雑誌『Precious』6月号では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私たちがしていること」という特集で持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動をご紹介しています。

その特集のなかから本記事では「The Naked Shop」設立者のマリア・メラさんの活動をご紹介します。

マリア・メラさん
「The Naked Shop」設立者
中南米ドミニカ共和国出身。弁護士として活動し、’12年パリ政治学院に留学、結婚してそのままフランスに住むことに。’15年から本格的にエコロジーなライフスタイルへシフト、ゴミを出さない暮らしを実践中。

量り売りで包装ゴミを減らす!パリ初の「サヴォン・バー」ショップ

’18年、あるビアバーにいたときに、その「啓示」はあった。

「これなら液体のサヴォン(石鹸)・バーができる!」そして6か月後、マリアさんは、パリでは初となる、シャンプーやハンドソープなど液体のコスメ用品を量り売りする店をオープンさせました。

「私がエコロジーに関心をもったのは、『ゼロ・ウェイスト・ホーム』で知られるアメリカのベア・ジョンソンのビデオを見たのがきっかけでした。

夫と共にゴミを減らすことにトライするなかで、食品を包装なしで量り売りする店はわりと簡単に見つけられましたが、洗剤やコスメ用品を扱っているところはなくて。それで、自分で始めたというわけです」

自分の欲しいものを必要な量だけ、持参した容器に入れて買うシステム。耐久性があり、再利用できる家庭雑貨も取り扱っており、ヘッドが交換できる歯ブラシや爪用ブラシ、ストローなども並ぶ。近郊なら自転車での配達にも対応。’19年にはオンラインショップを立ち上げ、昨年末には2店舗目がオープンと、注目が集まりました。

【SDGsの現場から】

配達は自転車で!二酸化炭素の排出も極力ゼロに

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商品の配達は、カーボンゼロの自転車を使用する配達会社に依頼し、エコ活動を推進中。

サーバーがずらりと並ぶ様子はビアバーのよう!?

オーガニックの家庭用洗剤、衣類洗剤、シャンプーやリンスなどが量り売りで購入できる。

実はここ数年、フランスでは、量り売りの文化が急速に広まってます。

市場も拡大し、現在では、スーパーマーケットチェーンや大手化粧品会社も量り売りに興味をもち始めていて、市民のなかから始まった意識改革が、企業を、社会を、変えようとしているさなかです。

ゴミを出さないという新しい生活様式は、創造性や、革新性をもたらすアクションです。ベア・ジョンソンのビデオを見たあのときから、ゴミを減らすことは、私のライフワークになりました。これが、今の地球に生きる自分に課せられた使命だと思って、これからも活動を広げていきたい」とマリアさんは語ります。

SDGs(持続可能な開発目標)とは
’30年までに持続可能なよりよい世界を目指す国際目標のこと。17のゴール・169のターゲットから構成。

PHOTO :
Shiro Muramatsu
WRITING :
剣持亜弥(HATSU)
EDIT&WRITING :
大庭典子、喜多容子(Precious)