親しい人と楽しむ時間も、ひとりでくつろぐ時間も、仕事に集中する時間も。行動に多くの制限がかかり、家で過ごす時間がどんどん増えるなか、目にも心にも、安らぎと潤いをもたらす「グリーン」との触れ合いを大切にする人が増えています。
『Precious』9月号の連載IE Preciousでは、暮らしに彩りと癒しを与えてくれるグリーンとの付き合い方にフォーカス。
今回は、グリーンのプロに聞いた「リビングやダイニングにグリーンを素敵に取り入れる8つのポイント」についてご紹介します。
グリーンを素敵に取り入れる8つのポイント
インテリアのテイストや好みはもちろん、間取りや日当たりなどによって育ちやすい植物は変わってきます。とはいえ、せっかくグリーンと暮らすなら、配置や選び方のコツを知っておきたいもの。
そこでいちばん長い時間を過ごすリビング&ダイニングに絞って、素敵なグリーンの取り入れ方を、グリーン&フラワースタイリストのさとうゆみこさんに伺いました。
■1:シンボルグリーンは、ラインで遊ぶ
部屋のメインになるグリーンは、存在感のあるものを。まっすぐや曲線、高さがあるもの、横に広がっているもの…など、大ぶりでラインの美しいものを選ぶと、部屋全体が引き締まります。
「窓際で、日当たりも風通しも最もよい場所に置きたいシンボルツリーは、本当に好きだと思うグリーンを。ひとつだけ存在感のあるものを選ぶと、部屋全体のアクセントになります」(グリーン&フラワースタイリストのさとうゆみこさん、以下同様)
■2:ハンギングは場所によって高さを変える
いつもと違う目線で植物を楽しめるハンギング(吊るす)は場所によって高さを変えて。
部屋の中心なら目線より下、肩に掛かるくらいに低めに。窓際の場合は、ある程度高めに吊るすと高い目線にグリーンがくるので背の高い植物を置くのと同じ効果があります。
■3:グリーンには無機質なインテリアを
グリーンには、無機質なインテリアがよく合います。アイアンやスティールといった素材や、窓枠やブラインド、照明スタンドや脚立など、キリッとした直線や曲線が、柔らかなグリーンの空間のアクセントに。
■4:窓際にグリーンコーナーをつくる
高低差があるもの、葉の形や広がりなどバラエティに富んだもの、大きさが違うものなどを取り混ぜてひとつのコーナーに。1か所に集めることで、一気に部屋全体のグリーン濃度が高くなります。
■5:チェストや棚に植物を垂らしてみる
蔓を垂らす植物をチェストや棚などに置いてみると、空間に動きが出ます。アイビーなど、定番のものでOK。初心者でも取り入れやすいテクニックです。
「数が増えてきた場合のテクニックとしては『まとめて飾る』『段差をつけて高低差を出す』『吊るす、垂らす』など。空間に動きが出ます。大切なのは、『清潔感』を保つこと。適当に点在させたグリーンが増えると散漫な印象になり、せっかくのインテリアが台無しに。グリーンが増えても『清潔感』と『品』を保ちましょう」
■6:大きな枝ものでゾーニングする
ドウダンツツジなど、大ぶりな枝ものは、鉢ものと違って暗いところでも置けるためあえて部屋の中心に置いてみても。部屋を区切るゾーニングの役割にもなります。枝ものは、水が汚れにくいので、ガラスなどクリアな花器に入れて抜け感を出して。
■7:小さな鉢ものは大きな器に盛り付けて
小さな鉢ものは点在させずに、大きめの器にまとめて盛り付けると素敵なオブジェに。季節や気分によって中身を替えられるのも利点。
■8:ダイニングテーブルには、低くてボリュームのあるものを
座って語らう場のダイニングテーブル上に植物を置く場合は、高さを出さず、目線よりぐっと低く、ボリュームを大切に。花束などもそのまま花器に生けずに、カットしてフルーツを盛るようなイメージで。
「切り花を飾るとき、花選びに迷ったら、枝ものや草花を一種類だけで生けたり、同系色でまとめるなどすれば、洗練された雰囲気になります。
さらに、窓枠やブラインド、スタンドや家具など、キリッとしたラインや無機質な素材のインテリアは、ともすればナチュラルに転びがちなグリーンとの相性が抜群。空間をぐっと引き締めます」
- EDIT&WRITING :
- 田中美保、古里典子(Precious)