「モンクレール」が永続的に愛される3つの要素とは…?
来年、2022年に創業70周年を迎えるモンクレール(MONCLER)は、今季も変わらず極上のダウンウエアを発表し、新しい魅力を発信しています。それに応えるように、新旧のファンが入り交じり、このブランドのアイテムに夢中に。
そこで、モンクレールの歩みを現在のアイテムに絡めながら、今回は、永年、愛され続ける理由を探ってみました。極上の温かさと共に特筆すべきポイントがあります。それは、人々がモンクレールに求める要素を大切にしながらも、一歩も二歩も、先を見据え、歩みを止めない姿勢です。
モンクレールの誕生は、1952年フランス・グルノーブル郊外の小さな村です。ブランド名は、この村の名前、Monestier de Clermont(モネスティエ・ドゥ・クレルモン)に由来します。創業当初は、キルティングの寝袋など登山グッズのメーカーとして知られる存在でした。またアルプスの麓という土地柄、当時の従業員は寝袋を改良した防寒具を愛用していたそうです。
■1:冒険家たちを守る高い保温性と柔軟性
創業してまもなく、世界的なフランス人アルピニスト、リオネル・テレイは従業員が着用する防寒具に着目し、高山用の装備を依頼しました。これをきっかけに、1954年、世界で2番目の高さを誇るカラコルムに挑むイタリア登頂隊に採用され、成功。翌年にもフランス登頂隊がモンクレールのダウンジャケットを装備し、8,470メートルに挑み、これも成功します。
当時はウール製のクラインミングウエアが主流だっただけに、軽量で温かいダウンウエアは高山征服のための装備に大旋風を起こしました。1964年には前出テレイが指揮をとるアラスカ探検隊のオフィシャルサプライヤーに認定されます。
年月が流れても、モンクレールのポリシー「どんなに過酷な環境下であっても、高い保温性と柔軟性があること」は貫かれ、現在のモンクレールの全アイテムに生かされ続けています。
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■2:街着アウターとしても存在感を示して
1968年、モンクレールは地元・グルノーブルで開かれた冬季オリンピックで、フランスのナショナル・アルペンスキーチームのオフィシャルサプライヤーに選出されます。メディアを通し、そのスタイルが世界中に広がりました。モンクレールは、これを契機にロゴを一新。現在でもおなじみの雄鶏とフレンチトリコロールカラーを取り入れたデザインが登場しました。
このオリンピックを前後して、ヨーロッパの高級リゾート地に集うスキーヤーが増加。スキーは一部のセレブリティのレジャースポーツだけに留まらず、若者たちが楽しむスポーツとして認識されていきます。それに合わせるようにモンクレールの存在感は増し、世界中のゲレンデで、フレンチトリコロールのモチーフが配されたウエアをまとう男女たちが溢れることに。
その熱量はタウンユースにも広がります。
色鮮やかなナイロンラケを代表する絶妙な発色のオリジナル素材のダウンは、ヒマラヤの山頂でも、ゲレンデでスキーを楽しむときでも、また街中であったとしても、特別な存在感を発揮。どのような場所にあっても感度の高いウエアとして捉えられ続けています。
街から雪山まで、あらゆるシーンを快適な時間へと導く「モンクレール グルノーブル」は、こういった熱量を今も上手に映し込んでいる代表的シリーズです。
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■3:ファッションの要素をさらに進化させて
ダウンウエア界でファッションデザイナーを招聘するスタイルをモンクレールは率先して行います。1980〜1989年までは、当時、フランスのプレタポルテ界で活躍中のシャンタル・トーマスを起用。フロントジップやトリムファー、サテン素材やリバーシブル素材など、クラシカルなダウンジャケットにハイファッションの要素を注入し、ファッションブランドとしてのイメージを浸透させていきます。
その動きは2003年からさらに加速。モンクレールのDNAの機能性の枠だけでなく、モードとの連携を欠かすことが出来ない存在へ。2006年にはクリエイティブ・ディレクターにアレッサンドラ・ファッキネッティを起用し、2008年にはジャンバティスタ・ヴァリを迎え、パリコレクションを発表。モンクレールとモードは切り離せない関係を築きます。
2018年からは、「モンクレール ジーニアス」と銘打ち、気鋭クリエイターやデザイナーとのコラボレーションが活発に行われるように。最新2021年はHYKEがデザインを手がけ、「4 モンクレール ハイク」として参画しています。
それは同時に、彼らの秀でたクリエイションをダウンという制約が多いアイテムへと落とし込む技術力。モンクレールが創業時から培い、育んできた力強いブランド力を証すことにつながっているのです。
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以上、モンクレールの歴史を追いながら、愛され続ける理由をご紹介しました。
モンクレールのダウンを購入した女性に購入した理由を聞くと、温かいという理由が最初に上りますが、次に「伝統」「信頼感」「ファッショナブル」etc.と続き、そのイメージは多岐にわたっています。
世界最高峰を制したアルピニストが究極の温かさを、オリンピアンが可動域の広さを、それぞれリアルなシーンで使用することで立証した実力派ダウンアイテムでありながら、ひとつの方向へだけ顔を向けない姿勢…ここにこそモンクレールの魅力があるのかもしれません。
問い合わせ先
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 菅野悦子
- EDIT :
- 谷 花生