今では希少な金網細工の名店による、亀甲柄が美しい「とうふすくい」

何度訪れても新たな魅力に出合う京都の街には、「伝統と革新」を体現した、モダンなデザインの工芸品を数多く見つけることができます。そんな、京都の神髄が感じられる「ほんまもん」の名品を、「京都通」の推薦コメントとともにお届け。今回は、ギフトコンシェルジュの真野知子さん、デザインジャーナリストの川上典李子さんのおふたりが推薦する、金網つじの「とうふすくい」をご紹介します。

金網つじの「とうふすくい」

左上から反時計回りに/とうふすくい八角[ステンレス]、とうふすくい菊丸[銅]、とうふすくい八角[銅]、とうふすくい菊丸[ステンレス]、【約φ6cm×全体の長さ23cm】各¥7,000(税抜)
左上から反時計回りに/とうふすくい八角[ステンレス]、とうふすくい菊丸[銅]、とうふすくい八角[銅]、とうふすくい菊丸[ステンレス]、【約φ6cm×全体の長さ23cm】各¥7,000(税抜)

今や、京都に数軒しか残っていないという金網細工の店。金網つじでは、手編みで針金を編むことをはじめ、すべての工程を職人が手作業で行っています。とうふすくいや茶こしなど、京料理を支える道具として長く料理人に愛されてきた調理道具は、使い心地もさることながら、美しさも秀逸。

「とうふすくいをつくるワークショップを実際に体験し、手仕事の難しさ、技術の素晴らしさを体感。京都の美意識が詰まった姿にうっとりしました。湯豆腐の際に使うのはもちろん、普段はキッチンに飾るように置いています。海外の方に差し上げると、その繊細さに必ず驚かれます」と川上さん。

真野さんも「亀の甲羅のような編み方や、中央の菊の花に似た文様など、美しく縁起がいい。贈り物にも最適です」と、結婚や引っ越しのお祝いに重宝しているのだとか。このほか、こんがりふっくらとパンや餅が焼けるセラミック付き焼き網や、コーヒードリッパーなども人気です。

職人が手づくりする金網細工の調理器具は、使い心地のよさとデザイン性の高さを両立。京都ならではの高い美意識を、心ゆくまで堪能することができる名品なのです。

問い合わせ先

PHOTO :
戸田嘉昭・小池紀行(パイルドライバー)
EDIT&WRITING :
田中美保(スタッフ・オン)、中村絵里子(Precious)
RECONSTRUCT :
難波寛彦