雑誌『Precious』5月号から新連載「My Action for SDGs 続ける未来のために、私たちがしていること」が始まりました。
本記事では「Office musubi」代表取締役の鈴木裕子さんの活動をご紹介します。
「余ってるから寄付」に甘んじない!お返しで持続を目指す食の実験場
大阪・北区。阪急電鉄の高架下に’18年にオープンした日本初のフードインキュベーター(食の実験場)「OSAKA FOOD LAB」が、コロナ禍の今、盛り上がっている。昨秋、流通できずに廃棄の運命にあったりんごを軒先で販売した「りんごマルシェ」を機に、今年3月から定期的にマルシェを開催。
運営する鈴木さんは「未決定なことが多いまま、走りながらやっている」と笑うが、「とにかく今はスピードが必要。余っているものがあれば、ここで売る。シンプルですよね。
私はずっと食を通して人と人をつなぐ仕事をやってきたので、『米が余っているから役立ててほしい』と、農家さんから寄付の申し出をいただくことも多いんですが、その善意は、どんなに美しくても、永久にできることではないと思っていて。お返しするにはどうしたらいいかを、いつも考えています」
飲食店より食事を買い取り、医療従事者においしい食事を無料で提供する「困ったときほど美味しいものを!」プロジェクトもコーディネート。子供食堂もスタートさせる。
「ここはもともと、食に関わる人が集まって、いろんなことにチャレンジできたらいいねと立ち上げたマッチングのための場所。アウトプットの仕方は自由でいいんです。知恵がもち寄られ、“知る”ことで、力が発揮できる。いろんなものや人を結んで、活躍の舞台をつくることが私の使命」
【SDGsの現場から】
廃棄食材が器に⁈ 自由な形に造形できる 3Dプリンター
医療従事者に 無料で食事を 届ける
フードロス問題にも取り組む。最近は、形がよくない野菜や雑魚を使って練りもの料理がつくれる3Dプリンターをスペインから導入。徹底的に、より早く、必要なものを、最適な場所へ。人とものが、ぐるぐると循環していきます。
●SDGs(持続可能な開発目標)とは
‘30年までに持続可能なよりよい世界を目指す国際目標のこと。17のゴール・169のターゲットから構成。
- PHOTO :
- 香西ジュン
- WRITING :
- 木佐貫久代
- EDIT&WRITING :
- 大庭典子、喜多容子(Precious)