クルーズといえば、豪華客船で楽しむ優雅な旅のイメージがありますよね。すでに乗船した経験のある人も、ランクによってサービスや待遇が異なるため、もうワンランク上のクルーズ船に乗りたいという願望があるのでは?

そこでクルーズに興味があるものの、素朴な疑問や不安を抱えているあなたへ、クルーズのお困りごとを解決する方法をシリーズでお届けします。今回は「クルーズ船のクラスと客室ランクの選び方」を、クルーズ・ジャーナリストの藤原暢子さんに教わります。

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クルーズ船には3つのランクがある

クルーズ船には3つのランクがある

藤原さんによると、クルーズ船には3つのランクがあるそうです。

「クルーズ船は、大きく分けてラグジュアリー、プレミアム、カジュアルの3つがあります。この3つのランクの違いは、船の大きさによってひとりの乗客に対するスペースがどれくらいかを表す『スペース・レシオ』と、乗組員1名当たり、何人の乗客がその船に乗るのか、などにあります。

ラグジュアリー客船はスペース・レシオが広く、乗組員の数に対する乗客の人数が少なくなります。乗客人数が少ないほど、丁寧で親身な質の高いサービスが受けられるためです。そしてプレミアム、カジュアルの順にこのスペース・レシオは狭くなり、乗組員1名に対する乗客の数も増えていきます。カジュアル客船ですと、1名の乗組員客に対して、乗客が2~3人という風になります。

船が大きいほど豪華で贅沢に思えますが、乗客も多いため、必ずしもそうではないのです。ラグジュアリー客船は小・中型サイズの船が多いのですが、そのぶん、乗客が少なく広々としていて、乗組員も多いため充実したサービスが受けられるという贅沢さを得られます」

■1:ラグジュアリー客船

ラグジュアリー客船のアトリウム階段

「ゆったりとしたスペースと丁寧なサービス、プライバシーを大事にしたい人におすすめです。料理も高級素材を多く使い、シェフが腕を振います。休暇だから細かいことにわずらわせられたくないという乗客の意向から、最近はドレスコードも『スマートカジュアル』などの格式張らないものや、ドレスコードを設けない船も増えてきました。一方で、クイーン・エリザベス(キュナード社)など、意図的にきっちりとしたドレスコードを設けている船もあります。高級なブティックホテルのようなサービスや1週間程度の短めのクルーズも多いので、若いエグゼクティブも多いのが特徴です。プライベートな旅、もしくは他の乗客と社交するのが好きな人向けです」

■2:プレミアム客船

プレミアム客船のタラソテラピープール

「船の大きさは若干大きく、ある程度のサービスや客室、アメニティーなどが用意されています。スペースがある分、ラグジュアリー客船よりも色んな施設やイベントがあって楽しめます。ドレスコードは船によりますが、1クルーズの期間が10日以上の場合が多いので、雰囲気を盛り上げるために、ドレスコードを取り入れている船もまだ多くあります。上質かつ長めのクルーズをしたい方向け。ホテルでいうと、シティーホテルくらいの感じです」

■3:カジュアル客船

カジュアル客船では家族で楽しめるイベントが多数

「友人同士でわいわい、もしくは子連れの家族で元気にクルーズを楽しみたい場合におすすめです。子ども向けのプログラムやベビーシッターサービスも充実しています。ドレスコードはありますが、それほど気にする必要はなく、自分なりのオシャレを楽しめます。食やサービスは、クルーズ代金に見合ったものが多いですが、その分、自由に過ごせます。食事はフルコースもありますが、ビュッフェなども豊富なので、肩肘はらずに過ごしたい人に向いています。遊ぶ施設がとにかく多いので、寄港地観光と同時に船内でもいろんなことに挑戦したい人におすすめです」

カジュアル客船のキッズルーム

クルーズ船には客室のランクも存在する

また、客室にもランクがあり、それぞれサービスが異なるといいます。

「客室には、スイートルームやバルコニー付き、窓付き、窓なしなどさまざまな種類があり、料金やサービスが変わってきます。主に次の4種類があります」

●内側客室(インサイド)
●外側の窓付き(アウトサイド)
●バルコニー付き
●スイートルーム

「外の広大な海や景色を眺めながら過ごしたいなら、外側の窓付きやバルコニー付きを。寄港地ツアーや船内イベントで忙しく過ごして、寝るだけでよいなら内側客室で十分です。カジュアル客船ならバルコニー付き客室でも代金は高くないので、最初のクルーズなら、バルコニー付き客室がおすすめ。スイートルームには、バトラー(執事)のサービスが付く船も。レストランや寄港地ツアーの予約、荷ほどきやパッキングのほか、さまざまなことを頼めます。以前、ドレスにシワがよってしまい困っているときも、バトラーが時間に間に合うよう、衣装を届けてくれたことがあります。日本人はバトラーに甘えるのが苦手な傾向があるように思えますが、一度甘えると癖になるはずです」

スイートルームではバトラーサービスも充実

いかがでしたか? 自分の好みや、同伴者、クルーズ船の中や寄港地でどんな風に過ごしたいか、どんなサービスを受けたいかによってクルーズの船と客室のランクを選び分けましょう。

藤原暢子さん
クルーズ・ジャーナリスト
(ふじわら のぶこ)20代で世界一周クルーズを体験後、客船の世界に魅せられる。老舗の客船雑誌『CRUISE』編集長を経て、クルーズ・ジャーナリストに。100隻以上の船で約90か国をめぐる。現在も世界の客船でさまざまなエリアをめぐっている。クルーズはホテルと旅の融合のため、陸のホテルや旅行、美食などについても日々研究中。
クルーズA to B
この記事の執筆者
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EDIT&WRITING :
石原亜香利