近年世界規模で声高に叫ばれているSDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)は、イタリア・ワインの世界にも着実に浸透している。それはイタリアにおける有機農法のブドウ畑が世界の2割強を占めるという環境的歴史駅的背景もあるが、実際のワインの生産の現場にも色濃く反映されているのだ。中でも現在注目のワインが「ディヴォ・プレタポルテ」だ。
エコサステナブルなワイン「ディヴォ・プレタポルテ」に注目
スタイリッシュな375mlアルミニウムのイタリアンデザインのボトルに収められているのは白、フリツァンテロゼ、赤、スパークリングの4種類のワインで、それぞれシャルドネ、グレラとピノノワールによる微発泡ロゼ、カベルネ・ソーヴィニヨン、そしてグレラとシャルドネによるスパークリングからなる。
アルミニウムボトルは、開栓後はウォーターボトルとして使用可能であり再利用および再封が可能。大口径スクリューキャップを採用することでワインオープナーはいらなくなり、アウトドアに持ち出すことも可能になった。
また、ガラス製品の持ち込みが禁止されているコンサート、競技場、ビーチ、ゴルフ場などへの持ち込みも可能になり、ガラスボトルに比べると85%軽量なため輸送とロジスティクスの簡便化かつコストとエネルギーが大幅に削減できる。また、アルミニウムは熱伝導率が高いためガラスボトルに比べると約5分の1の時間で飲み頃の温度までのスピード冷却が可能なのも、アウトドアなど屋外に持ち出す際は大きなメリットとなるはずだ。
ワインの味わいを決める土壌
「ディヴォ・プレタポルテ」を開発したのは、グレーラというブドウ品種から想像がつくかと思うがヴェネト地方コッリ・エウガネイにある「Terregaie(テッレガイエ社)」。火山性と石灰質土壌が混成する地でプロセッコDOCを中心に白ワイン、赤ワインを生産している。
実際にそれぞれ試飲してみると、白はシャルドネの豊かな酸味が際立ちフレッシュな印象。一方フリツァンテロゼは「ディヴォ・プレタポルテ」のハイライトで、ピノノワールのふくよかかつチャーミングな果実味にグレラのフレッシュ感が加わり、暖かくなったらアウトドアに持ち出したい1本だ。カベルネ・ソーヴィニヨンはライトなタンニンかつ飲みやすさでこちらも冷やして飲みたい。
スパークリングはグレラとシャルドネというプロセッコDOC特有の品種を使用し、軽快な泡と果実味、フレッシュさが特徴的。いずれもカジュアルワインというカテゴリーを超越し、デイリーワインとしても飲みたくなるクオリティ。まだ日本未輸入ながら、イタリアで見かけた際はぜひ一度試してみてはいかがか。
- TEXT :
- 池田匡克 フォトジャーナリスト