空と海に包まれた空間を提供する「海香の宿 波華楼」で獲れたての蟹を!

待望の越前ガニのシーズンが到来! 暖流と寒流がぶつかる福井県沖で、厳しい流れにもまれた越前ガニ。三国、越前、敦賀、小浜の各港で水揚げされる雄の蟹はズワイガニ、雌の蟹はセイコガニと呼ばれます。毎年11月6日の解禁日から翌3月20日までの限られた期間だけ食すことができ、旬は12月から2月にかけてといわれます。
そんな美味を地元で味わう旅に出かけたい…。そこで、福井県に在住し、手がける作品は東京や京都で引く手数多という装飾師の錦織ほまれさんにお知恵を拝借。
「地元では期間が短い卵を抱えたセイコガニを最初に自宅で食し、ズワイガニは旅館など出かけていただくことが多いですね。そして脱皮して日が浅い甲羅が柔らかなズボガニ(ミズガニ)までと、蟹のシーズンは蟹づくしの日が続きます」と語るほど蟹が大好きな彼女から、蟹を食せ、かつ空室があったら、すかさず予約を入れるという人気宿を5軒ご紹介いただきました。
- 【蟹の季節に訪れたい福井の宿 Vol.1】待望のリニューアルオープン!あわら温泉の名旅館「光風湯圃 べにや旅館」
- 【蟹の季節に訪れたい福井の宿 Vol.2】和の空間と蟹料理が旅のお目当て!「越前あわら温泉 大人の湯宿 つるや」
- 【蟹の季節に訪れたい福井の宿 Vol.3】女友達とのおしゃべりと、黙々と食す蟹を堪能!「あわら温泉 グランディア芳泉」
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【蟹の季節に訪れたい福井の宿 Vol.4】夕陽と蟹料理をたっぷりと!越前海岸の宿「料理宿 やまざき」
錦織ほまれさん装飾師/装飾 日和代表(にしきおり ほまれ)福井県越前市出身。神戸女子大学卒業。装飾師として唯一無二の手からつくり出される和紙・木工・漆芸・竹工・和造花・組紐などの幅広い伝統技術を組み合わせた商品のデザインから製作まで担当。“紙を平面から立体へ”のコンセプトのもと、人間国宝九代目 岩野市兵衛氏とコラボレーション。「THE 市兵衛」の商品をプロデュース。東京・銀座和光での五節句かけ飾りの企画&製作や京都・松栄堂での商品企画などにも携わる。
「蟹の旅」の最終回は、福井県の若狭湾。日本海では珍しいリアス式海岸の常神(つねかみ)半島の入り江にひっそりと建つ宿「海香(かいこう)の宿 波華楼(なみはなろう)」をお届けします。こちらは1950年創業、2015年にリニューアルした6室のみの宿です。

「最近は福井県の嶺南(れいなん)方面の方へドライブすることが多く、若狭湾に面してひっそりと佇む、こちらの宿を知りました。私が伺ったのはふぐの季節でしたが、蟹シーズンには絶対に行く!と決めたくらい素敵なお料理とお部屋でした」(錦織さん)
近くにコンビニエンスストアがないほど小さな集落という立地。部屋のテレビを消してしまえば波の音しか聞こえてきません。装飾を極力省いた部屋は、ご主人のこだわりで、海に向かったバルコニー付きの6室すべて、木と漆喰でつくられています。

夕方から夜にかけては日本海に沈みゆく夕陽や満天の星空を、朝はベッドの中から白々と明けていく空をボーッと見つめることができる設計。蟹シーズンには冷えた体をロビーの暖炉がそっと温めてくれます。


若狭湾で採れた新鮮な魚や蟹を存分に食していただきたいと、宿泊客がびっくりするほど充実した食事を提供。
夕・朝食とも、1階の食堂となりますが、料理で使用する水は、名水百選にも選ばれた「瓜割(うりわり)の水」、出汁をとる昆布は永平寺御用達、福井県随一の奥井海生堂の「藏囲昆布」と、ひとつひとつにこだわった丁寧な料理です。朝食は土鍋で炊いたご飯や海の幸が並び、朝から食べ過ぎるほど。


温泉ではありませんが、遮るものはなにもないガラス張りの解放感のあるお風呂の造りです。貸切り露店風呂もありますので、チェックイン時に申し込んではいかがでしょう。

シンプルでナチュラルテイストの部屋、空と海を満喫できる部屋とお風呂、新鮮な魚が使われる料理など、1年中リピーター続出という理由はここにあります。
越前の美味しさが凝縮した、選りすぐりの蟹を食して!

肝心の蟹は、生をひとり1匹、蒸し蟹をふたりで1匹シェアするという、こちらもまた贅沢なもの。蟹はすべて地元・若狭湾で採れる越前蟹のみ。特大サイズの1匹1キロ前後の蟹を、ふたりなら3匹、蟹刺し、蒸し蟹、焼き蟹、甲羅焼き、鍋、天ぷら、雑炊まで、調理方法を変えながらのフルコースで。蟹をお腹いっぱいに食べた!という気になります。


蟹シーズンには「断ることが申し訳ないほど」(ご主人)というほど人気。リフレッシュしながら蟹を含む美味しいものを食べたいという欲張りな女性には最適な宿です。
以上、「海香 波華楼」をご紹介しました。
「紹介するとますます予約が取れなくなって危険(笑)ですから、秘密にしておきたかった宿です。好きな本を片手に静かに過したい、海をただただ眺めていたい、でも美味しい魚や蟹を食べたいと思ったときに、真っ先にこちらが候補に上がります」(錦織さん)
※外出時には新型コロナウィルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。
問い合わせ先
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海香の宿 波華楼
住所/福井県三方上中郡若狭町 塩坂越3-11
客室数/全6室
料金/2人1部屋・ひとり¥37,400〜(税込、蟹シーズン:2021年11月7日〜2022年3月20日)
TEL:0770-47-1423
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 菅野悦子
- EDIT :
- 谷 花生