新時代を担うリーダーたちのリアルスタイル
私たちが憧れ、共感する女性のスタイルが変わってきている…。雑誌『Precious』4月号で展開していた「新しい時代は12の『スタメン名品』ワードローブで軽やかに!」特集で伝えていた"新しいリーダー像"には、世界で活躍するたくさんの女性の姿がお手本にありました。
政治家、実業家、アーティスト。時代の半歩先ゆく彼女たちは、自分らしい着こなしを楽しむ幸福感と、それらを効果的に披露する知性。その両方を示してくれているのです。
カマラ・ハリス
その代表例といえるのが、アメリカ副大統領に就任したカマラ・ハリスでしょう。彼女のワードローブはまさに、「ジャケット、ドレス、ときどきスニーカー」そのもの。今まで女性リーダーのジャケットといえば、赤など原色の"存在を際立たせるもの"もしくはダークグレーなど"周囲に溶け込むもの"の2タイプに分けられていたように思います。
一方ハリスは、ネイビーやオフホワイトのジャケットをさらりと着こなす、そんな姿が印象的です。なにより記憶に新しいのは、世界中が注目した就任式のジャケットコート。彼女が選んだその色は、紫でした。女性参政権運動のシンボルカラーであり、民主党の青と共和党の赤を融合した調和の色。自分らしい装いに仕上げ、同時に結束、連帯というメッセージも込める。その知性に、女性リーダーのニュージャケットスタイルを予見させるのです。
さらに注目すべきは足元です。彼女が愛して止まないのは、アメリカンカジュアルの象徴ともいえる"コンバース"のスニーカー。ここでも「国民と一緒に汗をかき、共に歩く」というメッセージを感じ取ることができるのです。
自分の運命と人生をナチュラルに愛する知性
そして逆ベクトルであるドレスを纏うとき、さらなる知性が顔をのぞかせます。あるときハリスが選んだのは、デコルテとウエストにシースルー素材を配したボディコンシャスのロングドレスでした。セクシーなアイテムを情感たっぷりに着こなす様は、エレガントそのもの。多様性のなかで育った彼女が、女性である自分をナチュラルにリスペクトする。その佇まいに、人類へのエンパワメントを感じる、というのは大げさでしょうか。
アン・ウォジスキ
ほかにも予防医療に挑むアン・ウォジスキのドレス選びにも注目。ニット素材のそれは、新時代の軽やかさが。
アレクサンドリア・オカシオ=コルテス
若き政治家、A・O=コルテスのノーカラージャケットは、自然体で勝負するチャーミングな新リーダーの象徴ともいえるでしょう。
オードレ・アズレ
ユネスコ事務局長、オードレ・アズレの白ブラウスのセットアップ…ソフトな印象で、周囲を明るく照らす魅力に溢れています。そんな気負いのないスタイルが、今のリーダーたちの主流なのです。
エレガンスの新解釈が未来を切り開く大きな鍵に
この記事で紹介している女性が共通して身につけているものがあります。それが"新時代のエレガンス"。エレガンスとは、もはや麗しい佇まいだけを表すものではありません。「相手と同じ場に立ち、目線を合わせ、心を交わす」。そんな価値観がエレガンスのニュースタンダードになるという予感があります。
大上段に構えるのではなく、家族を愛し、オフタイムを満喫し、SNSに身近な話題をアップしたり、問題提起したりも。そんな風に創造的に生きることのひとつに、人生をかけて取り組みたい仕事がある…。そんな心意気をファッションに落とし込み、行動に移すリーダーが、これからの時代に新風を吹かせるのではないでしょうか。
世界で活躍! 注目の女性リーダー
ザイナブ・サルビ
ステファニー・フェア
ジャシンダ・アーダーン
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 『Precious4月号』小学館、2021年
- PHOTO :
- Getty Images
- EDIT&WRITING :
- 本庄真穂、喜多容子・古里典子(Precious)