「じぐう」ではないですよ!「時偶」ってなんと読む?
明日・6月10日は『時の記念日』です。
現代ではさまざまな記念日が制定されていますが、『時の記念日』の歴史は大変古く、第一回『時の記念日』は1920(大正9)年にまでさかのぼります。
当時の日本は、社会生活の近代化推進の真っただ中。そこで必要とされたのが「時刻を守って効率的に生活する」という意識です。
渋沢栄一ら、時の政官界の主要メンバーによる団体と文部省がそろって、人々に「時間を正確に守る」という意識を啓発するために制定されたのが、『時の記念日』なのです。
現代では、日本は、時刻表に正確な国として世界に知られていますが、そうした社会の育成には、先人の努力があったのですね。
本日は「字」「刻」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「時偶」ってなんと読む?
「時偶」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「ときどき。ときおり。」という意味の言葉です。
<使用例>
「あのお店には時偶行ってみる程度だったけれど、良いシェフが入ったから、今後は足しげく通ってしまいそうよ。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 時偶(ときたま)です。
「偶」という字は「たまたま」「たま」とも読み、「思いがけなく」という意味がありますので、
「時偶(ときたま)」は「ときどき。たまに。」という意味で構成された熟語です。
さて、2問目に参りましょう。
【問題2】「刻刻」ってなんと読む?
「刻刻」という日本語の「こくこく」「こっこく」以外の正しい読み方をお答えください。
ヒント:解答の読み方だと「のこぎりの歯のような細かいきざみ目。」などの意味を持つ言葉になります。
<使用例>
「薔薇の葉って、よく見ると周囲が刻刻しているのよね。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 刻刻(ぎざぎざ/きざきざ)です。
なんと、カタカナ表記でおなじみの「ギザギザ」という言葉に、漢字表記があったのです!
「刻」という字は「刻む(きざむ)」とも読みますので、「刻刻(ぎざぎざ/きざきざ)」は、そこから来た読み方ですね。
昨日取り上げた、靴音などを表現する「戛戛(かつかつ)」といい、何気なく使用している擬音に、背景的な意味や漢字表記があるのも、日本語の面白さですね。
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本日は、6月10日『時の記念日』のトリビアにちなんで、「時」「刻」という字の入った日本語から、
・時偶(ときたま)
・刻刻(ぎざぎざ/きざきざ)
などの読み方についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)/近江神宮ウェブサイト/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱