ゆったりとした贅沢な空間と、徹底したホスピタリティ。ラグジュアリーホテルの魅力は、旅するように、非日常な体験を味わえることにあります。加えて今、ホテルを訪れる大きな理由のひとつになっているのが「食」。

『Precious』3月号の企画「今、『ホテルダイニング』が面白い!」では、ラグジュアリーホテルが力を入れている「食」について注目しました。

新進気鋭の若手シェフの起用や、環境に配慮した食材の活用、ドリンクペアリングの強化やシェフ自らが生産者を訪れ素材を吟味するなど、ホテルのダイニングという枠を超えた新たな挑戦をしているところが増えています。これまでのイメージを覆す、この時代の新たなホテルの「ダイニング」に迫ります。

今回は、東京・日本橋にあるマンダリン オリエンタル 東京の「シグネチャー」をご紹介します。

マンダリン オリエンタル 東京「シグネチャー」|東京・日本橋

新料理長就任で、クラシカルなフランス料理へ原点回帰。ユニークなノンアルコールのペアリングも話題に

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マンダリン オリエンタル 東京「シグネチャー」

昨年10月、ニコラ ブジェマ氏の料理長就任を機に、コンセプトを一新したフレンチファインダイニング「シグネチャー」。伝統的なフランス料理をベースに、モダンエッセンスを加えた料理が話題です。ニコラ氏は、14年連続ミシュラン1つ星を牽引してきた立役者のひとり。

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前菜のオマール海老はワゴン上で取り分けてくれる。
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温前菜の黒トリュフのワッフル。幾何学的なデザインと雪の結晶形のトリュフがアーティスティック。

注目はランチの前菜。常時5種類用意されるオードブルはワゴンで運ばれ、説明を聞いたうえで好みの一品を選ぶことができます。なかでも、シェフが研鑽を積んだアルザスの名店「オーベルジュ・ド・リル」で得た技法を用いた「フォアグラのミルフィーユ」(写真・下)は必食。

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「フォアグラのミルフィーユ」

また、ワインやノンアルコールのペアリングにも注力。プリフィックスのコースメニューからゲストが選んだ料理に合う一杯をソムリエが厳選。日本酒や日本のクラフトビール、コロナ禍にソムリエが考案したオリジナルのノンアルコールワインまで多彩なラインナップ。

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ソムリエチーム考案のノンアルコールワイン3種。赤ワインに見立てた「シャトー・ノージー」(ソムリエ野坂氏の愛称が由来)は、黒ブドウに中国茶と6種類のスパイスなどがブレンドされた大人の味わい。

「あらゆる世代のゲストが、ハレの日からカジュアルランチまでさまざまな目的で訪れるのがホテルのメインダイニング。それらのニーズに対応できる引き出しの多さがホテルダイニングの魅力です」とは料飲部長の内坂 徹氏。何度でも訪れたい正統派フランス料理の名店といえます。

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メインのA5和牛のロースト、黒トリュフのクーリ。付け合わせのチコリの中にはチキンのムースとほうれん草が。

※この特集の情報は1月17日現在のものです。営業時間など最新の情報をご確認のうえ、ご活用ください。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

問い合わせ先

PHOTO :
長谷川 潤
EDIT&WRITING :
田中美保、佐藤友貴絵(Precious)