【目次】
【「見てください」は失礼?ビジネスでの注意点】
「見てください」は、動詞「見る」の連用形+接続助詞「て」+懇願の意を表す補助動詞「ください」から成る言葉です。正しい敬語表現(丁寧語)ではありますが、敬意は低め。また、「ください」という断定的な表現に、命令に近い印象を受ける方もいらっしゃるようです。
やや丁寧さに欠ける表現のため、「見てください」を使う相手として適切なのは、上下関係のない同僚や友人、目下の人。取引先や目上の方に対してはふさわしい言葉ではありません。特にフォーマルなシーンで使うと、相手に幼稚な印象を与えかねないので、注意が必要です。
そのため、上司や取引先など目上の相手に対しては、次のような言い換えを使うとより丁寧な印象になります。
【上司や目上の方に使いたい「言い換え」表現】
ビジネスで使える言い換えをまとめました。
【「見てください」の言い換え一覧】
| 言い換え | 丁寧さ |
|---|---|
| ご覧ください | 普通 |
| ご確認ください | やや丁寧 |
| ご一読ください | 丁寧 |
| お目通しください | 丁寧 |
| ご査収ください | 非常に丁寧 |
「ご覧ください」の「ご覧」は、「見る」の尊敬語です。汎用性の高い言葉ではありますが、確実性を求められるビジネスシーンでは、より適切な言葉を選んだほうが、意思の疎通がスムーズに進むかもしれません。
例えば、関係者に対し、資料に目を通してほしいことを伝えるケースなど、「見る」を「読む」の意で使った場合、丁寧な言い換え表現は「お目通し」「ご一読」「ご参照」となります。「ご確認」も、日常会話でよく使われる言葉ですね。
「ご査収ください」は「内容をよく調べたうえで(金品や書類を)お受け取りください」という意味の敬語表現。さらに「ご査証ください」となると、「きちんと調査して“証明”してください」という意味が含まれています。クレーム関係の書類や見積書、領収書などの間違いを指摘し、修正を求める場合にも使われます。
つまり、「見る」という言葉が含む「行為」に対し、要求される正確さや緻密さの程度は、「ご覧」<「お目通し」≦「ご一読」≦「ご参照」<「ご確認」<「ご査収」<「ご査証」の順でシビアになっていきます。
請求書や決算書など、数字のチェックを含んだ書類であれば「ご覧ください」よりも「ご確認ください」あるいは「ご査収ください」を使ったほうが、上司や取引先などの関係者に、案件の重要性が伝わりやすくなります。
【「見てください」の「敬語」表現は?】
前述の通り、「ください」は懇願の意を表す補助動詞です。丁寧語ではありますが、敬意は低め。「ください」を使ったフレーズの敬意を高めるためには、「尊敬語+ください」というルールを覚えておくと便利です。
■「見てください」を敬語表現にすると?
「見る」を表す尊敬語は、「ご覧」になります。従って、「見てください」の、より丁寧な表現は、「ご覧ください」です。
「尊敬語+ください」というルールは、「食べてください」→「お召し上がりください」、「着てください」→「お召しください」などと応用が利きます。
■もっと「丁寧」に言うなら?
・文頭に「ぜひ」「何卒」などを添える
・文頭に「大変恐縮ですが」など、クッション言葉を添える
・「ご覧いただけますか」と、疑問形にする
・「ご覧いただけますようお願い申し上げます」と依頼形にする
・「ご覧いただけますと幸いです」「~うれしいです」と気持ちを添える
また、敬語表現を使用する際には、「文章を通して、言葉の敬意の度合いを合わせる」ことも大切です。
・「詳細については、この資料を見てください」
・「詳細につきましては、こちらの資料をご覧ください」
「見てください」→「ご覧ください」の変化に合わせて、「ついては」→「つきましては」、「この」→「こちらの」と、全体の敬意の度合いを統一したほうが、文章全体が洗練された印象になりますね。
【ビジネスメールで使える例文】
ビジネスメールでは、「見てください」よりも次のような表現がよく使われます。
■資料を確認してほしい場合
・添付資料をご確認ください。
・恐れ入りますが、資料をご覧ください。
■書類を読んでほしい場合
・お時間のあるときにご一読ください。
・お手数ですが、お目通しいただけますと幸いです。
■提案資料などの場合
・ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
・ご高覧いただけますと幸いです。
【「ご覧ください」「ご確認ください」の違い】
同じ「見る」という意味でも、言葉によってニュアンスが異なります。
| 表現 | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| ご覧ください | 見てください | 一般的 |
| ご確認ください | 内容を確認する | 書類・データ |
| ご一読ください | 一度読んでほしい | 文書 |
| お目通しください | ざっと読む | 上司 |
つまり
・書類チェック → ご確認ください
・資料閲覧 → ご覧ください
・文章 → ご一読ください
と使い分けるとスマートです。
***
「見てください」は文法的には丁寧語ですが、ビジネスシーンではやや直接的な印象を与えることがあります。そのため、相手や状況に応じて「ご覧ください」「ご確認ください」「ご一読ください」などの表現に言い換えると、より丁寧でスマートな印象になります。
とくにメールや資料送付の場面では、「添付資料をご確認ください」「お時間のあるときにご一読ください」といった言い回しがよく使われます。相手に依頼する内容に合わせて適切な表現を選ぶことが、ビジネスコミュニケーションを円滑にするポイントです。
日常的に使いがちな「見てください」も、場面に応じて言葉を選び替えることで、より洗練された印象の伝え方ができるでしょう。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本国語大辞典』(小学館)/『大人なら知っておきたい モノの言い方サクッとノート』(永岡書店)/『心理学的に正しい!人に必ず好かれる言葉づかいの図鑑』(宝島社)/『とっさに使える敬語手帳』(新星出版社) :

















