれるのはやめにしましょう

これからはすごい年上とか年下とか、今まで恋愛対象としては無意識に外してしまった人々とも、関係を深められるのではないでしょうか。今までの人生でいちばん自由に幅広く交流できる。そんな日々を満喫してみてください」

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この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
BY :
『Precious3月号』小学館、2021年
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ILLUSTRATION :
佐伯ゆう子
EDIT&WRITING :
本庄真穂、池永裕子(Precious)
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