盛夏のころ、わずかふた月ほどの間だけ身にまとう贅沢な夏の素材。さまざまに工夫を凝らした一枚が、着る人にも、見る人にも涼やかな風を届けてくれます。『Precious』8月号では、企画「静けさと夏ごろも」を特集。うっすら透けてシャリ感のある着物に、美しい織や染めの帯をあわせ、帯締めに帯揚げで色を差して…この季節ならではの着物合わせの楽しみを、ひと夏の記憶に鮮やかに刻んで。
今回は、大政 絢さんがまとう、夏の着物の着こなしの数々をお届けします。
■1:さらりとした越後上布に藍型の帯を合わせ、涼感溢れる極上の夏をまとう
宮古上布と双璧をなす希少な越後上布は、着物好き垂涎の的。
寒い冬、雪に晒されたはかなげな白地には、ひと幅に200近くもの細やかな亀甲柄が織られ、薄羽かげろうのようのように涼しげな表情がなんとも贅沢な佇まい。
植物の柄を濃淡で染めた藍の帯に、帯締めで赤橙色をほんのり差して。
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■2:凛として美しい佇まいを誘う藍の絣と芭蕉布をまとい、琉球の風に想いを馳せて
駒撚よりしたごく細い絹で織られた琉球美絣の着物は、絣の文様にのぞく赤みが、どこか懐かしい雰囲気の絣に新鮮な印象を添えてくれます。
生成りの地に矢絣文様をあしらった芭蕉布の帯も涼やか。藍色の着物に半襟の白を小さく効かせて、帯揚げと帯締めを深い赤みで引き締める配色は、知的で洗練された服の着こなしにも似て。
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■3:煙るような色合わせで季節を先取りしながら、琥珀色の和菓子に舌鼓を
夏の光に和らぎを感じ始めた昼下がり。
絹織物でありながら、渋い趣をたたえる栃尾紬の無地の着物に、辛子色とくすんだ緑の縞文様が映える宮古上布の帯を合わせて。
さらりとまとう夏ごろもは、風をはらんで心地よく、背筋もすっと伸びるよう。上布や絽、紗、生糸紬…この季節だけの着物の贅沢が、なにげない一日さえ人生を彩る美しい1シーンに。
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■4:後ろ姿でも夏を語る、愛らしい金魚の帯で上質な大人の遊び心を
凛とした墨色の万筋が美しい能登上布に、取り合わせた鮮やかな色味の紗の帯で、ひときわ華やかに。
帯前に揺らめく水草、お太鼓にはクローズアップされた金魚という日本画の写しが見事。夏の意匠が着物ならではの贅沢な遊び心を伝えて。
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※掲載した商品は、すべて税込です。
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- PHOTO :
- 浅井佳代子
- STYLIST :
- 清野恵里子
- HAIR MAKE :
- hiro TSUKUI(Perle/ヘア)、三澤公幸(3rd/メイク)
- MODEL :
- 大政 絢(Precious専属)
- COOPERATION :
- 日本民藝館
- EDIT&WRITING :
- 藤田由美、古里典子(Precious)
- 着付け :
- 石山美津江