温泉旅行といえば、湯治だけでなくグルメもお楽しみのひとつ。ゆっくり極上の湯に浸かったあと、ご当地の食材をふんだんに使ったメニューに舌鼓！ これぞ旅の醍醐味ですよね。
そこで、全国2,500以上のスポットを巡った経験のある、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんから、料理自慢の温泉宿をピックアップしてもらいました。本記事でお届けするのは、新潟県十日町市にある「酒の宿 玉城屋（たまきや）」です。
公式サイト
星付きシェフと酒匠がコラボ！創作フレンチと地酒のペアリングを堪能
有馬・草津と並び、日本三大薬湯の一つである新潟・松之山温泉。その温泉街の中央に位置し、名湯と共に里山フレンチと日本酒のマリアージュを堪能できる湯宿が「酒の宿 玉城屋」です。
「ご当地食材と地酒をセットでいただける湯宿は珍しくありませんが、里山ならではの創作フレンチと地酒のペアリングを楽しめて、しかも星付きシェフと酒匠がコラボするという無二のサービスを提供してくれるのが、玉城屋の醍醐味。まず、料理長はミシュラン2つ星レストランで修業を重ねたシェフ。新潟の季節の食材を生かしたフレンチのコースは逸品ぞろいで目でも舌でも楽しませてくれます。
コテコテのフレンチというより繊細な味わいで、特に私が訪問した時期のメニューでは、八色椎茸のおいしさに感動しました。椎茸って身近な食材ですが、風味といい香りといい、今まで食べてきたものとは全然違う…。もちろん、素材そのものの良さもあると思うのですが、それを引き出すシェフの腕前に脱帽です」（植竹さん）
「絶品フレンチをさらに引き立てるのは、希少な越後の地酒やワイン。それぞれ百種類程度の銘柄をそろえているそうです。その豊富なラインナップの中から、酒匠（利き酒師の上級資格）やソムリエの資格を持つオーナーが、絶妙なチョイスとタイミングで食中酒を提供してくださいます。
オーナーはただお酒に詳しいだけでなく、もともとはご自身が料理人をされていたほど食にも通じている方。オーナーによるペアリングはオプションのサービスですが、“この料理にはこの銘柄”と一皿一皿に対して、酒匠ならではの目利き、経験値を生かしたセレクトで、食事と地酒のおいしさがより一層引き出されたように感じました」（植竹さん）
「一夜明けて朝食がこれまた絶品。お米はもちろん新潟・魚沼産コシヒカリ。マスの西京焼きや山菜たっぷりのけんちん汁など、郷土色豊かな食卓に朝から幸せな気分になれます。5種類のカラフルなコールドブレスドリンクもヘルシーだし、前の晩にフレンチをお腹いっぱい食べたばかりでも、ついつい箸が進んでしまいました」（植竹さん）
プライベートな空間で日本三大薬湯の恩恵をしっとり享受
「松之山温泉といえば、日本三大薬湯のうちのひとつ。温泉成分が療養泉基準値の15倍、なかでも肌のダメージを回復させるといわれるメタホウ酸は基準値の50倍も含まれるとのことで、かなり個性的、パワフルな湯です。しかも浸透圧が高く、皮膚を通じて有効成分が体内に入りやすい性質を持つといわれています。
湯あたりしないように、十分に休憩をとってから湯浴みしてみると、温泉の恩恵が体の芯まで伝わってくる感じが。湯上りはポカポカでしばらく汗が止まらないほどでした。また、美肌サポート成分のメタケイ酸も多く含まれるため、お肌しっとり効果を実感できたのもうれしいポイントです」（植竹さん）
「ちなみに、日本酒の管理にもこだわる玉城屋では、開封してしばらく経ったものは、温泉の前にある冷蔵庫に移動します。この冷蔵庫にあるお酒はフリーで飲み放題！ 日本酒好きにはこのうえないサービスです。普段は飲めない珍しい銘柄もありますし、私は全種類制覇しちゃいました」（植竹さん）
以上、「酒の宿 玉城屋」をご紹介しました。名湯、フレンチ、日本酒と大人の女性の好きなものがそろった極上空間でご褒美時間を過ごしたい人は、次の旅先候補のひとつにぜひ加えてみてはいかがでしょうか？
問い合わせ先
- 酒の宿 玉城屋
- 住所／新潟県十日町市松之山湯本13
- 客室数／全8室
- 料金／1泊2食￥31,350～（2名1室利用時、税込）、48,950円～（1名1室利用時、税込）
- TEL：025-596-2057
- WRITING ：
- 中田綾美
- EDIT ：
- 谷 花生
