酒器としてだけではなく、器としても使えるかわいらしい「片口」

古いものを大切にしながらも、新しいものも受け入れる懐の深さをもつ京都。この街では、「伝統と革新」を体現した、モダンなデザインの工芸品を数多く見つけることができます。そんな、京都の神髄が感じられる「ほんまもん」の名品を、「京都通」の推薦コメントとともにお届け。ご紹介するのは、飲食店を展開する「カフェ・カンパニー」代表取締役社長・楠本修二郎さん、モデル松本孝美さんのおふたりが推薦する、清課堂の錫(すず)製「片口」です。

清課堂の錫製「片口」

上から/「すくううつわ片口(小)」【約φ10×高さ7.5cm】¥16,000、片口(1合)【約幅11.5×奥行き9×高さ8cm】¥19,600(ともに税抜)
上から/「すくううつわ片口(小)」【約φ10×高さ7.5cm】¥16,000、片口(1合)【約幅11.5×奥行き9×高さ8cm】¥19,600(ともに税抜)

天保9(1838)年創業の金属工芸の老舗「清課堂」は、錫(すず)器の専門店。7代目が営む店内には、徳利やおちょこなどの酒器をはじめ、食器や花器など、日々の生活で楽しめる商品がそろいます。腐食に強いことから、食器、とりわけ酒の器に用いられることが多い錫は、ほかの金属にはない、明るく澄んだ光沢感が最大の魅力です。

「ころんと丸く愛らしいフォルムは、水を両手ですくったときのイメージを形にしたとか。このやわらかさと光沢、涼やかさは錫ならでは。口当たりもよく、日本酒のうま味が引き立ちますね」と、語る楠本さんは、片口とともにぐいのみも愛用中なのだといいます。

松本さんも、「ちょっとユーモラスな形、やわらかい印象のデザインは、食器棚に置いているだけでも絵になります。モダンな食器との相性も抜群。冷酒や、冷たいデザートを入れることも。持ったときに手になじむ感じが優しくて、金属っぽくない点も好き」と、職人の手仕事による逸品を日常使い。

愛らしいフォルムと、錫特有の輝きが美しい、清課堂の「片口」。さまざまな用途に使用でき、腐食にも強い錫製の「片口」は、日常のあらゆる場面で活躍すること間違いなしです。

問い合わせ先

PHOTO :
戸田嘉昭・小池紀行(パイルドライバー)
EDIT&WRITING :
田中美保(スタッフ・オン)、中村絵里子(Precious)
RECONSTRUCT :
難波寛彦