高級茶と料理のマリアージュにうっとり。茶懐石×鉄板焼のアフタヌーンティー「一期一会」

すっかり巣ごもり生活が板についてきた今日この頃。そろそろ、自分へのご褒美に非日常的な時間を過ごしたいという人も少なくないのでは。そんなときは、洗練された空間で心ときめく料理に出合えるラグジュアリーホテルへ足を運んでみてはいかがでしょうか。

ザ・リッツ・カールトン東京の45階に位置する、日本料理「ひのきざか 鉄板焼」。2021年4月10日(土)から9日間限定にて行われる「一期一会」では、茶懐石の精神と鉄板焼の手法を融合させた新感覚のアフタヌーンティーを体験できます。ひと足早くそのおいしさを味わった筆者が、その魅力をご紹介します。

雑味のない高級茶の香りや味わいが料理のおいしさを引き立てる

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目の前でシェフ自らお茶を淹れてくれる

「鉄板焼でアフタヌーンティーをやりたい」という、ザ・リッツ・カールトン東京の総料理長、サンドロ・ガンバ氏のユニークなアイデアから生まれたという今回の企画。鉄板焼はディナーのイメージが強いですが、ワイングラスに注がれたお茶と小ぶりなサイズで提供される料理を愉しむスタイルは、正にアフタヌーンティーのよう。

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今回のコースに使われているロイヤルブルーティー

「一期一会」で提供されるお茶はすべてシングルオリジンで、南部鉄器で沸かしたお湯で淹れるというこだわりぶり。グラスでいただくお茶も、ワインボトルに入った高級茶「ロイヤルブルーティー」を使用しています。

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「苺豆腐」と「宇治煎茶」

セイボリーは、さっぱりとした甘さが心地よい「苺豆腐」からスタート。栃木産の新種のいちご「とちあいか」を使用しています。一緒にいただくのは、京都府産の「宇治煎茶」。58〜59度で淹れられた煎茶は絶妙な温度感で、口の中にお茶の濃い旨みがダイレクトに広がりました。

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左上「真鯛昆布〆 二色の飛子」、右上「菜花浸し 鯛の子」、左下「桜海老の自然薯饅頭」、右下「蛍烏賊 あけがらし味噌」

続いては、旬の食材をふんだんに使用した小鉢。山形産の自然薯と静岡産の桜海老を練ってサッと揚げた「桜海老の自然薯饅頭」に、富山県産ホタルイカを使用した「蛍烏賊 あけがらし味噌」。そして、京都・舞鶴港直送の「真鯛昆布〆 二色の飛子」と「菜花浸し 鯛の子」の計4品です。

桜海老のサクサク感や蛍烏賊のコリッとした噛みごたえ、飛子のプチプチとした歯ざわり、ひと口ごとに食感が楽しい一品ばかりです。

ワイングラスに入っているお茶が福建省産の「Jewel of Flowers HANA」
ワイングラスに入っているお茶が中国・福建省産の「Jewel of Flowers HANA」

お茶は、希少な手摘みの茶葉を使用した福建省産のジャスミンティー「Jewel of Flowers HANA」。ジャスミンの生花の香りを丁寧に何度も吸い込ませてつくられたというだけあり、華やかな香りが鼻にふわっと抜けます。ほんのり感じる渋みと清涼感で、揚げ物や海鮮の後味をスッキリと流してくれました。

鱒に柴漬け。日本の食文化の素晴らしさに改めて気づかされる一品

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鉄板焼きは音もスパイス。目の前で焼いていただけるとより一層おいしく感じられます

続いては、「くぬぎ鱒麹漬け 蕎麦粉のプチパンケーキ キャビアと生柴漬けを添えて」。世界で初めて、薬品を一切使わずに育てられた非常に珍しい鱒を使った一品です。

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「くぬぎ鱒麹漬け 蕎麦粉のプチパンケーキ キャビアと生柴漬けを添えて」

ありそうでない、鱒と柴漬けの意外な組み合わせ。柴漬けは、発祥の地といわれている京都の大原から取り寄せたものを小豆島産のオリーブオイルであえているそう。

柴漬けの爽やかな塩気とシャキシャキとした食感がアクセントになり、想像以上に鱒と相性抜群です。最後のひと口は、キャビアと一緒に蕎麦粉のプチパンケーキにのせて。

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ワイングラスに入ったお茶が宮崎県産の「釜炒り緑茶 IRIKA 炒香」

合わせていただくのは、宮崎県産の釜炒り緑茶「IRIKA 炒香」。鉄釜で新芽を直火で炒ったお茶は、爽やかな味わい。渋みがありながらも上品でまろやかな味わいで、お魚料理ともよく合うお茶でした。

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「苺を入れた農園直送サラダ 梅肉ドレッシング」

お次は、「苺を入れた農園直送サラダ 梅肉ドレッシング」。こちらも、苺と梅の酸味が驚くほど好相性。後を引くさっぱりとしたおいしさで、こんもり盛られたサラダがあっという間になくなってしまいました。

手づかみで豪快に。A5ランクの和牛を使用した贅沢なハンバーガー

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綺麗なサシが入った牛肉です

メインは、山形県産「霜降り和牛」のフィレ肉を使った「和牛パテの照り焼きハンバーグ」と「和牛フィレステーキ」。そして、ロース肉を使った「和牛の焼肉サンド」の3品。A5ランクの和牛を少しずつ、バラエティ豊かなおいしさで楽しめる贅沢なワンプレートとなっています。

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左手前「和牛の焼肉サンド」、右手前「和牛フィレステーキ」、中「和牛パテの照り焼きハンバーグ」、奥左「玉露 焙じ茶 KAHO 香焙」、奥右には次に提供される「抹茶黒豆玄米茶」の茶葉がスタンバイ

お茶のセレクトは、福岡県産の焙じ茶「KAHO 香焙」。玉露一番茶から茎(かりがね)の部分だけ丁寧に選び取り焙じたお茶は、渋みと甘さのバランスが絶妙です。ほうじ茶には赤ワイン同様、タンニンが含まれており、お肉のしつこさをさっぱりと流してくれるのだそう。

筆者が特に印象に残った一品は、「和牛の焼肉サンド」。甘みのある白味噌のソースがパンとお肉のまとまりを良くしてくれて、品のある味わい。ひと口サイズなのが残念に思うほど、美味でした。

お楽しみはここから。玉手箱から始まるスイーツタイム

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この中にひんやりした白いお汁粉が入っています

肉料理を堪能した後は、お待ちかねのスイーツタイム。ドライアイスの煙がもくもくと立ち込める器から登場したのは、「白いお汁粉」。

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手前「茶葉のお浸し」、右上「白いお汁粉 苺 白玉 小豆」

フルーツと白玉は別添えになっているので、お好みの食べ方で楽しめます。白あんのほどよい甘さに小豆の粒がしっかりとしていて、粒あん好きの人も大満足のお汁粉でした。

また、付け合わせの「茶葉のおひたし」は、最初にいただいた「宇治煎茶」の茶葉でつくられたもの。乾燥茶葉とは思えないほど瑞々しく、苦みと塩気が心地よいお味です。

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左前:「スフレパンケーキ 焙じ茶の蜜」、右前:桜ようかん、中:「わらび餅 黒蜜」、左上:「チョコで包んだ苺シャーベット」、右上:「嶺岡豆腐 苺添え」

続いては、5品のプチフール。目の前の鉄板で焼いてくれる「スフレパンケーキ 焙じ茶の蜜」に「嶺岡豆腐 苺添え」、「わらび餅 黒蜜」、「桜ようかん」、「チョコで包んだ苺シャーベット」と、塩気や爽やかな後味を感じながら飽きずに楽しめるバランスのラインナップです。

まずは、温かいうちに食べたいスフレパンケーキを。ふわっとした口溶けで優しい甘みの余韻が残ります。筆者のお気に入りは「嶺岡豆腐 苺添え」。千葉県発祥の、牛乳を固めて作られた豆腐なのだとか。ごま豆腐のようにもっちりとした食感がクセになってしまいました。

一緒にいただくお茶は、鹿児島県・宮崎県産の「抹茶黒豆玄米茶」。黒豆と玄米の香ばしさが甘味のおいしさをより一層引き立ててくれます。

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左から「きらぴ香」(静岡)、「淡雪」(茨城)、「とちあいか」(栃木)、「古都華」(奈良)

最後は「季節のフルーツ」と、京都の「水出し宇治煎茶」でさっぱりと。旬のフルーツは、予約する時期によって異なるそうですが、今回はいちごでした。4種のいちごを食べ比べしてみると、筆者は深みのある濃厚な味わいの「古都華」が一番好みでした。

コース全体を通して、フルーツやお野菜もふんだんに使われているのも「一期一会」の魅力。ボリュームはしっかりあるように感じたので、お腹を空かせて臨むのがよさそうです。五感を刺激する鉄板焼スタイルのアフタヌーンティーは一品ごとに小さなときめきがあり、とても充実した時間に感じられました。


「一期一会」の開催は、2021年4月10日(土)から4月18日(日)まで。予約が殺到することが予想されるので、気になる方は早めにお問い合わせを。今回足を運ぶのが難しいという人は、秋に第二弾の開催予定があるそうなので、今後の情報をチェックしてみてくださいね。

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この記事の執筆者
アパレルブランドからWebメディアの編集部に在籍後、フリーランスに。女性向けメディアや企業のオウンドメディアを中心に、人物取材や美容、グルメ記事を担当。好きなもの:レモンの入ったハイボール、韓国料理、和菓子、お茶、オレンジリップ、おいしい小説&ドラマ
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EDIT :
小林麻美