【目次】
- 「お目にかかる」ってどんな意味?語源と成り立ちをやさしく解説
- ビジネスでの「お目にかかる」の正しい使い方とは?
- 「例文付き」好印象を与える“正解パターン”と“やってはいけない使い方”
- 「お会いする」「拝見する」との違いと使い分けのコツ
- 「お目にかかる」と「お目にかける」…似てるけど全然違う!
- 「言い換え表現」場面別で使える!自然な敬語フレーズ7選
【「お目にかかる」ってどんな意味?語源と成り立ちをやさしく解説】
「お目にかかれて光栄です」と感情を表現したり、「お目にかかりたく存じます」と相手を立てながら依頼したり。ビジネスでは「お目にかかる」というフレーズを使用するシーンが多いもの。では、取引先だけれど「仕事仲間」というような同等の間柄の人にも「お目にかかる」は使えるのでしょうか? まずは語源や成り立ちなど、基礎知識をしっかり確認しましょう。
■意味
「お目にかかる」とは「お会いする」という意味で「会う」の謙譲語、自分を低くすることで相手を敬った言い回しです。
■語源
「お目」は「目」を丁寧に言う表現で、“相手の目”を尊重することで敬意を示す語。「かかる」は「触れる・関わる」から転じて「会う」を意味する丁寧表現になりました。「お目にかかりたい」は「お会いしたい」、「お目にかかれて光栄です」は「お会いできてうれしい」という意味になります。
【ビジネスでの「お目にかかる」の正しい使い方とは?】
■誰に対して使える?
謙譲表現ですから自分より上位の人に。ビジネスシーンなら、役付きの取引先の方や自分の上司にも使えます。主語は自分ですが、自社の人や家族など“身内を主語にした場合”にも使用可能。プライベートでは、久しぶりに会った恩師に「お元気そうで何よりです。今日はお目にかかれてよかったです」などと使うこともあるでしょう。
■部下や後輩には?
尊敬している部下に対して、「あなたのような部下にお目にかかれて安心です」などとは言いません。仕事関係でも気軽な相手に対して丁寧に言うなら、「お目にかかる」ではなく「お会いする」を使いましょう。
「例文付き」好印象を与える“正解パターン”と“やってはいけない使い方”】
「お目にかかる」を使った例文を見ていきます。敬語は相手を敬って使うものですが、印象を左右するものでもあります。同じ種類の敬語を重ねて使う二重敬語がNGなように、使い方を間違えては逆効果。例文で使い方をイメージしてください。
■「お目にかかれて光栄です(うれしいです)」
初対面の相手への挨拶などによく使われます。メールなどでの事後挨拶に「本日はお目にかかれて光栄でした」と加えると好印象。「光栄」だとちょっと大げさな感じがする場合は「うれしい」を。どちらも誉れや喜びを表します。
■「弊社の部長の○○が、ぜひ一度お目にかかりたいと申しております」
主語は自分ではなく〇〇部長ですが、このように身内のことであれば自分同様「お目にかかる」が使えます。
■「お目にかかれるのを楽しみにしております」
電話やメールなどでの例。目の前に本人がいる場合は、「お目にかかれるのを楽しみにしておりました」でOK!
正しい使い方の理解を深めるため、間違い例文も見ておきましょう。
■NG例:「明日○○社の△△様がお越しになりますが、お目にかかりますか?」
■NG例:「先方の担当者がお目にかかりたいとおっしゃっています」
NG例のふたつは、会話の相手が上司など目上の人の場合に起こしがちなミス。お目にかかる(会う)のは自分ではなく相手ですから、「お目にかかりますか?」では相手を下げた言い方に。それぞれ、「明日○○社の△△様がお越しになりますが、お会いになりますか?」「先方の担当者がお会いしたいとおっしゃっています」が正解です。「お目にかかる」とへりくだるのは自分(あるいは身内)」「第三者が主体の文章では使わない」と覚えておきましょう。
【「お会いする」「拝見する」との違いと使い分けのコツ】
■「直接お会いしてご説明申し上げたいのですが、ご都合はいかがでしょうか」
同じ謙譲表現ですが、「お目にかかる」より「お会いする」のほうが少々フランクな言い回しです。
■「お顔を拝見しながらのミーティングは、はかどりますね」
「お顔を拝見」も「お目にかかる」同様、へりくだることで相手を立てる謙譲表現です。
■「今秋には新製品がお目見えするとうかがっております」
「お目見えする」には、「(高貴な人や目上の人に)初めて会う」や「新登場」といった意味が。人物以外にも使えます。
【「お目にかかる」と「お目にかける」…似てるけど全然違う!】
とてもよく似たフレーズですが、このふたつは似て非なるもの。「お目にかかる」は「会う」、「お目にかける」は「見せる」の謙譲語です。目上の相手に何かを見せることをへりくだって表現することで、相手に敬意を示します。「お目にかける」の例文もご紹介しておきましょう。
■「来週には新製品の試作品をお目にかける予定です」
■「お目にかけたいものがあるのですが、お時間はございますか?」
【「言い換え表現」場面別で使える!自然な敬語フレーズ7選】
■1「かしこまりました」:「了解」「承知」したことを伝える場面で
「わかりました」「了解です」ではなく、「恐れ入って」「謹んで」の意味をもつ「かしこまりました」を使用して。「承知しました」「承りました」でもOKです。
■2「申し伝えます」:伝言を頼まれたら
上司からあなたの同僚に伝言を頼まれた場合は「申し伝えます」が正解。「伝えておきます」より相手(この場合は上司)を立てた丁寧語です。似た表現の「お伝えします」は動作の受け手に敬意を払った表現なので、同僚への伝言の場合は不向き。A上司からB上司への伝言を仲介する際など、伝える相手も敬うべき人の場合に「お伝えします」が使えます。
■3「存じ上げております」:知っている目上の人が話題にのぼったら
「御社の〇〇部長でしたらよく存じ上げております」のように、目上の人を知っていることを伝える場面で。よく似た表現に「存じております」がありますが、これは「知る」「思う」の謙譲語である「存じる」を用いたもの。「人物」には「存じ上げる」、「知る」「思う」には「存じる」と、しっかり使い分けて。
■4「お時間よろしいですか?」:聞きたい事や相談事を持ちかける場面で
上司や先輩、取引先の相手などに急遽時間をつくってもらいたい――そんな場面で使えるのが「お時間よろしいですか?」です。「お時間ありますか?」や「お時間いただけますか?」より丁寧で感じのいいフレーズです。「お知恵を拝借したいのですが」に続けたり、「いま5分ほどお時間よろしいですか?」と“程度”を示すと、より好印象です。
■5「折り入って」:頼み事を受け入れてもらいたい場面で
熱意や切羽詰まった状況を伝える場面で使いがちな「どうしても」や「絶対」というフレーズは、強引で独りよがりに感じさせることも。お願いや相談をする際には代わりに「折り入って」を使ってみましょう。「折り入って」は「心を込めて」や「ぜひとも」といった意味があるので、「あなたを信頼してお願いしています」というニュアンスが伝わるはず!
■6「ご勘案いただき」:事情を汲んでもらった際に
「わかっていただきありがたい」と「煩わせてしまって恐縮」な気持ちが込められたフレーズ。「勘案」は「あれこれと考え合わせること」という意味です。
■7「要用のみ」:必要なことを伝える場面で
「取り急ぎ用件(要件)のみ」というフレーズは、メールなどで頻繁に使うのではないでしょうか。一方「要用」は「さしせまって必要な用件」という意味で、急ぎの要件を簡潔に伝える言い回しです。ですから、差し迫った要件を伝えたいときには「取り急ぎ要用のみお伝えいたします」が効果的。「用件=用事」「要件=大切な用事」「要用=必要な用事」と覚えておきましょう。
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「会えたことに誉れを感じる」「会ったことに敬意を表す」「目上の人に会いたいと伝える」「初対面での挨拶」など、さまざまなビジネスシーンで使用したい「お目にかかる」という謙譲表現。相手との関係性によって、尊敬語、謙譲語、丁寧語などを上手に使い、「TPOに合わせた正しい敬語」や「感じのよい敬語」を身につけましょう。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本国語大辞典』(小学館)/『デジタル大辞泉』(小学館)/『敬語マニュアル』(南雲堂)/『とっさに使える 敬語手帖』(新星出版社)/『敬語ネイティブになろう!!』(くろしお出版)/『大人なら知っておきたい モノの言い方サクッとノート』(永岡書店) :

















