品位ある大人の女性なら、姿勢を正して凛とした輝きを身につけたいもの。ただ、どうしても猫背になってしまうことがあります。

“日本人の国民的生活習慣病”ともいわれている猫背ですが、猫背になると、真っ直ぐな姿勢でいるときよりも、頭を支えるために首や肩の筋肉に負担がかかり、疲れやすくなります。さらに、背中が丸まると、肺が窮屈な箱の中にしまわれたような状態になるため、呼吸が浅くなり体内の酸素量が減ります。

内臓が圧迫されることで胃腸が働きづらくなり、便秘になりやすくなることも。血流が悪くなることで冷えやすくなったり、生理痛がひどくなる人もいます。体のためを考えると、猫背になって、よいことはほとんどないそうです。

そこで今回は、ヨガインストラクターの鈴木伸枝さんに、オフィスで手軽にできる猫背対策のストレッチヨガを教えていただきました。どれも、椅子に座ったままの状態でできるもの。簡単なストレッチヨガで、美しい姿勢を手に入れましょう。

■1:座ったまま片膝を伸ばす

 

まず、椅子に浅く腰掛けて、片足の膝を伸ばして、ももの後ろ側の筋肉を伸ばします。ももの後ろ側の筋肉が固くなって縮むと姿勢が悪くなり、猫背になりやすくなるためです。

膝を曲げる方の足の位置は、自然な場所で構いません。膝を曲げる方の足の上に両手を添えます。このときに、猫背になりがちなのですが、背筋をしっかりと伸ばすことがポイント。リラックスしながらゆっくりと呼吸をします。伸ばした方の踵を立てると、ふくらはぎのストレッチを同時に行うことができます。

30秒間、この姿勢を維持するだけで、体が温まり、じんわりと血の流れがよくなっていくことを実感できるそう。片足を伸ばした後に、立ち上がって両足の感覚を比べてみると効果を実感しやすいです。両足を30秒間、伸ばすことを毎日続けるだけで、姿勢を正す大きな効果が期待できます。

■2:上半身をねじって胸を開く

 

次にご紹介するのは上半身をねじるストレッチヨガ。椅子の上で足を組み、片手を膝の外側に添え、もう片方の手で椅子の背もたれにつかみます。背もたれをつかむ場所は、自分がやりやすい場所で構いません。

ねじった体の先の方へ顔を向けたら、背もたれをつかんだ手を使いながら胸を開きます。このポーズでも猫背にならずに、背筋をしっかりと伸ばすことを意識してください。胸が開くので、肩を前に押し出してしまっている肩胛骨を正しい場所に戻し、姿勢を正す効果が期待できます。

また、目線をできるだけ遠くに据えることで、疲れ目対策にもなります。

■3:両手を後頭部で組んで背中と首を伸ばす

 

続いては、椅子の上で体側を伸ばすストレッチヨガ。椅子の上で背筋を伸ばし、座骨の上にしっかりと重心を乗せます。頭の後ろで両手を組んで、背中と首をしっかりと伸ばすことを意識しましょう。そのまま、上半身を真横に倒していきます。呼吸は、ゆっくりとしてください。

日常生活の中で、体を真横に倒すことはほとんどないのですが、このストレッチヨガは、腰や背中に加え、肩の猫背対策としても効果が見込めます。

■4:両腕を前後に伸ばして肩胛骨を寄せる

 
 

まず、体の前で腕を伸ばして手のひらを組みます。このときに、肩胛骨は左右に開かれます。次に、ゆっくりと天井を見ながら、両手を後ろに引きます。そうすると肩胛骨どうしが背中で近づきます。呼吸は、両手を後ろに引いたときに吸い、手を前に伸ばしたときに吐きます。

この動作を繰り返すと、肋骨を巻くようにして前に出てしまっている肩胛骨が本来の場所に戻るため、肩全体の動きがよくなり、猫背を解消する効果が期待できます。腕だけを小さく動かすのではなく、肘を背骨に持って行くイメージで大きく肩全体を動かすことがコツ。肘が背骨に近づけば、自然と胸が開きます。

1回だけでは効果を実感しづらいのですが、10回ほどやれば、体が温まってきて、効果を実感することができます。

■5:両手を開いたまま首を上下する

 
 

手のひらを下にして両手を横に伸ばし、首を下に向けながら息を吐きます。次に、息を吸いながら、手のひらを上に向け、天井を見つめます。手のひらを上に向けて天井を見た姿勢をしばらくキープします。

無理をする必要はありませんが、肩の動きをできるだけ大きくすることを意識するとよいとのこと。手のひらを動かすというよりは、肩の付け根を回すと自然と手のひらが回るというイメージで動かすことがポイント。腕を水平にすることが辛い人は、腕を下に向けても大丈夫です。

猫背を解消するためには、肩全体の血流をよくする必要がありますので、手のひらを下に向ける動作と、上に向ける動作をバランスよく続けます。このストレッチヨガも、1回から効果はありますが、10回ほど続ければ固まっていた筋肉がほぐれ、手を下ろした際にじんわりと血が流れ行く感触を実感できるそう。

■6:片手を添えながら首を横に倒す

 

最後は、椅子の上で背筋を伸ばして体を真っ直ぐにし、首を横に倒します。首を倒した方向と逆側の鎖骨の辺りに手のひらを添えます。楽に呼吸をしながら、その状態を30秒ほどキープします。

息を吐くときに猫背にならないように気をつけましょう。手のひらは重たさを少し感じるくらいに添えます。息を吸うと手のひらに肺が膨らむ感触が伝わるはずです。息を吐くときに、手のひらで肩を少し押します。首を曲げることで肩を伸ばした状態を作り出し、呼吸をすることでさらにそこから伸ばすことを助けるイメージで行うとよいです。

肩に添えない方の手は、中ぶらりんにしておくと効果が現れやすいそう。このストレッチヨガをやる前と、やった後で、それぞれ肩を回してみると、変化が実感できるので、こちらもモチベーションアップに繋がります。

今回、ご紹介した6つのストレッチヨガは、どれも椅子に座ったままで、できるものです。猫背対策にとどまらず、筋肉を動かすことで体が温まり、代謝もよくなります。猫背が解消されれば、気持ちよく呼吸をすることができ、体内に酸素が行き渡って頭も働きもよくなります。いいこと尽くしですよね。さっそく取り入れて、凛とした美しい女性を目指しましょう!

PROFILE
鈴木伸枝(すずき のぶえ)さん
体育大学を卒業後プロのダブルダッチパフォーマンスチームを結成し、TV、イベント、ショー に多数出演。体を酷使する生活の中で怪我や体調不良が続き、身体作りの為にヨガを始める。ヨガインストラクター養成コースの講師としても活動し、1,000名以上のヨガインストラクターを輩出。カリキュラムの立ち上げや、講師の育成などにも携わる。日本各地で行われるヨガイベントでもインストラクターを担当し、ヨガの普及活動にも取り組む。「自分を生かすYOGA」をモットーに、「ココロ」と「カラダ」双方の健康を目指し、ひとりひとりが「自分らしく生きていく」サポートを、ヨガを通して行うことをライフワークとしている。
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この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
竹内みちまろ