酒器としてだけではなく、器としても使えるかわいらしい「片口」
古いものを大切にしながらも、新しいものも受け入れる懐の深さをもつ京都。この街では、「伝統と革新」を体現した、モダンなデザインの工芸品を数多く見つけることができます。そんな、京都の神髄が感じられる「ほんまもん」の名品を、「京都通」の推薦コメントとともにお届け。ご紹介するのは、飲食店を展開する「カフェ・カンパニー」代表取締役社長・楠本修二郎さん、モデル松本孝美さんのおふたりが推薦する、清課堂の錫(すず)製「片口」です。
清課堂の錫製「片口」

天保9(1838)年創業の金属工芸の老舗「清課堂」は、錫(すず)器の専門店。7代目が営む店内には、徳利やおちょこなどの酒器をはじめ、食器や花器など、日々の生活で楽しめる商品がそろいます。腐食に強いことから、食器、とりわけ酒の器に用いられることが多い錫は、ほかの金属にはない、明るく澄んだ光沢感が最大の魅力です。
「ころんと丸く愛らしいフォルムは、水を両手ですくったときのイメージを形にしたとか。このやわらかさと光沢、涼やかさは錫ならでは。口当たりもよく、日本酒のうま味が引き立ちますね」と、語る楠本さんは、片口とともにぐいのみも愛用中なのだといいます。
松本さんも、「ちょっとユーモラスな形、やわらかい印象のデザインは、食器棚に置いているだけでも絵になります。モダンな食器との相性も抜群。冷酒や、冷たいデザートを入れることも。持ったときに手になじむ感じが優しくて、金属っぽくない点も好き」と、職人の手仕事による逸品を日常使い。
愛らしいフォルムと、錫特有の輝きが美しい、清課堂の「片口」。さまざまな用途に使用でき、腐食にも強い錫製の「片口」は、日常のあらゆる場面で活躍すること間違いなしです。
問い合わせ先
- 清課堂 TEL:075-231-3661
- PHOTO :
- 戸田嘉昭・小池紀行(パイルドライバー)
- EDIT&WRITING :
- 田中美保(スタッフ・オン)、中村絵里子(Precious)
- RECONSTRUCT :
- 難波寛彦