創業235年の歴史を誇るフランスの名門ジュエラー、ショーメ。ナポレオン1世をはじめ、王室に愛され続けたショーメの世界を紹介するアートブックが、3冊のボックスセットで出版されました。
メゾンの誕生について語られている1冊目はアレクシス・グレゴリー(Alexis Gregory)が執筆した『Vendome, birthplace of a legend(ヴァンドーム- 伝説が生まれた場所)』。
1812年、ショーメはパリのヴァンドーム広場にサロンの拠点を置き、2世紀を超える美しさと気品に満ちた独自のスタイルの歴史を刻み始めました。
ショーメのル・グラン・サロンから、ヴァンドーム広場とオテルリッツ(メゾンのヴァンドーム広場の最初の所在地)を望む。ル・グラン・サロンは、1927年に歴史的記念建造物に指定された。
2冊目のファビエンヌ・レーボー(Fabienne Reybaud)による『The Nature of Chaumet(ショーメの自然)』では、ショーメのクリエイティブな歴史の柱のひとつである自然主義が語られています。活気溢れる自然のなかで、デザイナー達が植物や草花からインスピレーションを得たジュエリーのマスターピースの数々が紹介されます。
3冊目の『The Art of the Tiara(ティアラの創造)』は、ヴィヴィアン・ベッカー(Vivienne Becker)が執筆。当時、上流社会のシンボルとして流行したティアラは、ショーメと王室との深い関わりを物語るものであり、またショーメの芸術性における不朽のインスピレーションの源であり続けています。フランス皇后ジョゼフィーヌのために製作した初期のティアラに始まり、メゾンは絶えることなく、この古来の装飾品を新しい時代に合わせて創造してきました。
左ページ/ヴァンドーム広場12番地のル・グラン・サロン内でショーメのジュエリーを身に着けたモデル。1980年代、ショーメコレクション、パリ。右ページ/フランソワ=ルノー・ニトが皇后マリー=ルイーズのために制作したルビーとダイヤモンドのパリュールの中のブレスレット。1811年作。後にアングレーム公爵夫人のためにサイズが拡大された。ルーブル美術館、パリ。
ショーメが名門ジュエラーとして今なお愛され続けているのは、ゆるぎなく確立された独自の世界観によるものであることを裏付ける、このボックスセット。貴重な資料写真やジュエリーのアーカイブとともに、ショーメの世界を堪能してみませんか。
問い合わせ先
- ショーメ TEL:03-5635-7057
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- クレジット :
- 文/安念美和子