盛夏のころ、わずかふた月ほどの間だけ身にまとう贅沢な夏の素材。さまざまに工夫を凝らした一枚が、着る人にも、見る人にも涼やかな風を届けてくれます。『Precious』8月号では、企画「静けさと夏ごろも」を特集。うっすら透けてシャリ感のある着物に、美しい織や染めの帯をあわせ、帯締めに帯揚げで色を差して…この季節ならではの着物合わせの楽しみを、ひと夏の記憶に鮮やかに刻んで。

今回は、大政 絢さんがまとう、栃尾紬の着物の着こなしをお届けします。

煙るような色合わせで季節を先取りしながら、琥珀色の和菓子に舌鼓を

着物_1
着物¥335,500/仕立て上がり(丹後きものゑん)、新里玲子作の宮古上布の九寸名古屋帯¥587,000/仕立て代込み・竹のうちわ置き¥16,500(シルクラブ)、ごく淡い薄緑の絽縮緬の帯揚げ¥5,500/生地+染加工代(三浦清商店)、高麗組の帯締め「山藍摺(やまあいずり)」¥37,400/受注製作(道明)、木版のうちわ「光琳風 銀杏」¥4,840(京うちわ阿以波)

夏の光に和らぎを感じ始めた昼下がり。絹織物でありながら、渋い趣をたたえる栃尾紬の無地の着物に、辛子色とくすんだ緑の縞文様が映える宮古上布の帯を合わせて。

さらりとまとう夏ごろもは、風をはらんで心地よく、背筋もすっと伸びるよう。上布や絽、紗、生糸紬…この季節だけの着物の贅沢が、なにげない一日さえ人生を彩る美しい1シーンに。

※掲載した商品は、すべて税込です。

問い合わせ先

PHOTO :
浅井佳代子
STYLIST :
清野恵里子
HAIR MAKE :
hiro TSUKUI(Perle/ヘア)、三澤公幸(3rd/メイク)
MODEL :
大政 絢(Precious専属)
COOPERATION :
日本民藝館
EDIT&WRITING :
藤田由美、古里典子(Precious)
着付け :
石山美津江
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