雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私たちがしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目しています。
7月号ではジャーナリストで起業家のクリスティーナ・スィヴィエリ・タリアブエさんの活動をご紹介。ジャーナリストとして、社会活動家として、クリスティーナさんが最も注力している問題が、ジェンダーの平等と子供の教育です。社会に存在するさまざまなギャップも、ひとりひとりが変化し集まることで変えられると信じ、活動を続けるクリスティーナさんの「未来のために続けていること」をご紹介します。
子供たちへの適切な市民教育で未来のジェンダー平等を叶える
今年3月、ローマのポポロ広場で行われたデモの先頭に、クリスティーナさんはいた。「学校優先」と書かれたプラカードを掲げ、イタリア全土でのコロナ禍における休校措置に抗議の声を上げる。ジャーナリストとして、社会活動家として、クリスティーナさんが最も注力している問題が、ジェンダーの平等と子供の教育である。
「大学在学中からメディアに寄稿する機会があり、さまざまな社会問題に目を向けていくなかで、女性たちがおかれている現実が見えてきました。そこで制作会社を立ち上げ、女性の身体を不適切に使用している広告事例を集めたドキュメンタリーを作ったり、女性の地位向上をテーマにした雑誌を立ち上げたりと、積極的に発信を始めたんです。私自身が、日常生活で女性として感じた小さなひとつひとつを、明確にし、改善していこうと思ったのです」
子供の教育も、そのひとつだ。
「ジェンダー平等(*)と女性のエンパワメント実現には、次世代を担う子供たちへの市民教育が必要不可欠。けれど、残念ながら今のイタリアの教育機関では、それを教えていません。だから、小学生向けに、わかりやすい物語にして、シリーズで執筆しました。9月から出版がスタートします」
*ジェンダー平等とは…
女性及び女児の能力強化は、SDGsの目標のひとつ。イタリアの「世界平等指数」は156か国中63位と遅れている。日本はなんと120位。
SDGsの現場から
ポポロ広場での「学校優先」デモで先頭に立つ
「ポポロ」とは「市民」の意。活動には多くの著名人も賛同し、幅広い層にアピールできた。
ジェンダー問題について執筆した著書多数
整形を望む少女とその両親についての話を書いたのが最初の著書。
デモで掲げた「学校優先」のプラカードには、子供たちの学び、つまり未来を変えるための機会を守らなければ、という切実な思いが込められていたのである。
「社会に存在するギャップはさまざまです。相手や、問題が大きいほど、太刀打ちできない、と諦めてしまいそうになる。でも、ひとりひとりが変化し、それが集まれば、大きな改革になる。そう信じて、活動を続けていきます」
SDGs(持続可能な開発目標)とは
2030年までに持続可能なよりよい世界を目指す国際目標のこと。17のゴール・169のターゲットから構成。
- PHOTO :
- Johannes Vande Voorde
- WRITING :
- 剣持亜弥(HATSU)
- EDIT&WRITING :
- 大庭典子、喜多容子(Precious)